突然現れて3週間で姿を消した奴の話

生きていれば、突然とんでもない奴が目の前に現れるものだ。
友人を介して出会い、まるで昔からの旧友のような距離感で
連絡を取り、ご飯を食べに行った。
社会のあれこれについてや、日々の暮らしを課題ノルマかのように
意見交換し、一緒に食べに行くご飯といえば7割カレーだった。

どんな人なのか中身を知る前に、突然消えていった。
意味が分からない。
何が地雷だったのか、気分を害したのかまるで分からない。
突然現れ、消えていったのだ。

まぁ、大きな打撃はないので「何だったんだろう」だけが残るが、
が、

が。

「何だったんだろう」の中身が強烈だ。
悔しい。
自分勝手な人ほど「おもしれぇヤツ」と思ってしまう自分が悔しい。

あとになっても引きずるので、
私はそういった行動をとってしまう人が他にいるのか調べた。
おそらく「回避依存症」というものだろう。
本人にその自覚がないのなら申し訳ないけど、
明らかにそうだった。
回避依存症とは、人と深い関係になることを避けることに依存して
精神のバランスを保とうとするらしい。
近しい距離の存在とも親密になることを避け、人との距離を取ろうとする。
相手が誰であっても自分が思う距離感以上に相手に近づいて来られると
束縛されているような気持ちになり、逃げたくなるそうだ。
医学的な診断名ではなく、その人の性質や特徴を表す言葉になるので、
つまりは病気ではなく、個性の一つということになる。

そう聞いて、あなたはどう思っただろうか。

人は結局のところ、鏡である。
他人に抱いた違和感や不快感は
自分の中にも存在するひっかかりなのかもしれない。
そして、病気として括られない
ふわぁっとした"個性"というものに
人間は冒されがちだ。

だから、
その人は私にとっての学びになった。
自分のどこかにも持ち得るパーソナリティかもしれない、と。
とはいえMendokusa。


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