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高校生のころ。おパンツ事件。


私は今まで数々の痛い目に遭ってきた。

今回は高校生の頃の出来事について書きたい。

書いて成仏してほしいのだ。

思い出すと赤面してしまう気持ちに成仏してほしい。ぜひとも。

スカートを日常的に履く女性なら分かっていただけるだろうか。

そして誰しも1度ぐらい経験あるのではないだろうか。

そして肝に銘じているのではないだろうか。

トイレに行ったあと、スカートとパンツの関係性を今一度確認しなければいけないことを。

スカートは優しくあたたかいその包容力でパンツを包んでいなければいけない。

パンツはあくまで謙虚に慎ましく黒子に徹しなければいけない。

パンツが自己主張を始めてはいけないのだ。

だがたまに革命が起こる。

あろうことかパンツが奮い立つのである。

奮い立ったパンツはもう怖いものなしで目立ちに目立ちながらスカートを押さえ込み、

久々のシャバの空気を胸いっぱいに吸い込むのである。

やめてほしい。

そう、パンツの中にスカートが挟まるのだ。

前から見ると普通にスカートを履いている人なのに、

後ろから見るとパンツで歩いている人になるのだ。

恥ずかしいどころの騒ぎじゃない。

前から見ると普通なのに、というところがミソでより変質者感が増幅されてしまうのだ。

あの日、学校が終わり、よせばいいのにトイレに行ってから帰ることにした。

私は家が大好きで、今でもそうだけれど、外出して少しすると早く家で横になりたくなる傾向にある。

あの時もトイレに行ったものの早くトイレから出て帰りたかった。

なので気付かなかったのだ。静かに灯ったパンツ革命のともしびに。

私の油断に気付いたか、パンツが革命の旗を掲げた。大きく大きく掲げた。

あろうことかそんな革命の炎に気付かず私はトイレを後にした。

4階から1階まで後ろだけパンツ少女は駆け下り、

そのまま駅まで向かった。

大通り沿いの道を。陽気に。

コンビニの前を抜け、大学の前を抜け、

多くの人を追い抜き、そしてすれ違い。

もうすぐ駅というところで

パタパタと誰かが走ってくる音が聞こえた。

私の学校は女子校ということもあってか

この道では露出狂が時折出るので

変態が走ってきた!と緊張でドキドキしたが

振り返ってはダメだと思い無視して早歩きで歩いた。

が、足音はまだ追いかけてくる。どんどんどんどん近づいてくる。

もうだめだ!と思ったその時、

お姉さん!!!と女性の声がした。

振り返ると息を切らしたおばさんがすぐそばにいて、

お姉さん!パンツ見えてるよ!

と教えてくれた。

ここでようやく革命に気付いた。

すぐさま革命を鎮め、おばさまにお礼を言ってから気付いたのだ。気付いてしまったのだ。

今日のパンツは高校生らしからぬ綿のパンツだということに。

おしゃれ高校生が履くようなナイロン?ポリエステル?とにかく横文字のようなツルツル素材のいわゆるパンティ的なのではなく、

肌への優しさを強く意識したような和製のザ•パンツのようなものを着用していたのだ。

どうせならかわいいパンティであってほしかったし、

そもそもなんで学校のみんなは教えてくれなかったのか。

それからというものトイレに行くたびに

パンツ革命には気をつけている。


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