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展着剤の話②

前回、展着剤の基本について触れました。

今回は、アジュバント(機能性展着剤)について触れてみようと思います。

っとその前に、前回、「アジュバン」と書きましたが、正確には「アジュバン」なんですね。ずっとアジュバンだと思っていました💧

アジュバントとは、「助ける」という意味を持つラテン語の adjuvare を語源とした言葉だそうです。
主材に加用して効果を高める物質を指すようです。
参考: https://vaccine-science.ims.u-tokyo.ac.jp/adjuvant/

農業においては、アジュバントとは機能性展着剤を指すことが主だと思いますが、そもそも展着剤自体が農薬に対してアジュバントの役割をになっていますが、さらに機能性が加わるとどうなるのか。

基本の展着剤は作物のクチクラ層に弾かれにくく濡れ性を高めるものですが、アジュバントはさらに以下の効果が加わったものを指すそうです。

  • 有効成分の浸透移行性促進

  • 溶出抑制

  • 薬害軽減

  • 濡れ性の更なる向上

  • 混用性の向上

  • 薬剤飛散の抑制 など

実に色々な効果があります。
アジュバントは色んなメーカーから販売されていますが、すべて同じ特徴を持つわけではなく、それぞれに上記の特性が異なっています。
例えば、浸透移行性の薬剤との相性がいいアジュバントもあれば、剤型によっての相性、除草剤専用のものなど。
使用する農薬や使用する作物に応じて、加用するアジュバントも選ぶ必要があり、これがとても重要だったりします。

BT剤のように、浸透移行性のない薬剤に浸透移行性を高めるアジュバントを加用してもほとんど意味がないように、その農薬がもっとも相乗効果を高められるアジュバントを選ぶ必要があります。
意外と知らずに普通の展着剤と同じような感覚で使ってしまうと、せっかくのアジュバントがもったいないのです。(価格も高いし)

参考にJA全農ちば 営農支援部さんで作成したPDFを添付します。
ここには、濡れ性を指す湿展性のほか、薬剤のほぐれやすさを示す分散性、耐雨性を示す固着性、薬剤が均一に分散した状態を保つ懸水性などの機能性がまとめられています。
この資料以外にもまだアジュバントはありますし、ここに示されていない機能性もあるかも知れません。

また機会のあるときにアジュバントそれぞれの機能性を調べてみたいと思います。

資材店などでちょっと高いな、と感じる展着剤があれば、それはアジュバントかも知れません。

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