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「クナシリ」【映画の感想Mag7】

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「クナシリ」
監督 : ウラジミール・コズロフ
製作 : 2019年

深谷シネマで「クナシリ」という映画を観ました。深谷シネマは、元々酒蔵だった所を改装したミニシアターで懐かしい趣の落ち着いた雰囲気の映画館でした。

北方領土は日本固有の領土ですが、ロシアに実行支配されてしまっています。2020年にロシアは領土割譲を禁じる憲法を作り、2022年平和条約締結交渉停止で北方領土交渉が一方的に打ち切られてしまいました。このような事になっても日本は「極めて不当」としか言えないのが現状です。

映画「クナシリ」を見ると、客観的な視点で映された国後島に暮らす人々の証言や生活の実態を知ることができます。

北方領土が占領されてから日本人が退去させられるまで数年間日本人とロシア人が共存していた期間がありました。当時、日本人と一緒に遊んだというロシア人の証言で、日本人は清潔で仕事をきちんとし規律と秩序がある、しかしロシア政府は何も作らない、だからまた日本人と共存すればいい、というお話がありました。

また、農家の女性は「日本人は私達に島を返還しろと言うけれど移り住むつもりはない、漁業をするためにこの海域が欲しいだけ」と証言していました。

証言をしていた人々は高齢の方がほとんどだったので若者の意見も気になりましたが、戦勝記念日のイベントの盛大さとは反対に整っていない生活インフラや人々の不満な思いが印象に残りました。

映画のパンフレットには、この映画は、2部作で、2部作目は日本の最東端の根室で撮影されるとの事。次の映画もぜひ観たいと思いました。

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