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観光・拝観した後の振り返り研究

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お寺や名所の歴史的背景や見どころなど、パンフレットやHPを見ても理解しきれないので、補足情報を調べながら自分が納得いくようにまとめていきます。自分が行った場所をちゃんと理解したい…
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#犬連れ旅行

嵐山の別世界「広沢池」で平安仏教を振り返る

嵐山(嵯峨野)の地図を見ると、2つの大きな池が目に入ります。大覚寺のある大沢池と、もう一回り大きい方が広沢池です。広沢池は、嵐山の観光の中心となっている場所からそう遠くないですが、別世界のように静かで落ち着いた雰囲気の場所です。犬たちと散歩するには最高です! 平安時代は華やかな寺院の庭だった! 広沢池は、「遍照寺」の庭の池だたっということで、別名「遍照寺池」とも呼ばれます。今でこそ遍照寺は広沢池の南にある小さなお寺ですが、創建された平安時代中期には、池の周りに多宝塔や釣殿を

平安時代の優雅さと、スマートな未来を感じる「竹林の小径」

京都の代表的な観光地であり、渡月橋と並んで嵐山のシンボルでもある竹林の小径。縁結びで有名な「野宮神社」から禅寺「天龍寺」の北側を通り、昭和の映画俳優・大河内傳次郎が造営した「大河内山荘庭園」まで約400mにわたって空を覆うほど高く伸びた竹の林が続きます。晴れた日には木漏れ日が心地よく、また太陽のない日は昼でも薄暗いほどで、竹の香りがひんやり漂う癒し空間です。 平安貴族のあそび京都市の西部に位置する嵯峨嵐山は、平安時代には貴族のレジャースポットでした。それもそのはず。春は桜、

船専用の鉄道!京都の活性化を支えた「蹴上インクライン」

インクラインとは、傾斜鉄道のことです。(英単語"incline"は「傾斜」の意味)京都市の市街地東部、東山の山麓部の一地区である蹴上に、産業遺産であるインクラインを見て、その上を歩くことができます。 北陸地方から京都まで、物資の移動をスムーズに水路閣の記事で触れた通り、明治初期に京都を活性化させるために「琵琶湖疏水」が建設されました。琵琶湖から京都へ水路を開いて水を通すプロジェクトです。京都は内陸部に位置するため、それまでは琵琶湖を利用して北陸地方から運んできた物資を、わざ

寺の中に水路!?日本初がいっぱいの「水路閣」!

究極の映えスポット夫が南禅寺に行きたい!と言った時、特定の寺に行きたいなんてなぜ?と思っていましたが、これを見て納得しました。南禅寺の境内に突如現れた、西洋風の巨大な赤レンガのアーチ。なぜここに!?と不思議に思いながらも、境内という静かな場所で、どっしり構えているその姿にはただただ感激でした。廃墟に萌える夫がこれを見たいというのはよく分かります。 橋のアーチ型の間からのぞいて見ると、いくつもアーチが連なり、ミステリアスな雰囲気が漂うということで、サスペンスドラマで犯人が自白

「南禅寺」について基本を押さえておきたい

日本最初の勅願禅寺、日本一の格式!「勅願寺」とは、時の天皇・上皇の発願により、国家鎮護・皇室繁栄などを祈願して創建された祈願寺のこと。時は鎌倉時代、発願したのは国難去った後に出家し法皇となった亀山天皇です。国難とは、1274年から二度に渡って起こった蒙古来襲です。フビライ・ハン率いる当時地球上の面積の30%近くを統治していた大帝国が、二度に渡って博多に攻めてきたのです。北条時宗が退けましたが、亀山上皇は、禅師のもとで学び、不動の心を持って危機に対処していました。もともとこの地