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【今週の1問】正解したい基礎問題(38回40番/人体)

免疫グロブリンに関する記述である。
最も適当なのはどれか。1つ選べ。
(1)IgAは、胎盤を通過する。
(2)IgDは、免疫グロブリンの中で分子量が最も大きい。
(3)IgEは、Ⅰ型アレルギー反応に関わる。
(4)IgGは、肥満細胞で産生される。
(5)IgMは、自然免疫に関わる。

解答 3
(1)IgGは、胎盤を通過する。
(2)IgMは、免疫グロブリンの中で分子量が最も大きい。
(3)IgEは、Ⅰ型アレルギー反応に関わる。
(4)IgGは、形質細胞で産生される。
(5)IgMは、獲得免疫に関わる。

免疫グロブリンに関する問題は、よく出る問題で、内容もほとんど変わらない(同じ部分を聞かれる)、正解したい問題です。

まずは基本情報から。
免疫グロブリン(抗体)とは、カラダの免疫に関わるたんぱく質の名前です。液性免疫(体液性免疫)を担当し、抗原(外部からの敵)を攻撃します。体内に侵入してきた敵をやっつけるブキみたいなイメージです。今も、私たちのカラダの中を流れています。

免疫の分類
・自然免疫(非特異的免疫)
・獲得免疫(特異的免疫)
  液性免疫(体液性免疫)
  細胞性免疫

・自然免疫は生まれながらに備わっている。敵を無差別に攻撃する。
・獲得免疫は、敵(抗原)を認識して攻撃する。獲得免疫には、液性と細胞性の2種類がある。
・細胞性免疫は、T細胞やマクロファージが敵を攻撃する
・液性免疫は、形質細胞が作った免疫グロブリン(抗体)で攻撃する

よって、「免疫グロブリン」と問われた場合には、まず「獲得免疫の液性免疫の話だな」と思い浮かべることがスタートです。

なのでここがわかれば、「(5)IgMは、自然免疫に関わる」はバツとわかります。

また、免疫グロブリンを作るのは、形質細胞(B細胞が変化したもの)でした。よって、「(4)IgGは、肥満細胞で産生される」もバツ。肥満細胞が作る免疫グロブリンはありません。

そして、この免疫グロブリン(抗体)には、5種類あります。

IgM、IgD、IgG、IgE、IgA

呼び方は、それぞれ「アイジー~」。
IgはImmuno globulin(イムノグロブリン)の略で、Immunoは「免疫」のことです。

特徴
IgM → 分子量が最も大きい、感染初期に増える(でかくて早い)
IgD → まだ働きが解明されていない(よくわからん)
IgG → 最も多い、胎盤を通過できる(数で関門を突破する)
IgE → Ⅰ型アレルギーに関わる(食物アレルギーの原因)
IgA → 母乳の免疫、血中の他に唾液や腸液にもいる(遠くに行きがち)
(5種類のブキがあり、それぞれ特徴が違うイメージ)

これを踏まえると、残りの選択肢も判断できます。
(1)IgAは、胎盤を通過する。→ 通過できるのはGのみ
(2)IgDは、免疫グロブリンの中で分子量が最も大きい。→ 大きいのはM。Dはよくわかっていない。
(3)IgEは、Ⅰ型アレルギー反応に関わる。→ その通り。

このような感じで、免疫グロブリンに関する問題は、どの免疫の話か?どこで作られるか?5種類の特徴の違いは?の出題がほとんどです。特徴の違いに関しては暗記要素が強いですが、似た入れ替え問題が多いので、繰り返して覚えていきましょう!


捕捉1
覚え方イメージ
「IgGは、数が最も多い(血中濃度がいちばん高い)」は、「ご(G)っつ多い(関西弁)」
「IgAは、母乳の免疫(初乳に多い)は、」「Aはアルファベットの最初なので、ヒトの最初の状態である赤ちゃんに必要」
「IgMは、分子量が最も大きい(5量体という言い方がされる)」は、「(M)は線の端っこを数えると5つある」
覚えられればなんでもOKです(笑)


捕捉2
誤文「(4)IgGは、肥満細胞で産生される」について
肥満細胞で産生される免疫グロブリンはありませんが、免疫の話で肥満細胞が登場することがあります。それは、IgEによるⅠ型アレルギー(食物アレルギーなど)が発生する場面。

Ⅰ型アレルギーの発生は、IgEが肥満細胞(マスト細胞)の表面に結合することから始まります。肥満細胞にIgEがくっつくと、ここからヒスタミンなどの物質が放出される。これが、アレルギー症状を引き起こします。つまり、肥満細胞からIgEが出るのではなく、IgEがくっついた肥満細胞がアレルギー物質を出す。この場面を理解できているか?という誤文の作り方です。

今日も勉強おつかれさまです。
marcy

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