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友達のこと

ここに記しておこうと思う
大切な友達のこと

高校の同級生の彼女とは、本当に長い付き合い。
もう40年くらい。

その彼女が選んだ結婚相手はたまたまわたしと誕生日も血液型も同じ彼。
わたしは彼と意気投合して、双子のように仲良しになり、3人で一緒によく寝泊まりした。話の尽きることはなく、仕事があるのに夜明け近くまで寝転んでおしゃべりしたりもした。

ある時、これは秘密だけれど、花火大会で彼が間違ったのかわざとなのか、わたしの手を引いて駆け出したことがあった。わたしは違うよと言えず黙って繋がれたまま走った。
なんてひどいことをしたんだろう、わたし。
嬉しかったから違うと言えなかった。
好きだった。
手を繋いだのは後にも先にもあの一度きり。そして誰にも言えないわたしと彼の長い間の秘密。


先日、彼女から喪中ハガキが届いた。
今年の1月に彼が他界したのだと書かれていた。
わたしにどうしても言えなかったと書いてあった。

彼女と彼はいつも二人でひとつだった。
そこにわたしが横にいて、いつも3人で笑っていた。

地元に帰ってきて二人と離れ、わたしは結婚して子どもが3人生まれ、そして離婚してひとり親になり子育てに必死だったころ、二人ファミレスで白い袋をニコニコ笑って手渡してきた。
二人には子どもがいなかった。
自分たちには子どもがいないからと、わたしの子育てを応援するといって大金をわたしにプレゼントしてくれた。
苦しかった子育て時代を助けてくれたのは二人だった。

それから、離婚して起きた土地問題の最善策を教えてくれたのも彼だった。弁護士の友達に相談して、わたしに提案してくれ、その通りにして解決した。

兄が失踪した時に探してくれたのも二人だった。
見つけたアパートに夫婦で会いに行ってくれて、それがきっかけでわたしたち兄妹は7年の年月を経て再会できた。

あれもこれも二人だった。
いつも笑顔で、ミニーちゃんとドナルドみたいに、ケラケラ笑ってキラキラしてわたしの前にいた。

今、彼女の横に彼がいないことが信じられない。
忘れていた思い出まで次から次に溢れて止まらない。
ありがとうという言葉ばかりわたしの心について出てくる。

わたしは二人をとても愛していて、二人の笑い顔を見るのがとても好きで幸せだった。


彼は今、眩しいようなどこかの光の中で、幸せで穏やかな気持ちでいて、いつか来る彼女のことをゆったり待っているんじゃないかと思う。

そして、この世界でこれから一人で暮らす彼女が泣かないように寂しくないように、いろんな趣向を凝らしてサプライズプレゼントをあちこちに準備してるんじゃないかと思う。

近所の素敵なおばさまとの出会いや、道に咲く花や、色とりどりの紅葉を。

けーくん、ゆーちゃん、ずっと幸せでいてほしい。二人は永遠に幸福でいてほしい。

わたしの大切な友達

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