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農家さんがなくなった日

先月、突然、すぐ近くの農家さんがなくなりました。
本当に突然のことで、きっと本人も予想もしていなかったはずです。

その農家さんが精魂込めて育てていたトウモロコシは、うちの畑のすぐそばですくすくと育っていました。
でも、もうその農家さんはいない。
作物はそのことを知りません。
毎日、太陽の光を浴びて、元気に育っていました。

そして、今日、いつの間にか、その収穫まであと数日というところまで育ったトウモロコシたちは、トラクターによって潰されました。

おそらく、畑の管理をお願いされた別の農家さんによるものでしょう。
しばらく生育管理に空白の時間が出来てしまったことで、追肥や害虫防除のタイミングを逃してしまったのかも知れません。

一つ一つ選別すれば、十分食べられるものもあったかも知れません。
でも、そこまで出来るほど後を託された農家さんも手が空いていない。
誰にとっても不測の事態だったわけです。

もったいない、という思いは誰にもあります。
でも、いまここで出来ることはこれだったということ。

このトウモロコシを、朝から暗くなるまでせっせと植えていたカンボジアから来たという農業実習生の男の子も今は見掛けません。
彼がずっと頑張って植えていたのを毎日見ていました。
屈託のない笑顔で挨拶をする子でした。
今はどこで頑張っているだろう。

ただ、このトウモロコシたちも、無に帰すわけではありません。
ここがこの先も畑として残る限り、また土に還り次の美味しい野菜の糧になるはずです。
そうしてずっとずっと農業は続いてきたんです。

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