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観光コーディネーターという仕事⑦

寒さ暑さに弱い、ついでに朝も弱い、最近は夜も弱い、非常に軟弱な私。
三陸に来て8年目ですが、寒さにはいっこうに慣れず、高気密高断熱住宅をいつか(=宝くじが当たったら)建てるぞ!と毎年思っています(薪ストーブ付きの)。
とはいえ、寒くてもけっこうアウトドア系の仕事や遊びには躊躇なく参加しています。なんやかやいって好きなんですね。

松茸が不作!!

先月、松茸狩りのプログラムを「大槌ジビエソーシャルプロジェクト」さんとつくるために、松茸山に2回入りました。開始シーズン順調化と思われた松茸でしたが、私の師匠・山田町の松茸名人のHくんの予言どおり(かなり初期から言っていた)、今年はかつてないほどの不作となりました。

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まったく取れない。今年の開催は見送りました(ちなみに山田町の松茸狩り体験も見送ってます)。
ふるさと納税のウニに並んで一番人気の返礼品「松茸」を大槌町も(三陸沿岸すべてそうだったらしい)、送れないという事態が発生しました。
とても残念ですが、こればかりは自然のもの。
毎年取れるかどうかわからず、かつ松茸山に入るとわかるのですが収穫は命がけ。値段が高い理由がわかります。
そんな命がけの松茸狩りを体験してもらいたい! 来年は豊作になりますように!

化石化した頭をアップデート

5年前「地域振興としての観光」の仕事を始めたとき、右も左もわからなかったので、セミナーや研修などを受けまくり、とにかく勉強をしたものでした。
観光客の受け入れで忙しくなったり、自分のなかで「やるべきこと」の筋道ができるようになると「もう知っていることだから」と勉強しなくなってきていました。
とくに、コロナ禍で開催がオンラインになると、現地に行かないので、なにか予定が入ったり、電話や来客、急ぎのメール対応で集中できなかったりと、どうしても落ち着いて受講できず……(言い訳ですけれど)。
でも、「観光」って生き物。
「あり方」「ニーズ」も変わるし、新しい考え方や技術・ツールもどんどん出てくる。
たとえば、観光は「モノ消費」から「コト消費」となったといわれて、「体験」が重視されている傾向にあったわけですが、「イミ消費」「トキ消費」という言葉も出てきており、油断するとすでに乗り遅れて、古い思考や知識のまま止まってしまっています。
そんなわけで、また少しずつ勉強をはじめています。それが観光と直接関わってなくても、いつもなにかしら得るものがあります。

10月は、PR動画についての講座に参加し、動画のPRの手法を聞きました。目からウロコな部分もあり、あ〜〜〜〜〜〜! 私やっぱり頭が化石化している!と実感したのでした。

また、大槌町観光交流協会では、「コンテンツビジネス部会」の運営をしています。名前だけではなんだかよくわからないのですが、いまでもよくわからないですが、メインは大槌町が力を入れている「アニメ」コンテンツについてらしいです。
「アニメ」ということで、ずっとアニメ映画「マヨイガ」関係で、私をはじめ関係者以外は入りにくい部会でしたが、いまこの事業の一環でさまざまな専門家による講演会が企画されています(ほぼ毎週)。
これまでの内容では「磯ラーメンについて」「大槌の漁業の状況について」「大槌の観光について」、そして先週は東大の大気海洋研究所の青山先生によるお話。
うなぎの話(青山先生はうなぎ研究の第一人者)から三陸の鮭のブランド化のアイデアなど、とてもおもしろい内容でした。
いままで講師が町内の方でしたが、次回より県外の講師の方による講演会となります。興味のある方は、大槌町観光交流協会へ問い合わせてみては? 部会のメンバーだけではもったいない!

埋もれている観光素材の発掘

コロナが落ち着いてきたこともあり、旅行商談会が始まったり、エージェントが視察に三陸に来るようになり、「大槌町に来るとこんなことができます!」(あれ?どっかで聞いたフレーズw)がわかる資料づくりに追われていました。
紹介するにあたって、内容も知らなければならないので、大槌ジビエソーシャルプロジェクトの教育旅行受け入れの見学に行ったり、新たなコンテンツ探しをしていました。

3Dプリントで全国的にも有名なササキプラスティックさんでは、東大の専門家監修のもと(再現性にかなりこだわっています)、三陸の海産物をそのままミニチュアで再現したグッズを開発。

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コレクション心を揺さぶる作品です。生物を学ぶときの教材にもなります!左から、ウニ、なまこ、ホヤの赤ちゃん(本当にこういう姿をしています!)、ムール貝(現地名しゅうり)、新巻鮭のしっぽ、しゅうりの身、トシロ(アワビの肝)、アワビ、新巻鮭の頭、イカの口、大槌のホヤ(とれる場所によって色が違うらしい)。
とてもマニアックです。
ガチャガチャにしてもらって、大槌新名物になるといいなあと思っています。
トゲ部分の再現に非常にこだわったウニは、「体験プログラム」になることが決まりました!(棘を刺して仕上げてもらいます)。

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吉里吉里国さんの「薪まつり」では、「海と森の出会い体験」をしました。

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浜で拾ったものと山で拾ったものでつくる可愛い置物。これはいいですね。私のセンスなくてこんな感じになってしまい申し訳ないですが、教育旅行でぜひやってみたい体験でした!

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ちなみにこの薪まつりでは、ツリークライミングにも初挑戦!
これは気持ちいい!

そうそう、鹿革キーホルダー体験をしたのも、10月でした。

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大槌には、まだまだ眠っている面白い観光コンテンツがありそうと、日々実感しています。

エコツーリズム研修と再会

とても嬉しい再会がありました。
大槌ジビエソーシャルプロジェクトと大槌町観光交流協会で、今年度の環境省「エコツーリズム研修」に応募し、厳しい(?)選考を通過しました!
この研修は、私が観光事業をはじめた2016年、参加したガイド・コーディネーター研修の進化版です。

研修にさきがけ、講師に現地に来ていただき参加メンバーと地域の現状や課題洗い出すというミッションがあり、大槌町ではエコツーリズムの先駆者・屋久島のYNAC・松本毅先生が来町となりました。
松本先生は、私が参加した鳥羽での研修合宿のメイン講師。
トータルで6日間鳥羽でお世話になりました。
大槌で再会できるとは! 懇親会でまたいっぱいお話できました(松本先生と写真撮るの、忘れた!)。

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「エコツーリズム」といわれると「エコ」という言葉が強くて、役場の観光担当課などで「エコツーリズムは関係ない」と言うのをたまに聞きますが、松本先生がおっしゃっていたように、日本のエコツーリズムは「環境保護」だけでなく「地域振興」も大きな比重となっています。いま大槌も取り組んでいる地域の素材(自然・文化・歴史・人・食)をそのまま活用した「体験観光」「着地型観光」だと思っていいと思います。
環境省の「エコツーリズム」は、どんどん取り入れていきたいと思います。みちのく潮風トレイルの大槌コースイベントも来年実施したいと、企画中です。
大槌コースは、初心者向けかつ景色がいいの! ほったらかしはもったいない!
(みちのく潮風トレイルのコースを決める際、各市町村で町民による検討会が行われていたと思うのだけれど、大槌ではどなたが参加していたのだろう? 知っている方がいましたら、教えてください)

船越湾・野島クルーズ体験開始!

最後に宣伝です。
大槌町でもクルーズ体験が始まりました。

野島クルーズチラシ3

今年度は試験的に行うため、「三陸花ホテルはまぎく」の宿泊者対象となります。
寒さからいうと11月のうちにぜひ乗船ください。
すごく寒くてもOKでしたら、真冬も出航いたします(冬のほうが海の透明度が高く本当はおすすめです)。

ではでは、今月はこのへんで。
締めの写真は、イトヨ生息地(町中でもこんな自然いっぱいの大槌です)
あと、ひでかちゃん北浦くんに連れていってもらった五葉山登山のときのです。

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