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子どもと一緒に家づくり –空き地編– 閉じているけれど開いている

空き地をどうしよう

いろんな因果が巡りめぐって、空き地を手に入れた私。祖母からのご近所づきあいと、これからの長いお付き合いに泥を塗ってはいけない。さらに三叉路の一面だからとても目立つ。早速、柵を娘と自作しようと考えた。人通りもそこそこなので、ゴミが捨てられたり、車を停められたりしたらとても困るのだ。建築士さんには「柵をつくることにしましたー。」と軽く伝えたところ、お手伝いしてくれることに!なんと心強い。娘よりひとつ年下の男の子がいるご一家。打ち合わせやこういう作業も、子どもたちが一緒だと、さらに楽しさ倍増。

まずは下準備、ホームセンターへ

あいにくの雪の日に、みんなで空き地を見に行く。軽く雪合戦もする。建築士さんご夫婦は、空き地の外周を測って、杭を何本買うか、ロープと杭はどう留めるかとか話し合っている。は!杭を地面にゴンゴン打つだけだと思っていたけれど、じつは結構大変なんじゃないかと気づく。優しいご夫婦は、最初からそんな私をわかっていたのでは・・・。必要なものを把握したところで、ホームセンターへ。ホームセンターは大好きなところだし、学生のときにはいろいろつくっていたから、よく通っていたけれど、ロープだけでものすごい種類があることにびっくり。娘とお友達が一緒に真剣にロープを選んでいる姿がほほえましい。家が建つまでの仮初めの柵なんだから、子どもたちと思い切り楽しいものをつくろうというコンセプトは決まっていた。青っぽいグレーにピンクのプチプチの模様が付いているロープと、カラフルなペンキを3色とハケ、1mくらいの長さの杭を買う。

空き地いっぱいに広がる陶器のかけら

雪が溶けて、建築士さんご家族とともに空き地再来。来てみてびっくり、地面には割れた陶器のカケラが一面に散らばっていた。町家の改修を多く手がけている建築士さんによると、割れたお茶碗を庭に捨てたりするから、よくあることらしいのだけれど、それにしてもすごい量と種類。子どもたちはカケラを集める。いろんな色や形、模様。キラキラしていて心踊る。

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いよいよ杭を打つ

建築士さんは、インパクトで杭に穴を空けてくれる。そして、見たこともない穴掘りショベルなるもので、地面に杭を打つ穴を掘る。そして、円柱状に空いた穴に杭を挿して、杭がぐらぐら動かないように石ころを詰めて固定して、その上から土を入れて埋める。地面に木槌で杭を打ちこむことを考えていた自分が恥ずかしい。土ってとても硬い。大人3人、かなりがんばったけれど、2時間はかかった。

閉じていて、開いている

娘が選んだペンキの色は、水色、白、黄色。とてもカラフルで楽しそうで、いいと思った。埋め込んだ杭に色を塗る子どもたち。ロープの色も明るい色だし、一気に楽しそうな雰囲気に。学校が終わった子どもたちがどんどん集まる。ここにはねー割れたお茶碗のカケラがいっぱいあるんだよ、私の好きなカケラはねー、といろいろお話してくれる。もうこの空き地でたくさん遊んだんだね。柵をつくるのは、入ってほしくないからでは決してなくて、荒んだ場所にしたくないから。そんな気持ちを、杭には込めた。子どもたちが塗ったペンキの緩さ具合が、最高にハッピーな感じ。なんなんだろうこの感じ。楽しい閉鎖性は、ちょっとした安心感になると思う。その塩梅って難しいのだけれど、今回はメインユーザーとデザイナーが同じ層だったから、とてもうまくいったのかな? ご近所を含めた子どもたち、少しの間だけど、新しくできた空き地もよろしく。そして、私たち親子につきあってくれた建築士さんご家族に大感謝。私たちだけでは、こんなに楽しくできなかったと思う。何もない場所を、自分たちの手で、違う趣を持った場所に変えられることを知った体験は、最高だった。

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