#24 The Color Purple 2016/12/2

号泣。一人で涙止まらなくなってしまってどうしようと思ったら両隣の人達も同じ状況でした。


The Color Purple (11/21/2016)

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2016年トニー賞ベストリバイバル作品を受賞した作品です。
アメリカ文学作家 Alice Walkerの小説がベースになっています。20世紀初め、黒人女性がまだ酷い扱いを受けていた頃のアメリカの物語です。スピルバーグ監督の映画があるので気になった方は是非。(かなりヘビーな内容なので、時間と心に余裕がある時に見ることをオススメします。)
舞台セット
1回も転換しません!Broadwayでは珍しいので驚きました。椅子がたくさん散らばっていて、これらの椅子を非常に上手く利用します。畑を耕す鍬になったり、ステージの台になったり、奥行きや高さを作るために色々な使い方をしていました。
歌の力
この作品のメインです。主役、アンサンブル関係なく全員が素晴らしい歌声の持ち主です。それが集まるわけで、凄いパワーなわけで。観客が拍手せずにはいられない、感情を抑えずにはいられない、それくらいの力がありました。泣き叫ぶように歌うシーンも多々ありますが、その泣き声が美しいのです。心にグサグサ刺さります。150%の表現。1000人の観客それぞれの心に向かっていく力が見えました。
ストーリー
作品のテーマとして繰り返されるセリフ"I’m here.“ Trumpが次期大統領に決まってさらに重要な意味を持つようになったと思います。ステージ上にいる役者は全員黒人で、観客も1/3は黒人だったかな。人種だけではなく、女性の強さも同時に訴える物語なので、その点でも"I’m here."はキーワードです。アメリカ、ニューヨークだからこそ全面的に主張できて、みんなでシェアできる内容だと思いました。
African Music
黒人の労働歌から生まれたジャズがベースになっていますが、あるシーンではさらに彼らのルーツを遡ってアフリカの音楽を使います。アメリカとアフリカ、二つの故郷を持つ彼らの強さとそれを体現する歌声が印象的でした。

Then…

涙の訳ですが、もちろん美声の力にやられたというのもあります。しかし、ラストにかけて、主人公Celieの苦労がたくさんフラッシュバックされて、彼女が後ろにたくさん散らばった椅子を眺めだした瞬間、私はもう堪えられなくなりました。彼女がこれまで辿ってきた道を振り返って、何を感じているのかが彼女の背中からビシバシ伝わってきたのです。表情、そのまま口から出される歌詞、息遣い、音符1つ1つ、全てに魂が込められていました。
同時に宗教の力も切に感じました。みんなが同じ感覚を持っていて、Godの存在について知っていて、彼からのgiftに感謝する。私はクリスチャンではありませんが、それでも響いてきたということは尋常ではないパワーが発信されていたのでしょう。

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Be Hope, Be Mare!

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