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スパーズ20-21財務レポートを読みたい②

こんにちは。

ECLのムラ戦負けましたね。びっくりするね。

チームは非常に未熟というか、これから感のすごいヒヨコ状態ですが
経営を見ていると相変わらず非常に優秀であり、おだやかな気持ちになってくるのでおすすめです。ロメロくらい安定している。

今回は、前回の続きです。
レポートを全部読んだので、②を書きたいと思います。こんな暇なことをしているのは私くらいでしょう。

出典は引き続きAnnual Report21からです。


①はこちらから!

④CL→ELでUEFA賞金がどれだけ減ったのか見てみよう

最初からなんともいえないトピックです。サッカーファンが特に興味ある内容から。

これですね!対前年でキレイに半分になっております。

Swiss Rambleさんの過去5年TV収入グラフはこうです。

※多分凡例が間違ってて、下の表の通り濃い青が20-21シーズン。

CLに出たか否かで差が付くのがわかりますでしょうか?

大会での勝ち進み具合も影響はしますが、ほぼCLに出たかどうかでグラフの長さが変わっていますね。そしてスパーズの濃い青(20-21シーズン)の衰退具合は凄まじいです。ザグレブに負けるから…

まあ今年もここは期待できないですよね。今から何かあってECL優勝とかしたら、これよりも少し増えるとは思いますが。上位3クラブにどんどん差がついちゃいますね。

ただ、これはUEFA賞金のみのグラフです。
クラブの財政的には、特にスパーズとユナイテッドは、UEFA賞金がしょぼくてもやっていける他の収益(マッチデー収入やグッズ売上、スポンサー収入、他イベント収入など)があるので、わりと大丈夫と想定されます。※

※ユナイテッドは既にある。スパーズは今その状態をめざして頑張ってるところ。(そして多分達成できる)

私はそれは経営として素晴らしいと考えますが、ファンに対しては結構難しいところだと思う。

なぜなら、CLに出られなくてもやっていける→経営陣はCLに出なくてもやっていけるから、チームの強化をちゃんとやらないんだろう!!っていう論調になりがちだからです。

人によっては、後先考えずに投資してCL優勝を取りに行け!と思う人もいると思います。

でも投資してもし取れなかったら破綻するわけで、それは明らかにスパーズはやらない。

そこをどうしてほしいかは個々の趣味だと思います。たとえばレスターは真逆で、CL出場できなければとてもペイできない投資を先にしています。(選手の給料がクラブ全体の収入を越えている)

⑤また何か建設してる

設備投資の部から。

また何か新しく建設してるようです。額は£10Mくらい。

(wordで出力したからちょっと図がへん)

なんだろう?具体的なものは書かれていないのですが、レヴィ会長のメッセージに出てくるものかなと思います。

私たちは不動産プロジェクトの支援も行います。例えば、スタジアムの敷地内にホテルを開発することで、当社の会議・イベント事業を支援し、新たな収益を生み出すだけでなく、地域社会にトレーニングと雇用をもたらします。
現在、トレーニングセンターに女子ファーストチーム専用の施設を建設中で、試合品質の専用トレーニングピッチも併設され、女子ファーストチームはここでフルタイムでトレーニングを行っています。

地域開発とか、女子チームの専用施設とか。あと新しいトレーニンググラウンド。

あとここにはないけど、スタジアムに車で来る人を減らすために、近隣のインフラ(電車とか)にも支援してる的なことが書いてありました。

この分も含めて、ちょっと長期借入金が増えてます。ほんとに設備投資にお金惜しまないよね。

⑥グッズの種類は多分増えている

棚卸資産が増えてます。

棚卸資産は、荒く言うと商品在庫のことです。年度末に在庫をどれくらい持っているか。

スパーズって、グッズの種類が豊富ですよね!Tシャツとか帽子とか無数にあるし、新商品もどんどん出るイメージ。Spurs shop見るたびになんか新しいものがありませんか?誰が買うんだって商品もあるけど…

<誰が買うんだって商品の例>

私は仕事で商品の調達計画とかやったことがあるんですが、商品数が増えれば増えるほど管理が大変になるし、売れ残りのリスクも高まるし、余った商品を値引きするかと考えないといけないし…ということで、いたずらに商品数を増やすのは本当に嫌でした。

でもスパーズショップはラインナップの多さを売りにしてます。なかなかコストをかけてることだと思うし、製造や配送ラインも内製化して原価抑えられてるのかな?とか、とても興味があります。

棚卸資産の増加=商品数の増加 or 売れ残りの増加

だと思うので、これは商品数がどんどん増えてる現れだなと個人的には楽しみに見ています!

⑦新スタ財源の担保は新スタ

スタジアム用融資の担保がスタジアム自身で、トレーニンググラウンド用融資の担保がトレーニンググラウンド自身のようです。

Bank loans (in notes 15 and 16)
The Investec Bank facility used to fund the construction of the new Training Ground and secured against the new Training Ground site was   at the balance sheet date and repayable by December 2025. The interest on this amount is paid quarterly and tracks the London Inter-Bank Offer Rate. The bank loan is shown in the financial statements net of E103,000 of associated loan arrangement costs which are being amortised over the term of the loan.
In September 2019 the Group closed its refinancing of the pre-existing   loans put in place to support the construction of THS, and secured against THS. The   stadium refinancing package includes   from issue of long-term bonds to U.S. investors through a private placement, and another Ell 2,000,000 from a loan from Bank of America Merrill Lynch, who also managed the bond issue.
銀行借入(注記15および16に記載)
新トレーニンググラウンドの建設資金に充当され、新トレーニンググラウンドの敷地を担保とするインベステック銀行のファシリティは、貸借対照表日現在、2025年12月までに返済されます。この借入金の利息は四半期ごとに支払われ、ロンドン銀行間取引金利に連動します。この銀行ローンは、関連するローンアレンジメント費用103,000ユーロを控除して財務諸表に表示されており、この費用はローンの期間にわたって償却されます。
2019年9月、当社グループは、THSの建設を支援するために用意された、THSを担保とする既存のローンの借り換えを完了しました。このリファイナ ンスには、米国の投資家を対象とした第三者割当による長期社債の発行と、この社債の発行を担当した バンクオブアメリカ・メリルリンチからの融資200万ユーロが含まれています。

※THSは、Tottenham Hotspur Stadiumの略です。

「抵当権」ってやつ?(今ググって今知った言葉)
返せなかったら建物を売らなきゃいけないという。

不動産は全然わからないので、わかる人教えてほしいです。

⑧子会社めっちゃある

すごい当たり前のことなんですが、子会社リストがめっちゃあったのでシェアします!それぞれの会社とどういう取引をしたのかも書いてありましたが、さすがに情報量やばいので割愛します!すごいね!

なんか、こういう子会社との取引で不正って起こるよね!

多分不正してないよっていうきちんとした説明のためにも、このへんは細かく書いてありました。

おわります

長々と小ネタを書いてきましたが、以上で一旦終わりたいと思います。

私は管理会計しかやったことないので、バランスシートとファイナンスの目線が疎かだとは思うのですが
英語の財務レポートを自分で読むのはだるいと思うので、これで少しでも楽しんでくださったら幸いです。

今回は以上です!

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