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唖然茫然ヤバすぎた「稀人マルシェ」を振り返る。

昨年の12月18日、19日と恵比寿のギャラリー山小屋で「稀人マルシェ」を開催した。想像をはるかに超える結果となったこのマルシェについて、忘れないうちに振り返りたい。

企画した理由

僕は「稀人ハンター」と名乗り、規格外の稀な人の発掘、取材を生業としている。これまでどれぐらいの稀人の取材をしてきたのだろう。数えたことはないけど、100人超はいると思う。

そのなかには、とんでもなくおいしい食べものや飲みものを作ったり、プロデュースしたりしている人も多い。それは言わずもがな、僕が食いしん坊バンザイ!だからである。

数年前から、稀人が作った絶品を集めてマルシェをしたら面白そうと夢想するようになった。僕と同じようにおいしいものが好きな人たちはマルシェで未知の出会いを楽しんでくれるだろうし、稀人たちを応援することにもなるからだ。

想像するだけで、ワクワクした。でもなぜか、まだ早い、という思いもあったんだけど、ついに時は満ちた。今年の秋に発売した『農業新時代 ネクストファーマーズの挑戦』が、背中を押してくれた。本のなかで紹介しているおいしいものを、「読みながら味わう」という体験をしてもらいたいと思ったのだ。

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どうせやるなら、本に出てくるものに限らず、普段はなかなか手に入らないもの、まだあまり知られていないけどイチオシなもの、存在自体が希少なものを集めたい。僕がイメージしたのは、2日間だけの食のワンダーランド。頭に思い浮かんだ7人の稀人に声をかけた。

すると、みな超多忙にもかかわらず、「なんだかおもしろそう!」というノリと勢いだけで快諾してくれた。その結果、声を大にして「おいしい!」と言えるものが集まった。稀人セブンを紹介しよう。

・3年待ちの超人気!丹波の山奥で通販専門パン屋「ヒヨリブロート」を開く塚本久美さん

・女性職人として初の日本一に輝いたチーズ界の超新星、「チーズ工房 千」の柴田千代さん

・世界一のピーナッツで究極のピーナッツバターを作る「杉山ナッツ」の杉山孝尚さん

・皮ごと食べられる栄養満点の国産バナナを生み出した田中節三さん

・世界のスターシェフを魅了するハーブを作る「梶谷農園」の梶谷ユズルさん

・5分で魂を吹き込む超絶技巧、「アメシン」の飴細工職人・手塚新理さん

・日本茶こそ、わが人生。スウェーデン出身の日本茶伝道師、ブレケル・オスカルさん

18日のオープン初日は、パンの塚本さん、チーズの柴田さん、ピーナッツバターの杉山さん、日本茶インストラクター、ブレケルさんの4人がギャラリー山小屋に駆けつけてくれた。

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会期は12月18日(水)、19日(木)の2日間。時間は15時から20時。やる気がないわけでなく、無理のない日程を組んだらこうなった。宣伝費はゼロ。フェイスブックページを作って自分のSNSで告知したのと、稀人セブンがそれぞれのSNSで紹介してくれた。

実は前日、パンの塚本さんから「ど平日の真昼間に開催して、ヒト来ますかね?」と言われていた。なにせ初めてのことなので、なんの確証もない。稀人セブンのうち4人が顔を出してくれるから、ぜんぜん来ないってことはないという確信はあったので、「いやー、どうなんですかね、きっとだいじょーぶでしょう!」となんの根拠もない返事をした。

ふたを開けてみて、驚愕した。オープン2時間前からお客さんが並び始め、オープン5分前にはながーい行列が。。。

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オープン直後の山小屋の様子。

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満員電車並みの混雑。なんとこれが2時間続いた。

スタート時点で外にいた僕は中に入ることができず、お客さんはおいしいものにくぎ付けで主催者の僕には興味がないので(笑)、外から「す、すごいことになってしまった…」と傍観するしかなかった。(お会計は、義理の妹とたまたま居合せた友人が担当してくれた。ありがたすぎる)

結局、塚本さんのパン140個と柴田さんのチーズ10個は20分で完売し、杉山ナッツのピーナッツバター80個は2時間で売り切れ、田中さんのバナナ(1本500円!)も50本が初日に姿を消した。

ここで反省点を挙げるとしたら、こんなに人が来ると思っていなかったので、仕入れた商品をすべて陳列してしまったこと。聞いたところによると、一般的なマルシェでは売るものがなくなったら困るので、初日、2日目とそれぞれ商品を確保しておくそうだ。例えばピーナッツバターを初日に40個、2日目に40個みたいに。そんなアイデアは1ミリも思い浮かばなかった。

2日目はハーブ、日本茶、飴しか売るものがなかった。しかも、稀人たちはみな初日だけの参加なので、対応するのも僕ひとり。なんとも心もとない布陣だったけど、稀人4人がそれぞれのSNSにアップしてくれた初日の様子を見て、「なんだかおもしろそうなことをやってるな」と思ってくれた人もいたようで、15時前からお客さんが来店。

予想外にお客さんが途切れることなく、ひとりでアワワ。接客、会計でアタフタしていたら、見知らぬお客さんが手伝ってくれたりという謎の状態に。そして閉店時間の20時、山小屋のなかは↓のような状態になった。

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仕入れた商品がただの1つも残らず、文字通り完売。主催者ながら予想外の売れ行きで、こんなこともあるんだな~とひとり感慨に浸った。詳しい売り上げなどは伏せるが、2日目に売るものがなくなったにもかかわらず、2日間で30万円超だったから、自分にとっては「大満足」の結果である。(※ここから商品の仕入れ代を支払うという自転車操業のイベントだ笑)

それにしても、広告ゼロでなぜこんなにお客さんが来て、こんなに売れたのか。稀人4人が来てくれたのはもちろん大きな理由だけど、ほかに考えられる要因は3つある。

①7人中5人は地方で活動しているし、品物がネットで気軽に買える状態だったのは1人だけ(当時)だったので、普段はなかなか手に入らないものがマルシェに並んだ。

②7人それぞれのファンが来てくれて、お目当ての商品だけでなく、ほかの商品も手に取ってくれた。パンを買いに来た人が、チーズとピーナッツバターを買って帰る、みたいな感じ。

③2日間に限定したことで、集中的にお客さんが来た。その様子をSNSに随時アップしたのでお祭りのような雰囲気になり、「希少なおいしいものが並んでる」×「なんだか楽しそう」というワクワク感が伝播した。だから、商品があまり残っていなかった2日目にも人が来た。

これはあくまで僕の個人的な振り返りなので、もしかしたら見当はずれかもしれないけど、楽しかったし売れたから、そんなことは気にしない。

終わってみて、この稀人マルシェをいろんなところでやってみたいと思った。ショッピングモールとか、もしくはシャッター商店街の一角とかでも面白いかもしれない。興味を持った方はぜひ、こちらからご連絡ください。

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『農業新時代 ネクストファーマーズの挑戦』は4刷18000部に!



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ジャンルを問わず「規格外の稀な人」を追う稀人ハンター。 1979年生まれ。03年よりフリーライターとして活動開始。06年にバルセロナに移住し、10年に完全帰国。デジタルサッカー誌、ビジネス誌の編集部を経て現在フリーランスエディター&ライター&イベントコーディネーター。
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