見出し画像

科博 日本館 人体模型像

2007年 国立科学博物館の常設展として約3年の改修工事を経て日本館がオープンしました。

そちらに人類学者馬場悠男さんが中心となり監修された人体模型が設置されています。

旧石器時代のホモ・サピエンスの港川人(沖縄の港川フィッシャー遺跡から発掘)から鎌倉時代までの家族の日常風景を切り取った時代の生活様式も垣間見ることが出来る展示です。

私は2005年科博で開催された「縄文vs弥生」展の宣伝用媒体のモデルキャスティング、衣装を担当させて頂いた経験から馬場さんの依頼を受け縄文人家族と弥生人体家族の衣装監修をしました。

展覧会の宣伝媒体の役目として衣装は過剰に作り込んだ部分もありますが、常設展で、学術的要素、人体がメインであることを踏まえ、より時代の庶民に沿った素材、季節は夏とし、骨格や筋肉、身体が見えるデザインにしました。

デザインと表現するのは、古代人衣服は出土された麻紐や布片から想像するしかなく、私がファッションに関わる仕事をしているからです。

縄文人には苧麻の麻紐でアンギンを、こちらは土浦の古代織研究会で、ベストや貫頭頃などを編んで頂きました。土偶に見られる紋様に似せ漆を塗りベンガラ塗料で着色したブレードを付けました。

弥生人には大麻布を中国から取り寄せ幾度も洗い、木槌で叩き柔らかくして、貫頭衣や着物風合わせにした羽織りなどを縫製しました。

直立している人体でなく動作が出来上がった状態に着せつける工夫が必要でした。

人体模型は(株)サンク・アール 港川人と鎌倉時代は(株)丹青社 が担当されました。

               大橋 マリ



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?