スタートアップが投資を受ける際に必ず知っておくべきこと

韓国でのVCに関する記事を読みましたので、その内容をまとめて共有

VCとしての気持ちで考える

LPの悩み

  • 全てのお金を自分で運用するのは難しいな、代わりに上手く運用してくれるところはないかな

  • ベンチャーキャピタルファンドに投資すれば利益がいいというけど、どのVCに任せればいいんだろう

GPの悩み

  • VCはホームランの可能性が高いけど、自分のお金だけでは難しい。投資資金をいただきたい

  • お金を失っても損ではないけど、それでは次の機会がない

  • 投資するのは大変。差別化を行い、エッジのあるファンドを作ろう。マザーファンドからは必ず取りたい。

出資者:LP(Limited Partner)
運用:GP

投資審査役の悩み

  • ただの社員(インセンティブはあるが、期間が長いし、いただけるという確信もない)

  • レファランスを大きくして、自分だけのハウスを作って、有名スタートアップやパートナに転職

  • いいポートフォリオを作るのがだいじ

  • IR段階ではスタートアップの代理人となる

VCはどのように稼ぐのか

  • 3~4年は投資、3〜4年は回収

  • Exit planの提示必要がある

  • VCはファンドサイズの年2%ほどを管理費用としていただく

  • あとで精算の際に成果補修を算定

  • 要求収益率(IRR)は6%~8%、普通は複利で6%、オーバーした利益に関しては20%が成果報酬

  • 管理費用などは費用として控除し、オーバーし利益に対して成果報酬をいただく

VC投資プロセス

  • 投資金、バリューを決める

  • どのVCと会うか意思決定、IR作成

  • 投資家MTG

  • IR

  • 投資審議

  • 財務調査

  • 投資契約

投資をいただくときに考えておくべきこと

今回のラウンドの投資金額

  • Burn rate + Run way

  • HR / Investment / Marketing Plan, Monthly Financial Projection

  • Reference check

  • 融資、支援金など他の資金調達金額予想

今回のラウンドの企業価値

  • 投資金基準10%~20%で逆算

  • 競業、類似BMを持ってる会社、Global Bench mark 調査

  • 財務的成果(MAU, GMV, 売上、営業利益, PSR)規範 Valuation

  • その他:前回のラウンド基準倍数、技術価値、核心人力(研究員、開発者)規範 

  • pre-money value: 投資前の企業価値、post-money value: 投資後の企業価値, 投資金+pre-money value

  • 普通株と優先株(CPS, RCPS), SAFEなどの株式の種類決定

一つのラウンドを長くするより、分けてバリューアップの方がいい可能性がある
会社の立場ではバリューが一番大事。
だが、どのような投資家からいただくのかも大事(有名ではないVCのバリューの信頼性、高すぎると次のラウンドが大変)
投資家の構成も大事

投資ラウンドの開始時期

  • Burn rate + Run way 基準6ヶ月前から

  • 一般的な投資ラウンド期間:投資家contact / IR配布、投資家MTG(2〜3ヶ月)、IR/投資審査/振り込み(1〜2ヶ月)

  • 時間が足りないほど、少ない投資家を会うほどネゴシエーションが難しくなる

  • 次のラウンドの時期を予想してみること

投資ラウンドに6ヶ月、技術開発・人材採用に3〜4ヶ月 -> サポートしてくれるチームが大事
事業と数字でボトルネックが発生する可能性があるので、シリーズAからはCレベルの人材が必要

SI(Strategic Investors) VS FI(Financial Investors)

SI

  • 確実に事業を支援

  • ラファランスにいい影響を及ぶ可能性がある

  • 事業成長を防ぐ可能性がある(競業の拡張を防ぐような投資)

  • 他の投資家が入りずらい可能性がある

  • SIの追加投資がないとそれだけでも大変

バリュエーションがM&Aにどのような影響を及ぶのか

高いバリューは否定的な影響を及ぶ可能性がある
上場市場バリューより非上場市場でのバリューが高い場合が多い

CASE : 30億バリューで投資をされたスタートアップが20億のM&A提案が来た時

M&Aが会社の成長のためになると判断した場合、経営者はM&Aしたいが、他の投資家は同意してくれない可能性が高い。
代表がすべきこととは30億バリューで入った金額が30%、持株率が10〜20%であれば、その株だけに対して300億バリューで認めるなどのネゴシエーションが必要。残ったバリューで初期投資家との議論。
この場合、一番譲るべきが経営陣と最大株主である。

IRに入るべき内容

どのような会社なのか、Mission, Vision, どの問題を解決したいのか

市場規模

  • 市場規模は単純な市場規模だけではなく、市場のトレンドと規模、どのように成長しているのか、market landscape(どのような市場で構成されてるのか)が大事、供給者市場、消費者市場、関連市場など

  • TAM、SAM、SOM活用

  • 競合に比べて優れてるところ、足りないところ、これから埋めていくところ、差別化

顧客説明

  • カスタマーを逃す場合が多い

  • PMFやペルソナ分析などを用いて会社の顧客が誰か、どのような特徴か、何を望むのかを入れる

  • 明確に説明(30代女性:X、どのような消費パタンで、どのような所得水準で、どのようなライフスタイル、どのようなことに反応をするのかなど)

BM

  • プロダクトとサービス

  • ビジネスモデルフレームワークとバリューチェーン

  • 図で説明やバリューチェーンの観点で価値が生み出す過程を見せるのもいい

  • どのように拡張していくのか

  • 核心競争力と差別化

ロードマップやファイナンシャルプランも大事
Appendixを上手く活用

価値評価

古典的な方法

  • 会計士やPEの領域ではある

  • DCF(Discounted Cash Flow)などがある

実務的に多いのはMultiple Method

  • 相対価値評価法

  • PER、EV/EBIDA, PBR, PSR

  • M&Aの際のPEはbuyout の交渉の際nEV/EBI DAが一番一般的

  • PARは売上は出てるが、利益の規模が少ない場合や赤字の企業が活用(メディアやcommerce)、マーケティングの費用がでかいので赤字になってる

  • プラットフォーム企業は取引額や売上がBMではない。よって、GMV基準で行う(プラットフォームはマーケットプレイスなど:coupang, musinsa, zigzag, brandi)

  • 取引額なない場合はMAUや会員数で決める

Market approach

  • 国外内類似・同種企業が同じラウンドでいくらのバリューで調達したのかを確認し、海外市場と国内市場を比較して決めること

その他の方法

PDR(Price Dream Ratio):会社の夢やビジョンで)

現地調査

  • シリーズAの前では現地調査はほぼ問題にならない。

  • 投資委員会の後や直前にいただく

  • 50万円前後

  • 2週間かかる(事前に決算などを用意すること)

  • M&Aや後半のラウンドでは大事

  • 前受金や前払金が多ければ確認してなくすことが大事(会計処理がうまくできてないと判断される)

  • 内部規定のないストックオプションは避けた方がいい(事後にしても大きな問題にはならない)

  • commerceは在庫資産が大事

NDAとタームシートは事前にもらうこと

  • NDA(秘密保持契約)を結ぶこと

  • タームシート(term sheet)を要請、投資IRをする前後に要

参考

韓国の記事:https://platum.kr/archives/169581


コメント

株式の種類はまた今度詳しく勉強する必要がある
日本語が間違ったところ、もっといい表現の提案がある場合コメントお願いします。

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