客ポジション、楽しい(ヒデキングのやつ)

「こころのとうだい くろさわひでき」とか言うて、個人的に掲げていた(某地方のカルタのもじり)。
ざっくり言うと、ライブ行ける経済力つけるためにも今日も明日も頑張ろう、のニンジンで、私はそうなると馬だった。
黒沢秀樹さんの紡いだ曲の世界観にぐっときて、ある時から非常に関心を持った。
でも極度のめんどくさがりなので、暇人にも関わらずリサーチも薄いし、掘り下げもしないし、「事情」もご本人提示のモノ以外は知らんままでええやん、と思っている。
「知らない」でいることにも価値ってあるんやで。

稼げる馬になれた奇跡を寿ぐよりもライブ行きたいてなって調べたら、なんかタイミング良かった。
当時も思ったけど、そこから月日流れまくったけど、年月の道中いつ振り返っても、本当にあの頃にライブ行けるようになってタイミング良かったわ!!!
あと偶然がタコ足配線のようにつながっていて、しかも落雷も安心で光るスイッチまで付いている極上のタップで、今でもそれらの巡り合わせについては、地味サラリーマンの俺エピソードに添付なのが意味不明で困惑する。
マンガだったら謎の客のポジションに与えられる負荷レベルやのに、単なる客…もしかしたら140歳くらいまで長生きさせられてその時のためのエピソードトーク用の負荷なのかもしれない。
年表的データの管理とか無理やし不適任者やのになんでなん…

月日、ほんとうにアッという間。
辛いとか痛いとか悲しいとかいう種類の大変な瞬間瞬間を過ごすのは、あんなに長いのになあ。

2019年12月5日
Hideki Kurosawa “Believe” The solo years 20th Anniversary
会場 東京・町田 まほろ座 MACHIDA

これ行った。
エルアールのアルバムの中で、秀樹さん色の楽曲の魅力に惹きつけられ、その期間を経て、のち、「Believe」に執着していた客的には…
秀樹さんじきじきに、曲解説をしながら…
アコギ一本の弾き語りとか…

客の役目って、お金出すことじゃなくって、お金出すのは物々交換の簡略化、だもの。
役目は、喜ぶことでしょ。
秀樹さんの曲解説は、一曲一曲、想いのお知らせだった。
そのお知らせは、もちろん今の私を喜ばせたけれど、私の中にいるあの頃の私に秀樹さんの想いが栄養となって届いて、健康優良児になった。
思い出したくもないいやだいやだの日々という枠組み→秀樹さんの作品を支えに生き延びたぜ俺!
というふうに、ドラマチックな筋に書き換えられたんでございまするヒャッホウ。
年取ると図太くなるっていうけど、ちゃうんちゃう?
生き延びたから、たどり着いたある地点で振り返って、その細い崖の道をよくぞまあ歩んできたなって、自分をほめられるやつなんちゃう?
ほんでもって、導かれたから導いたひとすごいなーっ!て客は思うけど、そのすごいひとも言うに言われぬ葛藤を生き抜いた側で、アそっか、じゃあおんなじ。
じゃあがんばる、これからも地味に生きるをがんばれる。
がんばらないをがんばれる。
うれしいことがあったなら、ちゃんとうれしがれる体力だけは維持できるように。
それすら難しくなっても、うれしかった記憶を大事にし続けられる、その心だけは、守れるように。

この日はでも、それだけではなかったのだった。
秀樹さんは、「弟」としても、そこにいらしった。

「仲よし」って、私には奇跡的なもので、本の中の物語にはごろごろしているけど、現実の生活にはほとんどなかった。
でも、それでも、たまにいる。
「弟と2人で買い物に行って、お菓子買ってやったのに、ひとくちもくれないの!ひどくない?ひとくちくらいちょうだいよ!って言ったら、ごめんでもいらないのかと思ったとか言うんさ〜。しかもすごく美味しかったとか言うんさ、だから今日はそれ買いに行こうよ」
みたいなことを言いなさる。
・姉と弟で、一緒に買い物に行く
・姉が弟に、お菓子を買ってあげる
・姉は弟が「ふつう」に、ひとくちくれると思っている
・姉はすぐ弟に文句言う
・弟が「ごめん」ってすぐ言う
・でも弟は姉に「いらないのかと思った」と無神経にヘイキで言う
・姉はでも「美味しかったのか、じゃあ友達と買いに行けばいいや」ってなる
ってなるのか!!すごいな!!!すごいなそれ!!!!!
って私は、なる。
「仲よし」って、奇跡。
この奇跡は日常に埋もれやすいけど、該当者のみなさまは、いつもちゃんと本当に大事に、その特別さを自覚しながら生きている。
仲よしのひとたちの中で、その関係を「大事にする」をさぼっているひとは、誰もいなかった。
私には憧れで、いつも見ていたから、それだけは知っている。

殺伐とした人間関係は、すごく簡単だし、わりと、はしょれる。
体裁だけキッチリ整えとけば社会的には問題ないので。

でも、「大事なこと」については、「体裁を整える」ということが、とてつもない大仕事になってしまうんちゃうかいな。
そんな中で、秀樹さんはおおいなる革命的ハッシュタグを、我らにもたらしなすった。

 かわいい と おいしい があれば なんとかなる

わたがしの雲から、飴細工の雷、ここに落ちたがな!!!!
やべえ…
秀樹さんやべえ…
隠し持ってた、まだこげな、たましいのおちからをお隠しあそばせなすってからに…!!
ってなった。
ていさいのぉぉぉぉぉおおお!!ととのえかたがあああぁぁぁぁああああ!!!!!!!
ってなった。
他者に、これは主にファン、お客に対してのものだと明白なのだけれども、気づかいというか…
健一さん、あなたの弟さん、すさまじいんですけど知ってなさると思うけど!!!!!!
ってなった。
外部のひとが抱えた「心配」っていうキモチ発動=大変なことが起こっている。
その時に提示されたハッシュタグ、おもむき深いもんごん、秀樹さんの強さを感じるものだった。
私も言うても出ぇはエルアールの客なもんですからにのぅ…身内とはいえ、バンドメンバーでもあるそのお立場、発言ひとつにも、さぞかしお心を悩まされれなればウエーンのいたりですわもはや我ら客としては。
さりげないシグナルを受け取れたなら、心が落ちつく、という現象だったなあ。

から、月日を経ての、
2019年12月5日
この日、健一さんについて、秀樹さんはお心のうちをMCなさって…
ナメクジのごとく下賤の生き物のあっし、しかしそこは人間のはしくれゆえに無事だった、めっちゃ目ぇから塩水出たけど大丈夫だったでげす。
秀樹さん、あんたア、つええ!つええお人じゃあぁぁぁ!
てなった。
たくさんたくさん、考えて、考え抜かれた気配で、強さだけじゃなく、気遣い、優しさにも溢れる時間だった。
秀樹さんの言葉ひとつずつが、私の細胞を震わせる音になって、染み入るようだった。
それでなんだか急に、ぱあっとした気持ちにもなったことを覚えている。
ああいうのは不思議な作用だなあ、秀樹さんの強さを感じて、なんか大丈夫!!っていう気持ちになったのだけど、いつもそうだけど、あの「大丈夫!!」の気持ちって、なんでしょうねえ。ヒトの言葉が空気を震わせて、その震えを感じ取った受けた側の脳に届くとげんきになるんやろ?言葉のカタチがあるのん?そのカタチの空気の震えが何らかのええやつのホルモン出すスイッチ押すとか?なんなん??
音楽のその音は、周波数とかリズムとかが、ええ感じで具体的に脳をマッサージみたいなんで、そりゃそうやなって思えるけど、言葉って、想いって、そんなのは、ほんとうに不思議…。

不思議だけど便利だからばんばん使ってぐ。
わたし秀樹さんの文章もおもしろくてガビーンってなってき続けてるんだのヒトなので、ホテル暴風雨で連載が始まると聞いた時、嬉しくってしょうがなかった。
しかも、テーマが「育児」!!

「Little Child ~ だいじょうぶ、父さんも生まれたて」

そもそも「子」の絡むエッセイ、おもしろくないわけがない。
男性の我が子育てのアレコレも、私は普段からおもしろく読んでいる。

作家いしいしんじさんの「ごはん日記」の、ご子息2歳の時のもの

あと、ミシマ社の「みんなのミシマガジン」で連載中の

「46歳で父になった社会学者」

も、おもしろく読んでいます。

文字が読めるって、ほんとうにすごい能力だと思う。ありがたい。
おかげさまで、文字を読むだけで、それぞれがそれぞれで、ぜんぜん違うのに、父と子の感じ、めっちゃ推せる。

ただ、黒沢秀樹さんの長年の客としては、大変おおきな気掛かり1コ。
連載期間が予定外に延長、これからも続いていくということ。
これは本当に嬉しかった。
が。
本にしてもらいたい。
はよ本にしてもらいたい。
ページ数!厚さ!やばいから!!溜まってるから、はよっ!ってドキドキしてる…
作家のひとが溜めちゃって、小説じゃなくって、エッセイとか日記のたぐいなのにぶあつ〜!!って、本読みの客なら爆笑するだけやけど。
作家のお客でなく、本読みでない並のお客さんは、本の存在感に、圧にやられそうで、あたし心配…!
管理大変だけど、あえて薄めの冊子で、分冊にして、それをまとめて納めるBOXも別にご用意して、ポストカードとおなしように、収集のお楽しみも上乗せとか、客的にはそそられるなあとかも思うけど。
何か無理のないカタチで、物理的に手にとれたら、客のワガママやけど幸せ。

あと今年からYouTubeでも動画UPされていくとのことで、家にいながらにして情報受け取り部門が充実でひたすら楽しみ。
https://youtu.be/DkO82VS5aqc

YouTubeあんま見ないので仕組みがようわからんけど、これも秀樹さんきっかけで詳しくなれそう。
秀樹さんきっかけパターン、多いな〜。
これも「影響を受ける」っていうことなんかな。
続いていくパターン。