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老化を早めない為にAGEs(終末糖化産物)をためない食生活

 いつまでも綺麗な肌、健康な身体でいたい!と多くの方が思っていますよね。その為に何をしたら良いでしょうか?健康食品・サプリメント・高級な化粧品など外部からアプローチではなく、まずは日々の食生活を考えてみましょう。

 食事は何のために?

食事や嗜好品を摂取する目的を考えてみて下さい。多くの場合は、お腹が空く・食欲や欲求があるからだと思います。でも、忘れてはいけないのが、食事により入ってくる栄養素は、自身の身体を作り続けている事です。赤ちゃんが離乳食を食べ始めてから大人になるまで、成長のために食事が必要なのはイメージが出来ると思います。大人になっても、細胞・ホルモン・皮膚・髪の毛、爪などあらゆる部分で、栄養素を元に成り立っています。

それだけ、食事は大切な役割りを担っているんです!

AGEsの実態

AGEs=Advanced Glycation End Productsの略語で、終末糖化産物といわれるものです。AGEsが生成される過程は「外因性」と「内因性」があります。

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外因性によるAGEs増加

タンパク質の糖化反応(メイラード反応)つまり、化学的に言うと「アミノカルボニル反応」によって作られる生成物の総称です。タンパク質に含まれるアミノ酸がもつアミノ基と糖のカルボニル基が、加熱により反応して起こるもの。

一般的なのは、ステーキ肉をグリルするときつね色になりますよね。「良い色焼けてる〜」わけですが、実はこれがメイラード反応により色が変わる現象です!

このグリルで生成物されるAGEsは非調理時より10〜100倍まで増加します💦更に、卵焼きを作る際、卵にお砂糖を入れる派の方は要注意!この組み合わせもAGEs生成が多いと研究発表がされています。なぜなのかというと、アミノ酸を豊富に含む卵に糖を入れて加熱するので、AGEs生成の条件が揃っているんです。

《増加しやすい調理法》           水を使用しない「揚げる」「焼く」「オーブンやBBQなどのグリル」

一気に高温環境なることでAGEs生成が促進されやすい!


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《増加しにくい調理法》           水を使う「煮る」「茹でる」「蒸す」などは生成されにくい。

同じ加熱調理でも、AGEs生成の量を抑えるには、後者の調理法を積極的に取り入れましょう。


【その他の外因】

□喫煙はAGEsを増加させます。

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タバコの葉を乾燥させる際に「糖」が存在すると、AGEsが生成されます。喫煙により、これらのAGEsが肺から吸収されます。血中AGEsおよび皮膚中AGEs(皮膚の自発蛍光で測定)濃度は非喫煙者に比べて喫煙者で高くなります。

タバコの葉で糖?とピンとこない方もいると多いますので、ざっくり解説!

♢生の葉が乾燥されるとき、葉の中では様々な化学反応が起きています。その反応を起こしているのは、葉の細胞の中にある種々の酵素が関係します。酵素によって葉に含まれるデンプンは「糖」や有機酸に、タンパク質はアミノ酸やアンモニアに変わるんです。他にもさまざまな物質が酵素反応によって変化しますが、基本的には葉の中の高分子物質がより小さく単純な物質に分解されていきます。


内因性によるAGEs生成

AGEsは体内でも日々生成される可能性はあります。外因性でも説明したように、「糖」と「タンパク質」が関わっています。不要になった糖質により、一部はAGEsを生成してしまっているんです。

現在は、ダイエットの面で低糖質注目が扱っていますが、AGEsの生成を抑制することにも繋がっています!

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AGEsが与える影響

AGEsは、身体の様々な老化に関係します。

☑︎疾患の促進や悪化:糖質病・アテローム性動脈硬化症・慢性腎不全・アルツハイマー型認知症

☑︎血管の損傷:糖尿病の血管系合併症の原因にもなる

☑︎細胞障害を加速し機能を変化させる

☑︎シミ・たるみなど皮膚への影響(コラーゲンもタンパク質であり、糖と結合することでAGEsの生成及びコラーゲン減少に繋がっている)

AGEs=老化を早める

AGEsが身体に良くないことは分かって頂けたと思いますが、AGEsが生成されてしまった後はどうなってしまうのでしょうか?

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生成されたAGEsはどうなるのか

一つ朗報です✨100%蓄積されるわけではありません。少なからず蓄積はされていきますが、尿中に排出されています。

AGEsが結合した細胞内蛋白質が分解されて、AGEsペプチド、AGE付加物になり血中を通って腎臓から尿中へ排出されます。

しかーし!同時に知っておく必要があることがあります。

それは、AGEsの分子は大きく色々な工程を辿り、先に述べたAGEsペプチド・AGE付加物の状態にならなと排出できない、そして、その状態は糖尿病患者においては、反応性が高く、高血糖が改善されても病状の維持に関係すると言われています。

更に、AGEs蛋白質の分解の過程で、AGEs受容体(RAGE)の活性化は 、糸球体硬化症(英語版)の原因となり腎機能を低下させます。

腎臓機能が低下すると、尿の排出に影響がでます。つまりAGEsも排出能力も低下をしていくことになります。

AGEsは排出されますが、その過程で腎臓への負担や、糖尿病などの基礎疾患の悪化に繋がります。特に、糖尿病予備群の方々はAGEsを溜めない事です。


残念ながら、食事を摂る以上、100%生成されない食生活の実現というのは不可能です。しかし、いわゆる健康的でない食生活は、AGEsの生成が増加する傾向にあると言えます。

AGEsを溜めないためには

□糖質摂取を抑える             エネルギー代謝の記事でも説明をしていますが、脳や筋肉の構築には糖は必要です。なので、低糖質でないといけないわけではなく、必要最低限の糖は摂取すべきですが、余分な糖の摂取は減らしましょう。

□低GI値の食事を心がける          糖質制限を意識すると、低GI値の食事とつながりますが、糖質量=低GI値ではないので、糖質制限が必ずしも高血糖を防ぐわけではありません。例えば、3食は低糖質でも間食でグルコース・フルクトース・果糖を含む食品を摂取すれば、糖質量が少なくてもダイレクトに血糖値は上がります。それでは、AGEsの生成を抑制出来ません。糖質制限や低糖質というより低GI値を意識するのが、一番効果的です。

□調理法の工夫               揚げ物やグリルばかりではなく、他の調理法で作られた食事摂取する機会を多くしましょう。

□禁煙                   喫煙するだけでAGEsを体内に取り込むことになります。外部からAGEsを取り込む機会を減らすように努める事が大切です。

□運動習慣                 血糖値=インスリンが作用というのは知れ渡っていますが、低糖質食にすればOKというわけではありません。運動をせず消費量が少なければ、高血糖ではなくても、使われない糖があれば血中の糖を細胞に取り入れるためにインスリンは作用しています。細胞に取り込まれた糖であるグルコースはメイラード反応(糖化反応)を起こす起因になります。AGEsを体内で生成される量を抑えるためには、運動習慣をつけることが必要不可欠です。


まとめ

AGEsは「老化早める」物質であると共に、基礎疾患を悪化させる原因にもなります。AGEsは様々な経路を辿って、腎臓により尿として排出されます。また、細胞や皮膚は身体全体に繋がっているので、AGEsの影響は臓器だけでなく全身へ影響を及ぼすものです。食事は、空腹や気持ちを満たすだけでなく、自身の身体のために食べるものを選択してみて下さい。












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