見出し画像

近代の人気リゾート「野島」〜横浜最後の天然砂浜〜後日談更新

金澤園の方に八景島近くにある「野島(のじま)」という場所に横浜市に現存する最後の天然砂浜があると聞きそちらに遊びに行ってきました。

色塗りの部分が「野島」内陸と3つの橋で繋がっています。

神奈川の夏のリゾート地といえば葉山や大磯ですが、開発される前は金沢八景(ほぼ横須賀寄りの横浜)が明治大正時代の富裕層が好んで別荘を建てた場所なんだそうで、野島もその一つ。

昔の特にお偉い方の土地選びって侮っちゃいけなくて、いにしえの易学やら陰陽師やらを駆使して気候風土も良く安全で静かな場所をちゃんと選んでたりするから、たぶん良い場所なのだろうなと思ってたら本当にそうでした(当社比)。ので以下見てきたスポットをご紹介します。


旧伊藤博文金沢別邸

地図を見ると島の半分が公園なんですが、野島の大洋側の先端に「旧伊藤博文金沢別邸」という歴史建造物があり、近代の偉人の別邸というぐらいだから洋館?と思いましたが、行ってみるとなんと茅葺屋根の平屋。

外観

元の建物は昔は潮のせいで廃れてたそうですが、現在の建物は2009年に復元したもの。

このご時世にしては珍しく拝観無料で中もみて回れます。

展示品があまりなくて広々

中から見る八景島の景色が素敵。

客間が何個もあってかつての皇族も泊まりに来ていたのが説明書きにありました。

炊事場
鳳凰が描かれている欄間
松の形にくり抜かれた照明

外観は一見民家に見えるのに内装が豪華。隠れ家的な扱いだったのか。

縁側
縁側からの景色

土曜の真っ昼間でしたが誰も来なくて、1人でしばらく縁側に座って海を眺めながら伊藤博文はここで明治憲法の草案を作ったのかーと目を瞑りながら想像。

外はまだ全然暑くて、中の建物はエアコンもないはずなのに潮風が心地よく吹いてきて癒される場所。
こんないいところで美味しいお茶が飲めたらいいのにと思って調べたら、
コロナ前までは受付で申し込めば先着で抹茶とお菓子が600円でいただけたそうです。。これはぜひ復活してほしい。

野島公園/旧伊藤博文金沢別邸について詳しくはこちら→ https://www.hama-midorinokyokai.or.jp/park/nojima/

野島山展望台

別邸がある野島公園は山になっていて、頂上に展望台があり、登ってみることに。標高57m。低いじゃんと思ったけどかなりくねくねしたいろは坂で良い運動。

展望台前着。息切れしながら写真。

鳥の飾り?

螺旋階段を登ります。

到着。写真の人は知らぬ人。

展望台から八景島海の公園方面

360°見渡せるので、富士山や丹沢などの山々も眺めることができます。
聞けば夜景が綺麗とのことですが、金沢祭りの花火が最も見えやすい場所なんだそうでその日だけ場所の取り合い競争が激化するんだとか。

展望台の360°ビューは下記google mapより → https://maps.app.goo.gl/nnAgQWTTF2rHCsPm8

横浜に残された最後の砂浜

展望台を後に山を下って今度は海側に出てみようと思います。
島を歩くと、よそ見したらすぐぶつかりそうなくらい松の木がひしめき合って生えてます。防風林なんだろうし塩に強い特性だからと思いますが、たぶん島の住人より松の木の方が多そう。地面も松ぼっくりましまし。

公園の松林を抜けてたどり着くのが、横浜で唯一残された砂浜のある「乙舳海岸(おつともかいがん)」。すでに舗装工事で拡張してあって横広に階段状になってますが、端っこだけ砂浜が残されてました。

波の音と打ち上げられた海苔以外何もない、、ここで実況中継できるアナウンサーは優秀だと思います。ぐらいには静かです。

日当たりで色が違いますが同じ海。

近くに手洗い場の水道とかトイレ(全自動、SA並にすごい綺麗)もあるので、時期によっては公園内にキャンプ場もあるし金沢の潮干狩りとかで混むのかなと思います。

シーパラのジェットコースターが近くに見える

八景島を眺めながら浜辺でのんびりするのもいいかも。

帰り道

駅に向かって内陸側に来ると、海苔漁師のお店が並びます。住宅も普通にありますが、意外だったのが世田谷とか成城学園並の豪華な一戸建てが多く、別荘がそのまま相続された風なものもあれば、明らかに新築で投資用物件のアパートやマンションがありました。なんだかんだ駅近だし、台風被害のリスクはあれど、良い場所なんだなと思います。

海苔屋さん

お土産に買ったのりの佃煮。まろやかで美味しい。合成甘味料とか保存料の味がしなくて濃い海苔の味でした。

特筆すべき面白い何かがあるわけでも、都内からのアクセスが良いわけでもありませんが、私のような人混みが苦手なタイプがシーズンの合間に静かな場所でのんびり海を眺めたり、考え事しにくるのにハマるよき場所でした。牡丹や桜の名所でもあるので春先にまた行きたいところ^^

アクセス

シーサイドライン「野島公園」駅徒歩5分
公園内に駐車場あり
https://www.hama-midorinokyokai.or.jp/park/nojima/access.php

野島公園/旧伊藤博文金沢別邸について詳しくはこちら→ 

https://www.hama-midorinokyokai.or.jp/park/nojima/

後日談

instagramの方にもあげましたが、野島の入り口にかかる『夕照橋』の橋名板は祖父の書(戦後から定年まで市の職員、議会の看板とかも書いてたらしい)を元に作られたものということが祖母からの話で判明しました。

野島公園入り口付近
その橋名板。見覚えあるようなないような行書体。。
橋100選なんていうジャンルがあるのね
船着場
撮影スポット?
島側の端っこ

なんとなくこの島にハマる理由がそれだったかもしれません。もし生きてるうちに会っていたら橋名版を自慢しに連れてきてくれたのかなと思うと感慨深いです。今後また海苔でも買って実家の仏壇に備えようと思います。

この記事が参加している募集

休日フォトアルバム

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?