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グルテンフリーで健康に!疲れが取れる!痩せられる!は本当?

低糖質食と並行して注目が高くなってきた「グルテンフリー」グルテンフリーは必要か?ダイエットや健康維持に効果があるのか?気になりますよね。今回はグルテンフリーを考えていきましょう!

健康志向&ダイエッッターの皆さん!!残念ながら、「グルテンフリー」が直接的に健康やダイエットに作用するわけではありません!!でも、そこにはカラクリがあるのです✨読み進めると納得!?して頂けるはずです⭐︎


【グルテンとはなにか】

小麦・ライ麦などの穀物の胚乳から生成されるタンパク質の一種であり、グルテニンとグリアジンが水を吸収して網目状に繋がった状態のもの。

グルテニン:弾力が強い グリアジン:粘着力   という特徴があり、料理では、小麦粉に水を加えこねる事で、グルテニンとグリアジンが絡み合って「グルテン」の状態を作り、麺類やパンに独特の弾力と粘性を与えるわけです。小麦粉は10%前後がタンパク質で、その85%がこの2つの成分から成り立っています!


【食物アレルギー・グルテン関連疾患との関わり】

グルテンで厄介なのは、食物アレルギーを起こすタンパク質であるという事です。小麦粉の使用は食品表示義務となっているくらい、日本でも小麦粉アレルギーは身近です。※小麦粉アレルギーとグルテン関連の疾患は別であり、グルテン単独での記載は義務ではない。

《グルテンを主とした疾患》

セリアック病(シリアック病): 自己免疫疾患である遺伝性の不耐症               *小腸の粘膜に特徴的な変化を起こし、吸収不良が生じる(グルテン摂取後は下痢が主な症状)

非セリアック•グルテン過敏症: セリアック病、小麦アレルギーを除いたグルテン関連疾患    *グルテンを含む食品を食べ、腸の内外にもたされる。グルテンを含む食品を避ける事で改善がみられるが、発症過程はまだ不明点があり、グリアジンの影響ではないか、と考えられている。

グルテン失調症:抗グリアジンの抗体陽性の自己免疫性小脳失調症(グルテン運動失調症)                   *眼球運動障害、歩行障害などの神経症状がみられ、その発症の平均は約50歳前後。

疱疹状皮膚炎:慢性自己免疫性疾患       *強いそう痒を伴う皮膚の水疱性丘疹が特徴  

疱疹状皮膚炎の患者全員がセリアック病を有していると研究結果が報告されていますが、大半はセリアック病についてはほぼ無症状で、気付いていないらしい。また、本疾患は、他の自己免疫疾患(甲状腺疾患,悪性貧血,糖尿病など)および小腸リンパ腫の発生率が高い可能性も指摘されている。


【グルテンフリーはなぜ有名に】

小麦アレルギーは有名ですが、免疫性の疾患は症状の進行や程度も様々で、本人が気づかずにグルテンを含む食品は食べていることも多いです。そんな中、なんとなく不調を感じ、グルテンが原因と気付いたのがテニスプレイヤーのジョコビッチですね🎾

「グルテンフリー」が広まるきっかけとも言えますが、彼がグルテンフリーの食事で体調が良くなった背景には、「セリアック病」があったからに他なりません!

それが、いつしか健康・美容・ダイエットに敏感な私達は「体調が良くなる」「痩せる」の部分だけをプラス評価し、「グルテンフリー」が効果的である印象を与え、広く知られるようになったと言えます。

【グルテンフリーの対象者は多くない】

上記で述べたように、グルテンフリーで改善するのはその疾患を有している場合で、あくまでも食事療法です。

では実際、その有病率はどうなのでしょうか?

実は、0.5〜13%と幅が広い見解がされています。研究段階でもあり、はっきりとした数値は出ていません。最近は、欧米で増加傾向ですが、日本ではグルテンが原因の疾患は稀なケースです。殆どのケースで1.0%以下となっています。つまり、医学的な面で「グルテンフリー」の対象者はほぼいません。


【グルテンと中耳炎の噂】

グルテンで健康関係と同時に聞かれるのが中耳炎との関わりです。初耳の方もいるかもしれませんが、密かに噂されていています。

一般的な中耳炎は、のどや鼻にくっついたウイルスや細菌が、耳と鼻や喉をつないでいる「耳管(じかん)」を通って耳に入り込むことで、「中耳」が炎症を起こしている状態で起こる疾患です。

グルテンフリーで改善したとされる中耳炎は、「滲出性中耳炎」というもので、鼓膜の裏側の空洞部分に水がたまった状態を指します。一般な中耳炎とは少し違うので、中耳炎全部が該当するわけでもなさそうです。

基本的に、疾患自体はウイルスやなにかしらの炎症反応を起因としており、食事が直接原因になる事はありません。ただ、グルテンは、小腸の粘膜を傷め炎症を起こすことが分かっています。(セリアック病は、遺伝的にこの現象が起こるわけです) この小腸粘膜の炎症と滲出性中耳炎との関わりは、残念ながら、医学的に確実なエビデンスはありません。しかし「グルテンフリーで滲出性中耳炎が治った」.....という体験談をブログに書かれている方は確かにいらっしゃいますし、耳鼻科でもグルテンについてのコラムが掲載されているので、関係性はゼロでは無さそうです。

*耳鼻科系の不調がある方は、グルテンを含む食事を減らしてみるのは一つの方法かもしれません。


さて、堅苦しい概要より、皆さんが気になるのはダイエットなど健康面の効果ですよね!

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【健康維持・ダイエット効果】

*グルテンフリー=健康食・ダイエット効果

ではありません!!!

これまで述べたように、グルテンフリーは、疾患に対する治療食の一種で、健康・ダイエット食というわけではありません。「グルテンフリーダイエット実施中」というブログなどを見かける事がありますが、グルテンフリーだからダイエットが成功しているわけではありません。

とは言っても、「実際に痩せた・体調が良くなった」などの体験談を見かけますよね。ここからがそのカラクリを解説!!

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