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わたしと夫

破れ鍋に綴じ蓋
という言葉がしっくりくる
というと、夫に失礼だろうか。
でもね、わたしは自分のことを完璧だと
思ったことがないし、夫のことも、
素晴らしい、これ以上ない配偶者!と
思ったことはないのだ。
ただ、足りないところを補い合えて、
どうしてか、
わたしの足りないところをすっぽり
受け入れてくれる人なので、
この人と夫婦になれて、わたしは
心底安心したし、どんどん自分のことを好きになっている気がする。
ちなみにわたしは夫の顔が好き。


夫は、有能なのに意欲が薄くてだらしない。
だから時々、
わたしは自分のことを棚にあげて苛々したり心細くなったりする。
夫は決してわたしを貶さない。
だからわたしも、出来るだけ、
余裕を失わないでいられるように、
生活を整える努力をしている。
うまくいかない時もあるけれど‥

わたしは夫にどう映っているのかな。

わたしの母は、強くて、賢くて、純粋で、
(ヒステリックなところがあって)
マイペースな父によく怒って機嫌を悪くする。
父は怒られても、暖簾に腕押し。
祖母も、キツいひとだった。
母は、そんな祖母と折り合いが悪かったはずなのに、どんどん似ていく。
わたしは怖い。父に似たマイペースさをもつ夫を選び、結婚したけれど、いつかわたしも、夫に怒ってばかりの人間になってしまうんじゃない?

幼い頃は、両親が、どうして離婚しないのか不思議だった。
大人になって、酔った父に聞いた。
どんなに怒られても、
母のことを好きなんだと言っていた。
惚れた弱み だって。

へぇ

母は、認定こども園の園長で法人理事長。
曾祖父が作った小さな保育園を
認定こども園に拡大して、
支援センターや一時保育、小規模保育園、
発達支援や放課後学童まで事業拡大した
バリバリの仕事人間。
家に着く頃にはヘトヘトで、頭が痛いと寝込むこともしばしば。
園と、通ってくる子どもや保護者を
心から愛して大事に思っているし、
思いを実現する手腕もある。

そんな母を、人として尊敬している。

ただ、彼女の子どもとして、
わたしは寂しかったのかもしれないな。

同じ道を歩むまい、と思っていたけれど、
どこかでずっと意識していた
曾祖父が作り母に続く保育園のしごと。

結婚と共に、わたしは母の園に入職した。
夫も続いて、働いてくれている。
赤ちゃんは、たまらなく可愛く、
全幅の信頼と好意を寄せられていると
どうしたって守りたいと、
政治、環境、社会、園のこと、
色んなことを考えるようになった。
わたし自分のことばかり考えていたのに。

天職だったみたい、覚悟を決めなくては。
ひとりでは、しんどいけれど、
わたしには夫が居る。

今はまだ勉強不足の怠け者だけれど
子どもも大人も愛しく思うセンスだけは
母と同じく持っていると思う。
(だから大丈夫とは言えないが‥)

夫も、アパレルから福祉の現場へ、全然違う職種なのに、持ち前の器用さと寛大さを発揮して、めちゃくちゃ頼りにされている。

転職して、生活リズムが合うことが嬉しい。
その日あった子どもの面白可愛いエピソードを教え合うことが、とても楽しみになった。
喜びを分かち合うって
こういうことなんだな、と実感がある。


とにかく、今後とも、
楽しんで夫と一緒に生きていける気がするし
意識して、楽しみたいなと思うのだ。

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