見出し画像

「ステンレス」について調べてみた

最近Stockrに「気になる・疑問」というテーマを追加して、そこに一瞬でも浮かんできた疑問点を書き留めるようにしました。
そして最初に書き留めた記念すべき疑問第一号は、これです。

疑問、ステンレスのステンって何だろう

ステンレスはその辺に使われている金属なので知っていますがね。
そもそもステンレスのステンって何?という所が疑問だったので、このような疑問を書き留めていたのです。

疑問は調べて解決しよう!という事で、過去の自分がふと思ったらしい事について、調べてみました。

「株式会社スチール」を発見

Googleで「ステンレスのステンとは」と調べたら、そんな会社のサイトが出てきました。
空き缶でしか見かけない「スチール」ですが、よく考えたらこれも気になりますよね。
「スチール」と「ステン」には何らかの関連性があるのでしょうか。

株式会社スチールとは

取引をする企業が500社を超えるほど、「ステンレスといえば株式会社スチール」くらいのシェア率を誇るようです。
で、商品ラインナップを見ましたが、建築会社や建築資材を使って本格DIYをやりたい人が喜びそうな感じです。
窓枠に使いそうな物から、水道関係の配管で見かけそうな物まで。
個人向けの商品というより、企業、それも第二次産業向けのガチな商品が沢山ありました。

関連企業として、ステンレスの魅力を広めることを意識したアトリエ、株式会社フィギアもありました。
現代アートに欠かせない金属。
ちょっと見に行ってみたいです。

また、音楽を愛する人へのプレゼントに向いていそうな、音楽ギフト専門店を営む株式会社レオノーレという所もあるようです。
工業や産業だけでなく、芸術分野にも尽力する所なのですね。

株式会社スチールは、かなりストイックな企業みたいですよ。
決して媚びないけれど、それでも常に客の需要を意識した商品づくりをする、というのは難しいと思います。(読者に媚びた文章を書きがちな私、媚びないけど需要を意識する難しさを知っています)
創業年が私の親の生まれた年という、なんか運命を感じる会社でした。

ステンレスのステンとは

株式会社スチールのWebページには、「おしえてステンレス!Q&A」というコーナーがあります。
そのページの中に書かれているのが、まさに「ステンレス」の魅力を語る為のQ&Aなのです。
工場見学をする気分を味わえますね。

そして「ステンレス」の説明として、このように書かれていました。

ステンレスの「ステン」とは日本語で「汚れる、さびる」という意味で、「レス」は「~しない」という意味です。つまり、ステンレスとは錆びないという意味になるのです。

株式会社スチール「教えてステンレス!Q&A」
質問:ステンレスと鉄はどう違うのですか?

もしかして、この「ステン」……。
歯磨き粉関係でよく見かける言葉、「ステイン」の事なのでは?

気になったので、別の企業のWebページも含めて調べてみました。
すると、太華工業株式会社のサイトに、このような事が書かれているページがありました。

Stain(ステイン 汚れ)+less(レス ない)+steel(スチール 鋼)=Stainless steel(ステンレス鋼)

太華工業株式会社
ステンレスコラム
ステンレスとは?①ステンレスの産声

やはり、あのステイン……!
歯磨き粉の話題でいつも出てくる、あのステイン!!

英語って結構言葉の足し算になった物が多いですよね。
ドイツ語もそうなんですよ。
「黒い犬」くらいなら、一つの単語にギュッと詰め込むみたいです。(フランス語は単語としては区切りますが、発音は多分繋がります)

とりあえず「ステンレスのステンって何だろう」という疑問は解けました。

ステンレスでも錆びたよ、という人へ

これは化学の知識が少しでもあれば分かる反応なのですが、高校で化学を選択しなかった人や、選択したけど興味を持てなかった人は、知らないかもしれません。
工業高校行ったらこういうの教わるのかなぁとか、総合学科ならこういうの教わる科目もあるのかなぁとか、ちょっとワクワクしますね♡

ちなみに株式会社スチールは、この事について非常に分かり易く説明しています。

ステンレスの表面に軟鋼・亜鉛・アルミニウムなどの異種金属が長時間接触または連結した状態で放置され、間に水分(湿気・結露等)を含むと、電池作用によりこれらの異種金属が腐食を起こし、鉄分が溶け出した錆が発生します。これはステンレス自身が錆びたのではなく「もらい錆」といいます。以上のことから異種金属との接触はできるだけ避ける必要があります。

株式会社スチール
「教えてステンレス!Q&A」
質問:ステンレスは錆びにくいと聞いていたのですが、錆びてしまいました…

特に気をつけてほしいのは、アルミ。
アルミ缶が家にある方は結構多いと思います。

缶ビールを飲んだ後、缶コーヒーを飲んだ後など、中身を洗って乾燥させようとして、シンクに置いた。
うっかりそのまま旅行してしまった。
……こんな事をしたら、簡単にステンレス製のシンクは錆びます。
ついでに言うと缶もしっかり錆びます。

ステンレスそのものが錆びる事はなくても、そこに触れている金属が酸化するような事があると、流石にステンレスも錆びます。
本当に、家庭にありがち(そしてやりがち)なのは空き缶の放置だと思いますので、空き缶には気をつけてください。

この「電池作用」は理科の授業を振り返ると何となく分かると思います。
やっぱり化学とか物理とかってロマンが溢れていますね。
生き物とは言えない物であっても、まるで生物のように色々な姿になるのが面白いです。

イオン式とかまで話を広げれば、ステンレスが何故他の金属と長く触れ合っている時に錆びていくのか説明出来そうですが、そのイオン式を説明出来るほど化学知識がある訳じゃないのが悲しいですね。
教えるにはそれなりの知識が必要なんですよ。


まとめ:ステンレスは多くの人を支える希望の光

水まわりがやたらステンレス製の物だらけなのは、たとえ水に触れたとしても錆びにくいから、なんですねぇ。
確かに汚れにくいし、汚れたとしてもすぐに落とせるのがステンレスの魅力です。
お惣菜の作業場なんて、床と壁と窓と天井以外、ほぼ全てがステンレスです。
おかげで深爪した状態では怖くなります。(職場の規定通りに爪の白い所をなくすと、深爪確定なのが悩みでしたからね、私。最終的に、指先に触れた時、爪が当たらなければOKと認めてもらえました)

ステンレスが窓サッシ枠に使われるのも、高温多湿な気候に対応する為なのでしょう。

そして、ステンレスのステンは、歯磨き粉関係でよく登場するステインと同じものを指すという……。
表記揺れでしたね。単なる表記揺れ。
昔ハンカチをハンカチと言わずハンケチと言う人がいたのとか、ペリーをペルリと表記していたのとか、そういう揺れ方ですね。(ペリーのスペル的にはペルリでいいと思うんですけど、今はペリーと教わりますね)
元々日本以外の国の言葉だった物の発音表記については、統一しろと言っても出来るものじゃないです。

ステンレスを取り扱う企業のステンレス愛に触れていた為か、私も身の回りにあるステンレス製品を意識したくなってきました。
「だからフライパンずっと放置してたら、フライパンとシンクが両方仲良く錆びたんだね」と思いました。
意外と数時間でやられ始めるので、つけ置き洗いしたいからってシンクに放置するというのは危険です。

ちなみにこの錆って決して悪い事ばかりする嫌な奴じゃないんですよ。
高い所の木材を固定する際、昔の大工さんは唾液で釘を湿らせてから打ちつけていたと言われています。
なんと、釘が唾液によって錆びた時、そのサビサビの部分が上手く木材同士をかたく結びつけるのだそうです。
錆びたらどんな金属も滑りにくくなる、その仕様を釘と木材相手に活用していたのが、昔の大工達の技術なのだとか。
昔のコントで大工がペッと唾を吐いているのは、建築物を安全に長く保つ為の知恵をそのまま再現したからでしょう。

消費者としての視点しかないと、何の役にも立たない錆ですが、それを必要とする人にとっては、促進剤代わりに唾液を用いるくらいには必要不可欠。
というのを踏まえた上で、錆びにくいステンレスを専門に取り扱う企業を見ていくと、建築技術の移り変わりを感じますね。
ただ、昔建てられたような建物をそのまま保つ為には、昔の大工さんが持っていた技術や知恵も残していってほしいなと思います。
少なくとも、揺れに耐えて波にも耐える技術が、江戸時代になるかどうかの頃にはあったのだから。(瑞巌寺はマジで凄いと思います。あの立地条件だと、土台があればいい方……くらいに思って調べたら、修繕をした後、普通にイベントやってましたからね)

ステンレス……合金という事もあって、成分や作り方が異なる型もあり、奥が深いと感じました。
この調べ物、とても楽しかったです。
本当に工場見学をしているみたいで、ワクワクしまくりでした。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?