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祖母の家

祖母の家に誰も住まなくなってから、10年近くが経った。
小さい頃から、祖母の家が大好きだった。
白漆喰の外壁や木目が見える天井。
玄関から和室の奥に見える緑鮮やかな庭と用水。


「こんな古い家、早よ壊してしまいたい。」と言う祖母に、
「なーん、ばあちゃんの家かっこいいげんよ。だから大事に住んでや。」
といつもいつもお願いしていた。祖母もまんざらではないようで、結構なお金をかけて屋根の瓦を吹き替えていた。「まりちゃんが、いい家やって言ってくれるし。」と当時言っていたことを鮮明に覚えている。


でも今では、人が住まないと家が荒れるとは本当なのだ、と痛いほど実感。
なんとかしないと。でも、どうしよう。祖母の家をこれからどうするのか。
文章にまとめながら、町家に住むということへの理解を深めたり、気持ちに整理をつけていきたい。

2013年6月9日

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