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abandoned

この世に生まれてきて

同じように生を受けて

なぜ幸せに生きられないのだろう

なぜ幸せに生きてはいけないと思うのだろう

同じように朝を繰り返し

同じように空気を吸っている

それなのになぜこんなに違うのか

本人は変えたいと思っているのに

どうやっても変えようのないものなのだろうか

なにをどう言ってもまったくわかってくれないあの人のように

わかっている

こんな気持ちを抱えているのは私だけではないことを

原因とその結果を心理学ですでに分析・説明していることも

幼少期に得られるはずだった安心感

愛され守られているという存在価値

誰も来てくれない

天井で回っている色とりどりのプラスチックの玉をいつまでも眺めている

隣の部屋にいるのに

私を見に来ることはない

私はどうでもいい存在

誰か来てくれた

子供の女の子

この人はこの家に長く住んでいる

私と少し遊んでくれた

でもすぐにどこかへ行ってしまった

また一人

隣の部屋でテレビを見ている人は絶対に来てくれない

お勝手で水を使ってなにかしている人もいつまで待っても来てくれない

私はほったらかしにされる存在

どうでもいい存在

きっと私がつまらないから

きっと私はいても迷惑なんだろう

いてもいなくてもいいんだろう

ずっと見てる

天井で回る数珠繋ぎになった玉

いつまであれを見続けなければいけないのだろうか

あれを見ていれば楽しんでいられるとあの人たちは思っているのだろうか

なにも言えない

呼ぶこともできない

つまらない

こんなところに生まれてきて

なんの楽しいこともない

なんのために私は生まれてきたのか

私のことなんてどうでもいいのなら

どうして私はここにいるのか

気にもならない

遊んでもくれない

一人で寝かしていればいいと思っている

つまらない

退屈だ

誰か来て

誰か来て

私はここにいるのに

ずっと待っているのに

きっと私はどうでもいい存在

きっと私はいては迷惑な存在

私の一番最初の記憶

私の一番最初の感情

心理学者は、子供は健全な精神を養うために、幼児期に、誰でもいい、たった一人でいいから、子供が頼れる存在がいることが必要なのだと言う。

私には誰かいたのだろうか






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