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「天女」と呼ばれる所以~100人インタビュー 14人目 大磯彰子ちゃん

まだまだ序盤の100人インタビューだが、この企画をスタートさせてから本当に毎日が濃い。

100人の人生には100人それぞれのストーリーがある。

その人の人生にたっぷり詰まった旨みをちょっとだけ味見できるのは最高に楽しい。もっと聞かせてほしいあなたの人生を。

#014
「天女」と呼ばれる所以~大磯彰子ちゃん

14人目のインタビュー相手は事務職OL大磯彰子ちゃん。
ちまたではあきちゃんを「天女」と評する声が多い。今回は彼女がそう呼ばれる所以に迫ろうと思う。

理系で専門家の男性が多い職場で働くあきちゃん。数回転職をしているが、どの職場でも必ず言われることがある。

「大磯さんが来てから雰囲気が良くなった」って言ってもらえることが多い。私が来る前がどんな雰囲気だったかは分からないけど、みんな世間話すらしてなかったみたい。私がしてるのは挨拶をすることと、話を聞くってことくらいなんだけどね。

この話を聞いて、以前テレビである職人さんが言った言葉を思い出した。「誰にでもできることを、誰にもできないくらいやる」。人間関係で悩む誰もが、実は解決方法を知っている。

話してくれたことはまず最後まで聞く。さらに私が知りたいことは質問もする。話を聞くと興味が湧いてくるから、新聞やテレビでその話題をやってたら目に留まるよね。そしたらまた「この間話したことテレビでやってましたよ~」って話しかけたりする。

挨拶をする、話を聞く、その人に興味をもつ――良好な人間関係を築くうえで大切なことを自然にできる。だからあきちゃんはいつも人に囲まれている。

芯の強さと繊細さ

しかし、幼少期の話を聞くと必ずしも満たされた思い出ばかりではないようだ。

母親に「あなたを1番大切に思ってる人はいない」って言われたことがある。両親が共働きだったから、日中は母方のおばあちゃん家に預けられてたんだけど、後継ぎになる男のいとこが生まれて。妹も生まれて。そんなタイミングで言われたことだった。とにかくショックだったんだろうねー、未だに印象に残ってる。

当時まだ2才。たぶん母親はちょっと嫌味を言っただけ。だけど幼心に胸がチクっとしたのだろう。

親に褒めてもらった記憶がないんだよね。100点取ってもそれはすごい事ではなくて。「字が汚い。先生が読んでくれたからなんとか100点になってるけど。今度は丁寧に書きなさいね」って感じで。

愛情がなかったわけでは決してないと思う。ただ求める理想が高かっただけ。そう分かっていても傷ついたのは事実。だから自分は人を褒めるようにしてる。認めるようにしている。そう語ったあきちゃんは切なそうで。その表情が、素直で繊細で優しい人なんだと教えてくれた。

そうだ!それから私が印象に残っているあきちゃんのイメージは、なんといっても”ブックカバーチャレンジ”だ。お気に入りの本を撮ってアップロードし、1週間続けたのちに、次の人にバトンを渡すという企画。

コロナ禍でいろんな人が、暇を持て余すように、人とのつながりを求めるように、Facebook上で繰り広げられた。人々がコメントや共感欲しさにチャレンジを続けるなか、あきちゃんだけが絶対誰も知らないであろう本を淡々と42日間アップロードし続けた。

共感をしてもらおうとかは考えてなかったな。
小さい頃から同じ趣味の人っていなかったから、好きなことや趣味はこっそり自分のなかで楽しむものだった。小学生のころ2時間ドラマが好きだったけど、そんなの見てる小学生なんていなかったし(笑)

自分の好きなものへのリスペクトが伺えて、好感を抱いたのを覚えている。

もともと作家になりたかったんだよね。
小説でもエッセイでも良くて、書く人になりたかった。

照れ臭そうに、恥ずかしそうに、でもとても話したそうに答えてくれた。

小学1年生の時にはもう、おとぎ話みたいなのを書いてた。ずっとなりたくて、大学の時には賞に応募したり。友だちは面白いって言ってくれただけど、何かに入賞するわけじゃなくて。だからやめちゃったの。
でも今年から文字や文章にするってことをまたやっていきたいなって♪


「プロフェッショナル~仕事の流儀」のオマージュとして、この100人インタビューでも毎回同じ質問をして締める。

あなたにとってあなたとは?

みんなが言ってくれてるのもあるけど、私とは「愛」かな。
好きか嫌いかが軸として大きいし、私に出せるものってそれしかない。
好きな人には好きと伝えて、その人たちが心地よい環境っていうのを意識してる。誰かが自分のことを好きでいてくれるって、それだけで受け入れてくれる感じがするじゃない?

続けて、あきちゃんのパーソナリティにぴったりな野望も教えてくれた。

起業していたり、自営でお仕事してる人のパートナーになりたい。
私が事務仕事や雑務をこなすから、その人にはメインの仕事に集中していただけたらって。秘書っていうか。

謙虚だなー。あきちゃんならすぐなれるよ。
フリーランスは自由だけど、常に孤独と隣り合わせ。そんなとき事務だけじゃなく、彼女のような心の拠り所にもなってくれる秘書がいたら...。
そんなの最高に決まってる。


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