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だから彼らが大好きなんだ! ー2023紅白10-FEETを観たー

心が新鮮なうちに書き綴る。




テレビ越しに観た演奏でこんなにも余韻が抜けきらないものは、これが初めてだ。


もともと10-FEETが紅白のステージに立つことを願ってもいなかったし、彼らもそれを目標にしてきたわけではない。
しかしスラムダンクを介してこのような流れで相応しく出場できる状況、バスケ日本代表の活躍も相まってこの上ないタイミングだ。



出場者発表の時私は大変歓喜したが、必然でもあると心のどこかで妙に落ち着き納得してもいた。

しかしついに昨夜紅白歌合戦の開幕が近づくにつれ、自分にとっての10-FEETというものを逡巡などし緊張を持ってしまった。



紅白オープニングは、会場に居る出演アーティストが順々に流れるカメラワークで映されていった。
アイドルグループや、顔を見ればどなたか一目瞭然の有名アーティストたちが次々映される。これって全員映されるのだろうか。彼らも映してもらえるのだろうか。

彼らが映ったのは、客席側の扉から入ったカメラがメインステージの中央に移った頃だった。司会者の如くマイクで話し始めた大泉洋の背後にいた彼らは「ちょっとちょっと」とツッコミの仕草を他の人らとともにやっていた。

その後登場した本物の司会者ら、特に中央にいた有吉のすぐ斜め後ろに配されていた為、続く新しい学校・JO1・鈴木雅之の演目中も何度も映った。

意外とTAKUMAくんの首振りダンスがキレキレだったし、め組のメッ!もノリノリで楽しそうでこちらも嬉しくなった。有吉や橋本環奈ちゃんと一緒に踊る10-FEETという絵面…。


さて時間は流れ10-FEETの順が来る。
お忙しいであろう富樫選手と河村選手が会場にいらしていただけでも、込み上げてくるものがあった。

スラムダンク、バスケ日本代表、そして10-FEETについての紹介映像が流れ、さぁいよいよだ。


司会者の前振り直後、イントロ開始とともに大きく映されたのは「10-FEET」のロゴ。
ステージに設置されている大きなスクリーンには、黒地に白の淡色な彼らの名。

彼らのようなライブハウスバンドは、スクリーンなどないライブハウスのステージに自分らのロゴを掲げてライブをすることが多い。
シンプルで華やかさに欠けるだろうが、いつもの彼らを再現してくれたようであった。紅白歌手になろうと彼らはこれまでと変わらないのだろう。

イントロから1コーラス目終わりまで、ずっと変わらずこのロゴを掲げたままだった。

スラムダンクの主題歌としてではなく、10-FEETというバンドがここに立っていることを明示してくれていた。

2コーラス目に入る僅かな間奏中、TAKUMAくんは富樫選手らに向けてエールを述べた。

2コーラス目には、映画スラムダンクの映像が流された。
使われた映像のチョイスもセンスがあると思う。
山王に押される湘北の姿、リョータとソータ、そしてやり返す湘北の姿。
花道たちもこれで紅白デビューだ。

2コーラス目直後、TAKUMAくんが叫んだのは
「スラムダンク」
「The Birthday」
「チバユウスケ」。

これは打ち合わせてあったのかわからないのだが、この瞬間のスクリーンはただの真っ黒であった。

長めの間奏の最後辺りに織り込んで歌われたのは、映画スラムダンクのオープニング。ちょうどスクリーンには再度スラムダンクの映像が流れ、映画のオープニングに鳥肌した感覚を思い出された。

日本代表の映像も流された。スラムダンクの時のように上手くいかなかったシーンも使われたが、名シーンとなったシュートシーンなども使われた。

曲中さらに叫んだのは
「大阪籠球会」の名前。

以前彼らの主催するフェス「京都大作戦」で観た大阪籠球会とのコラボ演奏はとても魅力的だった。ライブ定番の「goes on」に合わせてステージ上でバスケパフォーマンスする画は目が離せず、サークルにも何にも混ざらず凝視した。


こうして彼らは自分らに関わる人々に感謝の意を表すのだ。
初めてMステに出演した際のTAKUMAくんの腕を覚えているだろうか。
マジックで手書きされたのは、仲間のバンド名など。
今回の紅白では腕ではなく、アンプに仲間の名を書いた紙を張り付けたり、タオルを掲げたりしていた。

紅白に関するインタビューなどでも口頭で他のバンド名を出したり、井上雄彦先生に対する感謝の意も事あるごとに述べる。

紅白の演奏、アウトロ中にも井上先生へメッセージしていた。



その後、ラストのアルペジオ最後の一滴を鳴らし切ったTAKUMAくんは、ピックを床に落とし、グラスを持った手つきで天国にいらっしゃるチバさんとお酒を酌み交わしていた。


観客の拍手で切れた彼らのステージに、溢れた気持ちがどうしようもなく続く演目が全く聴こえなかったほどの余韻だった。

その気持ちは、やはり涙として零れ、しかしどういう種類の気持ちなのか言葉にも当て嵌められず、しばらく呆然とした。


時間が経つと少しずつ正体が見えてきて、
何度も感じてしまうのだが彼らのような形のバンドがここへ立っている現状、
映画スラムダンクに受けた様々な種類の高揚や感動、
バスケ日本代表の活躍を喜ばしくテレビ観戦したあの日の気持ち、
チバさんを悼む気持ち、
そして10-FEETの持つ愛情。

これらが一度に押し寄せるものだから、私の小さな脳のキャパでは処理に時間がかかった。
ただ、言葉に纏まらずとも心がこんなに動くことを大変喜ばしく私自身が感じたのだろう。



スラムダンクのオファーがあった時も、Mステに出た時も紅白に出ても、彼らはそれを必ず誰かのお陰であることを言う。

紅白という大舞台に立っても、言いたいことを言う、叫ぶ。
今の想いをステージ上から伝えることに全力である。

今回「第ゼロ感」を演奏したが、この曲の発表会をしているのではない。
音源とは違う。それはきっとわざとそうしているのではなく、瞬間の心を放つ手段に音楽があるように感じる。
本当にあの時にしかできない演奏なんだと解る。まさにライブバンドだ。



そういえば曲中、KOUICHIさんとNAOKIさんが何か言い合っている姿もあった。内容はわからないが、KOUICHIさんは笑ったままなのに対しNAOKIさんの厳しい顔…。それもいつも通りの彼らで安心する。あと開脚と回転も。


10-FEETというバンドをリスペクトしてくれた1コーラス目、
何といっても火付けとなったスラムダンクを2コーラス目に、
それらの上で重なった日本代表の活躍をも織り交ぜた演出に感謝している。


紅白のフィナーレ。
アーティストらがステージに大集合し「蛍の光」を歌ったりする。

人数の多いアイドルグループだけでもたくさんいる。
もう彼らは映らないかもしれない。と思いつつも、血眼で彼らを探していた。

「蛍の光」歌唱中、彼らは3人まとめてカメラに抜かれたのだ。
2列目にいたのだが、前列のアーティストらも映りつつキレイに3人映されたのだ。

ほんの2秒程度だった気がするのだが、よりによってその瞬間NAOKIさんの口に紙吹雪が入ったようで吐き出している映像になってしまった。こんなキセキあるだろうか。

紙吹雪が口に入って吐き出す出演者。私の記憶では見たことがないので、大変珍しいハプニングかと思われる。

しかも山ほどの出演者を満遍なく映している中、ほんの瞬間的タイミングに重なるとは。やはり彼らは持っている。


素敵な演目は他にもたくさんあったが、私の中ではただ
10-FEETが優勝!である。



愛があって、かっこよくて、おもしろい。

だから彼らが大好きなんだ!




【追記】

追記にまとめてしまうのは本当は惜しい、紅白の感想。

エレカシのあの曲は何度聴いても良い。
そして自由なみやじ。リハではどんなだったんですかね。

クイーンとアダム・ランバート。洋楽に疎くクイーンの曲はCDでオリジナルしか聴きなれていないのだが、アダム氏の歌声は良かった。あの曲歌うの難しいだろうが、エネルギッシュだった。

また改めてバンドメンバーを失った姿を見ると、悲しいという気持ちももちろん少しあるのだが、大きく時の流れというものを感じさせられる。前に進んでいる、進まざるを得ないような顔を上げる気持ちにもなる。

これはYOSHIKIさんにも感じ、ハイスタにも感じた。
難波さんがこんな形で紅白に立つという姿にも、前述した前を向く気持ちを感じた。

呪術の懐玉編が大好きで、アニメとの相乗効果もあり「青のすみか」も昨年は結構聴いていた。紅白で呪術の説明する時、主人公虎杖悠仁が…とナレーションされたが。はて、白髪グラサン?前髪の人?どっちかが虎杖なのかな?…ときっと思われたんだろうなぁ。などと考えてしまった。
ただ懐玉の説明って難しいだろうな。

マンウィズも鬼滅も好きなので、2曲聴けてよかった。
今年を振り返った気持ちになった。

黒柳さんと寺尾さんのやりとりが、心温かくなった。

橋本環奈ちゃんが思っていたよりしっかり司会されていて良かった。


楽しめた紅白だった。

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