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SD選書「金沢の町家」のまとめ的な

「金沢の町家」(島村昇、SD選書、1983)を読んで、実際の町家を見ると、いろんなことが見えてきておもしろい。

一般的に金沢の町家は、トオリニワと呼ばれる土間部分が、建物正面から順に並ぶミセ、チャノマ、ザシキなどをつなげるように、建物の奥にずずっとのびる。そこに台所やお風呂などが置かれる。ザシキの奥には、セドという解放空間があって、
その奥に蔵や物置が置かれる。トオリニワは敷地奥の蔵や物置まで続く。

京都の町家と何が違うかと言うと、ミセ、チャノマ、ザシキが並ぶくらいの規模の町家だと、トオリニワはザシキ横までしか伸びず、その奥は縁側があったり、ウラニワ、ニワサキなどがあって、その間を縫って?お風呂やトイレがある感じになる。

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金沢の一列四段型町家「金沢の町家」参照

島村さんによると(って、お友達みたいな言い方だけれど)、金沢の町家のニワはセドと呼ばれる解放空間が一般に一カ所しかないが、京都の町家の配置形式はいろいろあり、その結果ニワの多様性(ウラニワ、ニワサキ、セド、ウチゲンカン、ナカニワ、ソトロジ、ツボニワなどなど)となってあらわれる、とのことである。

金沢では、雪が降るため、このような外部空間は存在しないということ。よって、京都の町家は建築的に見ても、造園的に見ても、完成度が高く洗練されている、そうです。なるほど。

2014年1月27日

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