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【続き】スパーズの財務諸表を他クラブと比較しよう(20-21版)

こんにちは。marieです。

この記事はこちらの続きです!各クラブについてもう少し比較してみます。

そもそもなんであの9クラブを取り上げたのか

Big6と呼ばれる6クラブはいいとして、なぜウェストハムやウルブス、ヴィラを入れなかったのか…

それは、なんとなくBig6に次いで、レスターとエバートンが規模が大きい(≒お金の動きが大きい)気がしたからです。

そしてそれはわりと合っていた!

Price Of Footballさんがちょうどまとめてくれていたので参照させていただきます。

スカッドコスト(20-21シーズン)

移籍金(の減価償却)(同上)

給与(同上)

費用面のことばかりで恐縮ですが、これを見る限り、やはり「選手にかける費用」としてはTOP8ですね。

シティ・チェルシー>ユナイテッド>リバプール・アーセナル>スパーズ・レスター・エバートン

って感じ。

移籍金の減価償却※なんて、スパーズはエバートンより下よ!アーセナルの7割よ?エンドンべレとロチェルソ買ってこれよ?

みんなどれだけ使ってんねんと思いますね。コロナがあったとはいえ、移籍金は高騰が続いています。


※<選手の減価償却>

選手の移籍金は、契約年数で割って毎年少しずつ計上されます。

なので、「選手の減価償却」は大体直近5~6年の移籍金平均額って感じの数値になります!

例)£30Mで5年契約

1年目…£6M計上

2年目…£6M計上

5年目…£6M計上 で終わり

※全選手にこれが起こるから、イメージとしてはこんな感じになるよ↓

(え…ロチェルソって24-25シーズンまで費用立つことが確定してるの?って思いますよね?※上から3行目

多額の取引での失敗は痛いですね)


ということで順当にいけばこの8チームが上に来るだろう…ということでいつも注目しております。
(逆に、ここにいないのに順位では上に来るハマーズとかはすごいです)

最後にブレントフォード入れたのは、昇格クラブは規模の桁が違うということを実証したかったのと、もちろんエリクセンがいるからです。

所感

では、各クラブの所感を書いて終わりにしたいと思います。個人的に考えた・理解していることです。


すぱーず:

新スタの負債やチームがちょっとこけたときのマイナスを、Matchday収入やその他のスタジアム収入で補おうとしている方針は明確。ただ、チームがちょっとどころじゃなくこけまくり、想定以上に悪い成績に落ちていってしまうとさすがに苦しいかも。あと、経営で後押ししたとてTOP4に入れなければ、ユナイテッドやリバプールには財政的にも負け続けるのだ。がんばれ。
このギリギリな状況であれば、移籍金や給与にもめっちゃシビアになるのは当然です。

バーンリーにさらっと負けてる場合じゃないよ。あと9試合、絶対8勝以上しろよ!


ゆないてっど:

スパーズからすると永遠の憧れ。CL権を逃したり、TOP4に入れなかったりする年もあるが、盤石なファンベースと広告収入によって大きな被害が出ない。20-21シーズンはコロナでさすがに赤字となったが、スタジアムの稼働が戻れば余裕で稼げることでしょう。選手の売却ではあまり収入を得ておらず、本当に買う側のチーム、食物連鎖の頂点って感じです。

会計の論文とか書籍の例に引っ張りだこでうらやましい。ユナイテッドの例を出せば万人に受けると思いやがって…!受けるんだけどさ。


りばぷーる:

めっちゃ堅実経営。財務上は最もスパーズに近い。ただ、Broadcastingや広告の収入がとても大きいのと、選手もレべルが高くそれなりの給与・移籍金であるため、規模は二回りくらい大きい。とても強いけどキャッシュ創出力が弱く移籍にはあまりお金を使えない構造のようで、選手の売却でちりつもの収入を得ているのに経営努力を感じる…と思ったけど、そこそこフリーでも出してるか?

経営がいけてるので、何かタイミングが違えば、私もkopになって「決して一人じゃない!」とか言ってたんじゃないかと想像してしまいます。シソコがハンドになったし、もうそんなことはないだろうけども…。


あーせなる:

ELだろうと欧州大会無しだろうと、CL出場クラブに値するお金の使い方をしている。いつまでCL常連クラブのつもりなの?と最初は思っていましたが、サッカーで良い成績を残せばペイするので正当なやり方です。実際、最近は結果が出始めているので、もし来年CLに出場して国内でもTOP4周辺を獲得できれば、とても強くて健全経営の理想的なクラブです。知名度も抜群…と思ったけど、Matchday収入も広告収入ももうスパーズの方が上だね♡

正直よきライバル。


してぃ:

たくさん稼いでたくさん使う。オーナーからの投資があったり、スポンサーがオーナーの会社だったりと、ここまでの4クラブとはそもそもの構造がまったく違うので、同じ条件で比較するのは適当でないかもしれません。強いので放映収入も毎年莫大に取れているのは特徴。シティグループとして世界中で活動しており、今後の発展のことも気になります。

フリーモードのゲームみたい。ただそこで働いている事務方の人々は(監督や選手含めて)とんでもないプロフェッショナルなわけで、そういうドリームチームを見るのは正直楽しい。サッカー観戦中は、収支とか考えないもの。


ちぇるしー:

財務諸表は唯一無二すぎて、一行ごとにおもしろポイントが訪れる。絶対読んだ方がいい!シティと同じ構造なんだけど、チェルシーの方が毎年ダイナミックな動き?があって面白い。勉強になる。あくまで計算上ですが、CL優勝しても今のスカッド(給料+移籍金)ではペイしないということがハッキリしたため、20-21の財務レポートはとても有意義でした。ここもオーナーの投資で保っている会社なので横並びで比較するのは適当ではないかも。

色々大変な状況ですので、まずはそれがどうなるかですね。オーナーが世界史の要人すぎる。


れすたー:

CL権を取らないと黒字にならないと思われます。それだけだとアーセナルと似ている状況ですが、元々の収益規模が小さいので、段違いに厳しい道のりです。ミラクルレスターを1年やるよりも、いい感じの順位(タイトルはなし)を複数年やる方が財務上はもちろん安定・発展するのですね…それがそれぞれにとっていいのかはわからないけども。

親会社のことをよく知らないので恐縮ですが、グループ全体で見るためレスター単独ではプラスをあまり求められていないのかもしれませんね。だとしたら自由ですな…


えばーとん:

ここ数年、コロナがなかろうと赤字であるような状況が続く。理由は明確で、この選手層(給与)であればこのくらいの成績を取りたい、という実績を何年も継続して取れていないからです。(逆に言うとシティやチェルシーは取れているので、同じことをやっていてもFFPに引っかかるほどではない。)いつもオーナーのもしりんがエバトニアンに叩かれまくっていますが、彼のお金がなければ今のスカッドもないのでもったいない…。

デレが移籍し(全然活躍してない)、ヒッチェンも行くかと思ったら行かなかった。ヒッチェンじゃない人がディレクターになったそうなのでその人代わりに活躍してほしい。今年はもう色々ありすぎて目が離せないが、経営規模的に降格するようなクラブじゃない。がんばれ!最終節アーセナルと当たるしな!

おわりに

続きも書けたので、これで終わりにしたいと思います。長々と読んでくださった方、ありがとうございました。

いろんな指標を見てきたのですが、
「こっちの指標だと良く見えるけど、こっちの指標だとすごく悪い経営に見える…」って感じを受けませんか?

あと、数値上は同じ赤字だったとしても、
「でもこれは⚫⚫な理由があるから正当で、来年以降は改善すると想定されるので問題ない」
というのもあるし、
「いやほんとにぐうの音もでない、このままだとやばい」
というのもありますよね。

こういうのは見せ方によってどうとでも説明できるので、切り出す項目を選んで、ちょっと有利であったり心象良く見せるのは、色々なところで普通に行われています。(もちろん嘘にならない範囲で!)

収益いっこだけ見て…とか、単年の移籍状況いっこだけ見て…とかで、状況は見えません。

経営とか財務とかとっつきにくいですが、「全体をまとめるとどういうこと?」という気持ちで見るといいんじゃないかなと私は思っているので、それが伝われば幸いです!

今回は以上です!

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