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ともちゃんと5つの種

これはオンライン上にある架空の町
ぼけっと」という町がどうやってできたのか?
それを知るための物語……

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        ともちゃんと5つの種

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あるところに
ともちゃんという羊がいました。

ともちゃんは村の外れにある小さな家で
目の見えないお父さんと二匹で暮らしていました。

ともちゃんのお父さんは
お父さんのお父さん、そのまたお父さんの、
そのまたお父さんたちが何年も、何代も受け継いできた
お仕事をしていました。

職人のお仕事
「死」にまつわるお仕事

誰もが、必ず迎える「死」
いつかは必ずお父さんのところに
お仕事の依頼をすることになるのに

村の皆からは気味が悪いと言われ
そのため、ともちゃんたちは
村の外れでひっそりと暮らしていたのです。
 
ともちゃんは、小さい時から
目の見えないお父さんのそばで
お父さんの目の代わりとなって
そのお仕事のお手伝いをしていました。

お父さんの代わりに書物を読み
お父さんが分からない文字があれば
手のひらに書いて
教えてあげたりもしました。

そして
お父さんが仕事に専念できるように
食事や洗濯、お掃除とお家のことも、
ともちゃんがやっていました。

ともちゃんにはずっと
自分の時間というものが
ありませんでした。
自分の自由というものも
ありませんでした。

それでも、ともちゃんは

お父さんからの
「いつもありがとうなぁ…」の
言葉を聞くのが嬉しくて

「私はお父さんのお手伝いをするために生まれてきた
 私は、何年も、何代も受け継がれてきたお仕事を
 お父さんと一緒に守り、続けていく

 それが私の使命なんだから………」と

そう信じていました。
 
 
 
でも、その終わりは
突然、やってきました。
 
 

ある晩のこと、
とても満月が綺麗な静かな夜に

「おやすみ、なんだか今日は
 ゆっくり眠れそうだ…」と言って
ベッドに行ったお父さんは

そのまま、朝になっても、昼になっても
起きてこなかったのです。
 
 
 
ともちゃんは何の前触れもなく
突然にして、一人ぼっちになってしまいました。


つづく
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オンラインコミュニティBoketto(ぼけっと。)
『自分の好きや得意なことで誰かと繋がり
 ぼけっとする時間を大切にするコミュニティ』

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