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父の娘
一年ちょっと前、がんになったことを父にに伝えたのは、電話でした。「お母さんにも言っておいて」と父に丸投げをしました。
次の日、泣きはらした声で電話をかけてきた母に、「大丈夫よ、私はお父さんの娘じゃけ」と言いました。
父は、42の時に難病になり、そこから何度も難しい手術を受けたり、大変な根気のいるリハビリを続けたりしています。
しかも、愚痴ひとつ言わず……いや、ひとつやふたつは言ったかもしれないけれど、でも、家族がそれでどんよりするようなこともなく、コツコツと前向きに病気と闘っていました。そして、私たちを育ててくれました。
先日、「お父さんはずっとずっとがんばってるから、偉いね」って言ってみたら、父が「自分でもそう思う」って言うので笑ってしまいました。
私ががんを告知されても「仕方ないな」とすぐ受け入れうまく切り替えたり、お医者さんも驚くほど耐えて頑張ることができているのは、あきらかに父を身近に見てきたからだと思います。
面と向かって言うのは恥ずかしくてできない……ということもなく、わりとすぐ言っちゃう私ですが、あらためて、お父さんありがとうね。
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