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逡巡のための風景05/城崎温泉街で自転車に乗れなくて押し歩く

山陰地域(広義)でアートに関わる活動をする人たちによる不定期のミーティング。城崎温泉へ。この集まりにくると、青春時代のいろいろな何かを思い出す。
大人のしがらみの中でなんとなく後回しになってしまった純粋な何かを。自分たちはもう大人になってしまったからこそ、あの頃とは違うかたちで享受するからこそ大切な何かを。
人が生きていくために必要なものは、自分と同じ高さで別々の方向を向いている同志かもしれない。

「何かを選ぶってことは別の何かを選ばないってことだからね。」
という台詞を13年くらいぶりに聞く。
大学4年の頃、その言葉を聞いて私は就職活動を辞めた。
あの時と同じ台詞、デジャヴ。懐かしい青春時代の再来みたいな感じに、でも今はもう大人の情景の中で。
「何を選んだとしても、幸せと不幸せの比率はだいたい同じくらいだと思う。だから自分の選択が間違っていたかもしれないって考える必要なんてないんだと思う。」
青春時代に引き戻されそうな気持ちをぎゅっと未来へ引っ張って、今から先のことを考えよう。

文:イシワタマリ/写真:ヒントン実結枝

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