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ついに見つけた!祖母の家は前面突き出しドマ型

「金沢の町家」(島村昇 1983 SD選書)は、タイトル通り、商売をしている建物である町家についての記述が主であったけれど、ところどころで、武士系の住宅にも触れられていた。

どうやら、祖母の家は「前面突き出しドマ型」になるようだ。この型は、明治からつくられるようになり、大正昭和戦前期に急速に増えたそう。明治初期の祖母の家は、当時の最先端だったのだ!祖母は、このドマ部分を一部残して、床を上げて台所とダイニングとして使っていた。ドマの部分には、スコップや生ゴミなどがおいてあった。

同様に、前面ドマ型という型も明治に入り増加する。ふたつの型の共通点としては、サービス的機能が集約されている機能的な空間である一方、建物前面に配置されていることで、街路や雪に対するクッション・スペース的な役割が得られ、ひいては背後の居室の居住性が安定することであるとされている。ドマがポイントなんだ。ドマって、今ではあまり馴染みのない空間だけれど、家の外と中に対する快適性を担保しているなかなか優れものの空間だったのだ。

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    参照:「金沢の町家」(島村昇 1983 SD選書)

この本に書かれていることは大まかに言うと、空間構成から装飾にいたるまでの金沢の町家の江戸から現代までの形成過程であり、また、作者は、同じくSD選書の「京の町家」を共著で書いていて、京都の後に金沢に住んだということで、京都の町家との比較も詳しくされている。京都に住んでいた私にとっては、なるほどなるほどと思うところばかりだった。また別の機会にまとめたい。

さて、祖母の家がいったい何者なのか、少しはっきりしてやっとすっきりした。


2013年12月13日

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