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つぶやき

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大つぶ、小つぶ、いろんなつぶやき
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2020年6月の記事一覧

将来の夢

絵や工作が好きで「ダンボール屋さんになろう」と思っていたことがある。 とにかくダンボールで遊ぶのが好きで、ダンボールの可能性に宇宙を感じていた。薬局の裏口やマンションの資源置き場にこっそり通って手に入れた色々な種類のダンボールを、切ったり貼ったり描いたりしていよいよ粉微塵になって「いいかげんに片付けなさい」と母に怒られるまで遊び倒した。そんな風にダンボールと戯れている最中はたいてい誰にも茶茶を入れられずに一人の世界に浸れ、そういう「静」の中で黙々と「動」するという時間に居心

「なんの変哲もない」という癒し

「きみのキッシュはもはや親子丼と同じカテゴリーだ」 と、夫に褒められたのは昨晩の夕ごはんでのことだ。「褒めてるんだよ?」と付け足すあたりが夫らしいが、そう言われなくともア、わたし今褒められたんだわと思った。親子丼はその見た目、香り、食後の満足感、などどこをとっても隙がなく完成されているなぁと尊敬すらしているが、食べ終わる頃にはおなかもこころもすっかり羽衣で包まれるような気持ちになれるのが何よりの効能だと思う。 昨晩つくったのは、摘果メロンのキッシュだ。 ネギ1本分ときの

にぎやかな一人の夜

夫が熱を出したのでポカリスエットを買いに行った。 はじめは手作りしたイオン飲料を飲んでもらい、口に合わなかったらポカリ買いに行くよと断りを入れたがこれは飲めると言うので、1.5リットルのペットボトル1本分つくって枕元に置いておいた。残りが1/4ほどになった頃、やっぱりポカリ飲んでみようかなと小さく言うので、はいやっぱりそうよね。と頷きながら夫のファットバイクをかっ飛ばしてドラッグストアへ向かった。どんなに素晴らしい自然療法だろうと、長年身体に染みついた食べ物と飲み物の記憶と

ホヤを捌いて思い知ったこと

室蘭に住んでいる人生の先輩から、殻つきのホヤをいただいた。 「お祭りで金魚をとってきたからおすそ分けするね」というような見た目の透明なビニール袋たっぷりに、海水に浸かっている大きなホヤが一つ入っていた。 キッチンばさみだけで捌けるという動画を見つけ、一連の流れを見たら、「ああ、これならわたしにもできそうだわ」と思った。3%の塩水を用意して、いざ、ビニール袋に右手を入れ、ホヤを取り出した。 ホヤは、ぬんめりと重たかった。つい昨日まで生きていたという事実をまざまざと感じ、わた