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贈与の基礎知識

この記事では贈与税について、これだけは押さえておきたいというポイントをお知らせします。

贈与とは?


贈与者(あげる人)が無償で与える意思表示をして、受贈者(もらう人)が受諾の意思表示をして、この2つが揃う事で贈与となります。

また、贈与は契約書等の書面が無くても成立しますが、書面があるのか無いのかで異なる部分があります。
書面による贈与契約の場合、履行している部分はもちろん履行してない部分があっても各当事者(特にあげる側の贈与者)が一方的に解除する事が出来ません。
一方、書面によらない口頭での贈与契約の場合は履行していない部分の解除する事が出来ます。


贈与の種類 


贈与にはこの様な種類があります。

●定期贈与
 定期的に一定額の給付を目的とする贈与
(例)毎年100万円ずつ贈与する等

●負担付贈与
 贈与を受けた者に一定の負担を課す贈与
(例)3,000万円の土地をあげるけど、その代わり2,000万円の借入金を負担する等

●死因贈与
 贈与する者が死亡して効力が発生する贈与
(例)貰う時点で贈与者が死亡している(相続税の課税対象)


贈与税の課税財産 


贈与税がかかる財産は大きく2つに分ける事が出来ます。

●本来の贈与財産
 贈与によって取得した
金銭に見積もる事のできる経済的価値がある物
(例)現金、預貯金、土地、家屋、有価証券等

●みなし贈与財産
 贈与によって取得した本来の贈与財産以外の物で、贈与財産とみなして贈与税が課税される物
(例)生命保険金、債務免除、時価よりも著しく低い贈与

※債務免除は返さなくて良くなる為貰ったのと同じ。
※ 時価よりも著しく低い贈与、これは本来
世の中では1億円で売買されてる物を1千万円で譲り受けた場合、差額がみなし贈与財産に。
※無償で土地を貸す「使用貸借」の場合は、土地借主の権利が弱いため、土地を使用する権利の価値がゼロになり、贈与税の対象外。


贈与税の非課税財産 


贈与にはそもそも税金がかからない非課税財産もあります。

●法人から個人への贈与
 贈与の定義は個人から個人の受け渡し。その為、法人から個人へ受け渡す場合には一時所得、もしくは給与所得として所得税・住民税の課税対象となります。

●扶養義務者からの生活費・教育費
 社会一般の常識として、相当と認められる場合には贈与税の非課税財産となります。

●香典、贈答、見舞金など
 社会一般の常識として、相当と認められる場合には贈与税の非課税財産となります。

●離婚による財産分与によって取得した財産
 社会一般の常識として、相当と認められる場合には贈与税の非課税財産となります。

●相続開始年に被相続人から受けた贈与
 贈与ではなく、相続の扱いに。
 


贈与税の基礎控除額


贈与によって取得した財産については、1年間で110万円を超えなければ、税金がかからず、贈与税の申告をする必要がない。
この基礎控除額110万円は受贈者ごと(貰う人ごと)に適応される。


贈与税の配偶者控除 


夫婦間で居住用不動産またはその取得資金の贈与があった場合、基礎控除110万円の他に2,000万円を控除出来る制度。

〈主な適用要件〉

●婚姻期間が20年以上ある事
 
●贈与を受けた配偶者が翌年の3月15日迄に
居住し、その後も引き続き居住する見込みの
不動産の贈与である事
 
●税額がゼロでも贈与税の申告書を提出する事
 

 

相続時精算課税制度


原則60歳以上の父母・祖父母から18歳以上の子・孫に対して財産を贈与した場合に選択できる制度。

〈ポイント〉
●適用するかは贈与者ごとに選択する
●贈与者ごとに累計2,500万円迄の特別控除額
 ➡︎超えた額については一律20%の税率
●相続時精算課税制度を一度選択して贈与するとその後暦年課税に戻る事が出来ない。
しかし、暦年課税からはいつでも相続時精算課税制度に変更が可能。


直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税制度


直系尊属(父母や祖父母)からの住宅取得等資金の贈与が一定額まで非課税になる制度。

〈主な適用要件〉
●受贈者が贈与を受けた年の1月1日に18歳以上でその年の合計所得が2,000万円以下である事。
●家屋の床面積が50㎡以上240㎡以下であり床面積の2分の1以上が居住の用に供される事


結婚・子育て資金の一括贈与係る贈与税の非課税措置


直系尊属(父母や祖父母)から教育資金の一括贈与を受けた場合に受贈者1人につき1,500万円まで非課税になる制度(塾等の学校以外の費用は500万円まで非課税)

〈適用要件〉
●受贈者が30歳未満の子・孫・ひ孫等である事
●受贈者の前年の合計所得金額が1,000万円以下である事


結婚・子育て資金の一括贈与係る贈与税の非課税措置


直系尊属(父母や祖父母)から結婚・子育て資金の一括贈与を受けた場合に受贈者1人につき1,000万円まで非課税になる制度(結婚関係の費用は300万円まで非課税)

〈適用要件〉
●受贈者が18歳以上50歳未満の子・孫・ひ孫等である事
●受贈者の前年の合計所得金額が1,000万円以下である事

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