ユキヒョウ シジムの上の兄弟について
北海道札幌市・円山動物園にいるユキヒョウのシジム、彼女にはお姉さんとお兄さんがいます。本記事では彼らについて調べたことをメモしていきます。※情報の引用がないものについてはNordens Arkへ問い合わせしたものです。
シジムが生まれる2年前の2008年5月23日にスウェーデン・Nordens Arkで姉・Irinaと兄・Ilyanは生まれました。
親はシジムと同じ、父・Irbisと母・Saheliです。
■ IrinaとIlyan誕生記事(25ページ目)
Saheliはこの2頭が初産になりましたが、無事に育児を開始することができました。そしてそれだけでなく、彼女は翌日(2008年5月24日)にスウェーデン・Kolmårdenで生まれたメスのIrmaを自分の子供として受け入れて育てたそうです。
Irmaの母は出産から育児に移行することができずにIrmaは一時は人工保育となりましたが、その身をNordens Arkに移されてSaheliの元に来たそうです。
■ SaheliがIrmaを受け入れたことについての記事
ユキヒョウが養子を受け入れたことは前例がないことだったようですが、それを試みたこと、SaheliがIrmaを育てたこと、どちらも驚くべきことですね。
Nordens Arkに確認をとったところ、IrmaはSaheliのまったくの他人(他豹?)というわけではなく、Saheliの兄弟であるBrahnaが父親とのことでした。
これは素人の私見ですが、そういった縁がSaheliとIrmaをつないでくれたのかもしれませんね。
Irina、Ilyan、そしてIrmaはSaheliの元で元気に育ち、次の命を繋ぐために北欧の方舟から旅立ちます。
まず、Irinaはイギリス・Marwell Zooに旅立ちました。
■ Irina
丸みが強調されつつ、キリッとした眼差しで美人さんですね。
Irinaは移動先ではIndeeverと言うオスとペアになり、6頭の子を出産・4頭が生育しているそうです。
今季もペアリングを行っているそうなので、そろそろ嬉しいニュースが発表されるかもしれませんね。
(引用しましたChris GodfreyさんのアカウントはIrinaなどのシジムの親類が時折登場するので私はよくチェックしています。ご存知の方は多いかもしれませんがオススメです。)
■ Ilyan
続いて、Ilyan。父のIrbis似のイケメンです。
彼はオーストラリアのMogo wildlife parkに移動しました。Mogo wildlife parkにはTenzinというメスがいましたが、探した限り2頭の繁殖の記録はありませんでした。
またNordens ArkにIrmaについて問い合わせたときに去年亡くなったことを教えていただきました。年齢は12歳ほどだったので、飼育下のユキヒョウとしては早すぎる死が悲しいかぎりです。
■ Irma
最後にIrmaです。シジムの従姉妹にあたる彼女ですが、どちらも母方(Irmaは父方)の丸顔をしているせいか似ていますね。
彼女はSaheliに育ててもらったのちに一旦Nordens ArkからKolmårdenに戻り、そこからイギリス・Twycross Zooに移動しました。
Twycross ZooではSuouと言うオスとペアになり、6頭の子を設けました。
■ Irma出産の記事
https://www.itv.com/news/central/2017-07-12/zoo-welcomes-two-snow-leopard-cubs/
Suouは日本・多摩動物公園で生まれたユキヒョウですね。
今季からシジムのお婿さんになったコハクとは同日産まれの兄弟です。
従姉妹であるだけでなく、兄弟と共に育てられたIrmaとシジムの相手が兄弟というのはまた縁を感じてしまいました。
IrmaとSuouの子の内、CebaというメスはNordens Arkに移動し、Arataanと言うオスと暮らしています。祖父母にあたるIrbisとSaheliは残念ながら他界してしまいましたが、この2頭が新たなNordens Arkのペアとして繁殖していくようですね。
■ Ceba
今回、シジムの姉と兄、そして従姉妹についてまとめてみました。
母・Saheliが8頭の子供と養子を育て上げたことや、姉・Irinaが6頭出産し未だに繁殖に臨んでいること、従姉妹・Irmaがコハクの兄弟と6頭の子を設けていること、これらのことは血統が重要な繁殖においてシジムとコハクにとって希望のあることだなと思いました。
http://www.city.sapporo.jp/zoo/03doubutsu/05asiazone/01snowleopard/r1/20200331doukyo.html
円山動物園では4月からシジムとコハクのペアリングがスタートしました。
その後の詳細はアナウンスされていませんが、円山動物園は観覧できない動物をリスト化してHPで公開しており、現在ユキヒョウのペアリングについての記載が消えているためペアリング自体は完了したものと思います。
あとはシジムの動向を見守るのみですね。
不安なことはたくさんあるけれど、シジムならきっと大丈夫だと信じています。
同じく繁殖に臨んでいる姉・IrinaやロシアのNarynも何事もなく実りがあることを祈っています。
では、お付き合いありがとうございました!
もう少しお付き合いいただける方には紹介したユキヒョウ達の姿を更に引用していくのでよければどうぞ!
■ Irbis(シジムたちの父)
■ Saheli(シジムたちの母)
■ Irina(シジムの姉)
■ Ilyan(シジムの兄)
■ Irma(シジムの母方の従姉妹)
■ Ceba(シジムとコハクに子が生まれたら、その子のいとこであり、はとこになる個体)
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