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FEサイファの歴史・その2(5〜8弾)

引き続き、今回は5〜8弾について書きます。

1〜4弾の歴史についてはこちらからどうぞ。


■5弾(2016年6月23日発売)

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FEサイファが1周年を迎えました! そしてついに「封印の剣」が登場! 個人的にも、初めて遊んだFEシリーズということもあってすごく楽しみにしていました。

5弾はプレイヤーが最も増えたタイミングだと感じています。やはり「封印の剣」に思い入れのある人が多かったのと、原作のキャラデザインを担当した金田榮路さんが1cと5-4cロイを、封印の剣に合わせて連載されたマンガ「覇者の剣」を描かれた山田孝太郎さんが4-3cロイを描かれたということも大きかったんじゃないかなと思います。もちろん、「暁の女神」のミカヤ、サザの登場も影響は大きかったでしょう。

実際、5弾発売後のショップ対戦会では初めて見かける方がたくさんいましたし、「封印の剣が収録されたから買いました、始めました」という方もけっこういらっしゃいました。また、女性の方も一気に増えた印象があります。個人的には、4弾以前と5弾以降はガラッと雰囲気が変わったかなと感じています。

「人が増えた」繋がりで余談ですが、当時東京へ遊びに行くときにいつもお世話になっていた友達が、東京のサイファキャラバン(5弾発売から2ヶ月後に開催されたイベント)をきっかけにサイファを始めてくれたのが嬉しかったですね。また、その友達から派生して何人かサイファを始めた・興味を持ってくれた人もいますし、上手く広がってくれて良かったと今では思います。

ちなみにそのサイファキャラバンでは、プロデューサーの川出さんが6弾のカードをいち早く使うエキシビジョンマッチが行われました。そこでは新しい1cベルカ(対戦直前にツイッターにアップされてましたね)や1cピエリ、3-2cフュリーなどが使われ、新カードの効果に驚きつつ観戦していました。

プレイヤーがたくさん増えたこともあってか、5弾では使われるデッキにも多様性が生まれました。ロイ、ルトガー、ディーク、アレン、ランス、フィル、ユーノ、ミカヤ、サザ、サナキ、ワユ、ネフェニー…などなど。

なかでもワユに関しては印象的なことがあって、発売直後のあるショップ対戦会では自分の対戦相手とその左右の人が全員ワユを使っているということもありました…w 新たに種類が増えたことで使いやすくなり、使いたい人が増えたということでしょうね。

他によく使われてたカードは、弓攻撃紋章のウォルトやレオナルド、1c運び手のシャニー、1cティト、3-2cクラリーネ、3cファ、5-3cエリンシア、ハールの上級と下級、1cワユ辺りでしょうか。

特に3-2cクラリーネはカード紹介で公開されたときの騒がれっぷりは印象的でした。「絆1リバースで同列のカードを回収出来る!」「(いわゆる)乗り事故してる主人公の上級を回収出来る!」「回避札を回収出来る!」「必須やん!」等の意見があり、誰もが驚いてましたね。かくいう自分もこれは多めに持っておこうと追加で買った覚えがあります…w また、1cティトも攻撃しながらデッキトップの支援を確定、しかも支援力30を仕込めることが強力で話題になりました。

他にも5-3cエリンシアはデッキからクラスチェンジさせることが出来るということで、緑には必須だという声もありました。実際、手札に上級が来なくてもこれがあれば4〜5ターン目に大体クラスチェンジ出来ると考えると安心です。あとはハールの「昼寝」が退避から重ねるだけで味方を移動させられるのが手軽で上級・下級ともに4枚入ってることも多かったでしょうか。サナキとの相性も抜群だったので、一緒に見かけることが多かったです。

そういえばサイファ1周年記念という名目でSR+とR+が全て絵違いだったのも5弾の特徴でしたね。高レアリティの絵違いカードが登場したのはこの5弾からです。

また、この5〜8弾の期間は先行収録という形でR+Xというカードがこっそりと登場しています。いわゆるシークレット。5弾では4-3cエリウッドが該当し、7弾からの先行収録ですね。後衛の敵を引っ張りつつデッキトップを仕込めるということで当時めちゃくちゃ評価が高く、欲しがってる人はけっこう多かったです。

シングルカードの価格に関してはSRリリーナが高くて1500〜2000円ぐらいだったのと、シークレットのエリウッドが500円以上とか高いときで1000円弱、あとはRのファやエリンシアが数百円〜500円程度とかそんな感じだったと思います。キャラ人気でSRソフィーヤが少し高めだった覚えも。

しかしこれだけ盛り上がりを見せた一方で、神器はガチな対戦の場においては一部のカードが強力でデッキに組み込まれることはあれど、主人公として使われることは少なかったように思います。依然としてマルスが流行っていましたし、4弾以前の強力なデッキと渡り合えるほどの力が無いと評価されていたのかもしれません。

ちなみに「ショップ対戦会」という名称に変わったのはこのころです。それ以前は「ショップ大会」と呼んでいました。「大会」はガチなイメージがあって新規の方や初心者の方が行きづらいというのがあったんだと思われます。実際、後から入ってきたプレイヤーさんの中には「対戦会」と呼んでる方もけっこういらっしゃるので、上手く浸透してるし呼称の変更は成功だったと思います。

そしてサイファオリジナルキャラ枠に「ランド」が加わりました。何気に初の男性キャラ。


■6弾(2016年9月29日発売)

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ついに聖戦の系譜が収録です。ファイアーエムブレムシリーズで最もファンが濃い・熱意がある(当時の個人の印象です)と言われる聖戦がサイファに登場…! これは5弾以上にすごいことになるんじゃないか? と期待はしていましたが、実際発売されると5弾ほど人が増えることは無かったように思います。ちょっと期待し過ぎてたかもしれませんね…。

6弾ではSRのシグルドとアルヴィス(裏面はリョウマとマークス)の繋ぎ絵のポスターがショップ対戦会の参加者に配布されました。これはファンにとって非常に嬉しい特典。これ目当てでショップ対戦会に来られる方も少しいらっしゃいました。が、実際は「大きすぎて持って帰るのが大変…」という声もけっこうありましたw 何しろサイズがB2ですから、丸めた状態であってもカバンには入り切りません。とは言え、ショップ対戦会への参加を促す良いキャンペーンだったと思います。

さて、今弾は聖戦キャラの登場が目玉となっていますが、主人公としてよく使われていたのはアイラぐらいでしょうか。黒の新ギミック「竜脈」は上手く使いこなすのが難しかったからか、活躍したという話は特に聞きませんでした。

高かったシングルカードはSRのディアドラですね。初のノーコストで絆を表にするカードということで、公開当初から期待が高かったです。発売当日(深夜0時)のネット販売のシングル価格は2000円台後半でスタート、すぐに3000円台後半ぐらいにまで跳ね上がりました。シングル価格があまりにも高くて話題になるのが定番化(?)したのはこの頃からでしょうか。

地区予選の店舗予選…いわゆる「権利戦」システムが始まったのはこのころだったと思います。地区の代表を決める地区予選に参加する各店舗の代表となる人を決定する店舗予選…こう書くとかなり分かりにくいですよね…w とにかく、店で勝って地区予選に出られる権利を得るための対戦の場、が登場したわけです。当初は権利を得られるのは上位2名でした。つまり決勝で負けても権利はもらえたわけです。

これはぜひとも勝ち取りたい! と思って自分の行ける範囲の地域で初めて開催される店舗に行ってみると…平日にも関わらず20人弱も! このときはあっさり1戦目で負けましたが、後に別の店舗で2位となり権利を獲得出来ました。ここから権利戦の存在を意識して、そのシーズンになるとあちこち動き回る…という人が現れるようになったわけです。大変なものが始まってしまいました…!

ちなみに6弾タイトルの「閃駆ノ騎影」というタイトルはシグルドとマークスをあらわしています。閃がシグルド、影がマークス、駆と騎は馬編(うまへん)が付いているので騎馬ユニットの二人を指します。「ノ」は「/(スラッシュ)」的な意味で両者を対にあらわしてる…と、生放送で川出さんがおっしゃってました。

…6弾について書くことが少なめですが、それはあんまり覚えてないとか他に印象的なことが無かったという以外に、期間の短さがあります。6弾の発売が9月末、次の7弾発売が12月初頭と実質2ヶ月ちょっとしか無いのです。この秋は毎年期間が短いので、「もう次が出るの!?」「まだそんなに遊んでない…」という印象になりがち。スケジュールの都合上、しょうがないのかもしれませんね。


■7弾(2016年12月8日発売)

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FE烈火の剣が登場、これまた人気のシリーズが続きます。個人的にも封印とセットで好きなシリーズなので再び期待大。そして6弾の暗夜(黒)と対の、白夜(白)も強化です。

この記事を書いていて思い出しましたが、実は初のスターターデッキが発売しない弾でもありました。今じゃ年に1、2回が普通ですが、6弾までは毎回スターターも発売されてたんですよね。人気シリーズということもあって、「烈火のスターターを出してほしい」「烈火のスターターが出たらサイファ始める」という意見もいくつか見かけました。結局次の収録弾である13弾まで出なかったわけですが…それでも遊びたい人はいたようで、7弾でも新規プレイヤーがけっこう増えたように覚えています。

さて、今弾の目玉は「支援力X」。支援スキルに書いてあるとおりに計算して支援力を決定するものです。上手くいけば従来の最高支援力30を越える数字が出せたり、逆に支援力が低くなったりとピンキリな性能。これは強力だという声があった一方で、「計算に時間がかかって対戦のテンポを損なうのでは?」と懸念する声もありました。実際4-3cヘクトルや3−2cフロリーナの支援力を計算するために戦場のユニット数を「えーっと…1、2、3、4…」と数えることは何度もありました。ですが著しく時間がかかるものでも無く、懸念してたほどの影響は無かったです。

支援力Xが大きく影響を与えたデッキにミカヤがあります。ミカヤは自身が成長して枚数が重なっていくため、3-2cレベッカの支援力がとんでもないことになります。また、5-4cエリウッドが出撃コスト×10の支援力となるため、出撃コストが大きいミカヤとは相性抜群。かなり流行りました。

支援力X繋がりで4-3cヘクトルについても言及します。公開当初は「手札のヘクトルを1枚捨てるのに相手ターンまでとは言え、自身の戦闘力を+30するだけ…? 神将器でこれは弱すぎない?」「相手の盤面を減らす効果なのに、支援スキルは相手の盤面が多くないと数値が上がらないから噛み合ってない」と評価は微妙でした。「ほとばしる迅雷」に関しても「こんなん回避したら終わりやん」とか言われてた覚えがあります。しかし発売されて実際に使われた人の感想を聞くと「戦闘力100は硬すぎる! 攻撃が通らない…」「ニノで回収してアルマーズが強い」と、発売前の低評価はどこへやら、発売直後のショップ対戦会でヘクトル主人公デッキが優勝してたのもあって、すぐに注目が集まりました。

そのヘクトルの横で使われてた4-3cニノですが、こちらは発売直前の生放送で川出さんが対戦中にしれっと使って登場しました。ノーコストで主人公を回収しつつデッキトップを確定させられるという強力な効果もあり、「これは必須」という雰囲気が出来上がりました。そして発売当日のネット販売ではシングル価格3000円台スタート、すぐに値上がっていき4000円台にまでなりました。6弾でディアドラがかつてない高値になったばかりなのに、すぐにそれを抜いてしまいましたね。その後も値段は4000円前後をキープ、最高で4000円台後半にまでなったでしょうか。買取価格も最高で4000円を越えることもありました。元々キャラの人気も高かった(烈火の剣発売後に行われた人気投票で1位)ですし、それに加えてこの強力な効果ですから、需要が高くなる(値段が高くなる)のは自然な流れだったのかもしれません。

他に高かったカードは5−4cエリウッドぐらいでしょうか。4-3cヘクトルも強いと言われた直後は少し値上がりましたが、そこまででも無かったです。

7弾のカードを見てると、この後長きに渡って活躍するSR4−3cオボロが登場してることが目につきますが、発表時の評価こそ高かった(+10の条件がマルスはエリス限定なのに、オボロは弓ユニットなら誰でもいいという点)ものの、7弾発売からしばらくの間は使ってる人はほとんどいませんでした。自分が見かけたのは覚えてる限りで2回、発売日にショップ対戦会で使っていた人がいたのと、友達の主催した小規模の交流会で他の友達が使っていたときだけです。

ではオボロはいつから注目されるようになったのかというと、日本一決定戦 地区予選です。関東地区のプレイヤーさんがオボロ主人公で他は低コストのユニットをたくさん入れた(いわゆるウィニー)構築で地区代表という優秀な成績を残しつつ、そのデッキについて自身のブログで解説し、安価なカードだけで構築が出来るということで一気に注目されるようになりました。実際、これ以降オボロ主人公のデッキを使う人はめちゃくちゃ増えましたし、「オボロは安くて強いからオススメ」と新規の方に助言してるのをよく聞くようになりました。

他には7弾シークレット枠(R+X)の、9弾からの先行収録となる4-3cロイも強力な効果を持っていて、発売直前の生放送で注目されてました。そのため、ロイ主人公のデッキを使う人も一時的に増えました。

個人的には、高い壁を感じるデッキが使われるようになったのもこのころでした。2弾で登場した4-3cエリーゼのデッキです。毎ターン手札を増やし、相手のリソースを削りながら自身は神速回避とオーブ追加用のエリーゼを確保し耐久、盤面に強力なユニットを並べてからオーブを割っていくというもの。実際には6弾でエリーゼの種類が増えたりオーブを破壊出来る3-2cフォレオが登場したことで、身近なエリーゼ使いの友達が再び使っていたのですが、今回4-3cニノが登場したことでデッキトップにエリーゼを仕込んでエリーゼ効果でそれをオーブに仕込むというのが出来るようになったため、より強化されました。そこから他の人もエリーゼを使うようになり、近畿地区はエリーゼ主人公デッキがたくさんいる地域として有名になりました。


■8弾(2017年3月16日発売)

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1年ぶりの覚醒収録と、聖戦の子世代が登場です。今回の目玉はなんといっても屍王となったクロム。原作には無い「もしもこうだったら…?」という展開をサイファで表現したものです。敵のザコキャラである屍兵も登場、絶望の紋章によりどんどん戦場に増えていきます。ただ、この屍兵に関しても「対戦時間が長引くのでは?」と懸念する声もありました。ひたすら屍兵の壁が並び続けて倒し切れず主人公が後衛に居座って…戦闘力0の攻撃がひたすら続いて…ということでしょうね。確かにそういう状況も起こりましたが、屍デッキが流行って全ての対戦がそうなったというわけでは無いですし、さほど問題にはならなかったと思います。

8弾の発売前に開催されたサイファ祭の東の方ではエキシビジョンマッチが行われ、そこで川出さんが屍王クロムのデッキを使っていました。実際にどういう動きをするのか見られる良い機会でしたね。

ちなみに、後に「サイファの4の倍数弾は誰か闇堕ちしないといけない決まりでもあるのか」と言われることがある(誰が言い出したんだったかな…)ように、4弾ではハーディンが、8弾ではクロムが闇堕ちしています。(後の記事でも書くと思いますが、12弾ではアイクが暴走、16弾ではセリカが魔女になっています)

流行っていたデッキはというと…7弾に続いてオボロと、8弾発売直後の店舗主催の大型大会(いわゆるCS)で優勝した蒼井樹です。え、8弾要素は!? と思われるかもしれませんが、8弾のカードはしっかり使われていました。

樹に関しては、樹の横でミラージュのクロムを5-4c聖王クロムにクラスチェンジさせたり、そのクロムで他の味方…シンシアなどをクラスチェンジさせたり、その数あるクラスチェンジのタイミングで4-3cフレデリクを出撃させて、と高戦闘力ユニットを展開して攻撃するデッキです。フレデリクは公開当初「強いんじゃないか?」と言われつつも「でも支援10だし…」とも言われ、発売後のシングル価格は1000円以下だったんですが、実際に強いことが分かると一気に値段が上がって1000円以上にまでなりました。

オボロはウィニー型と、竜脈タクミや3-2cミコトなどが入った構築が引き続き流行っていましたが、青を混ぜて2cヴィオールが使われるタイプも登場しました。2cヴィオールは女ユニットを移動させられるので、それでオボロをクラスチェンジさせつつヴィオールがいるので戦闘力80に、と非常に相性の良いカードでした。

「黄色シンボルの話が全く出てこないけど、どうなってるんだ」と思われるかもしれませんが、お察しのとおり、聖戦旗のカードはあまり活躍しませんでした。今でこそ絆を回復するセリスや、デッキから絆を追加するユリアなど強力なカードが多く収録されていて魅力的ですが、当時はあんまり使われていませんでした。ユリアに関しては「ディアドラの再来だ!」とばかりにシングル価格が高めにつけられていましたが、だんだん値下がっていったように記憶しています。

他に流行っていたデッキは、これまた7弾に続いてエリーゼやミカヤでしょうか。シングル価格が高かったカードは先ほど挙げたフレデリク以外だとルフレ女とインバースぐらいですかね。

…と、8弾についてよく知ってるような風に解説していますが、自分自身はサイファをほとんどやっていない時期でした。ここで書いてるのは8弾発売直後と、外から見てた範囲での記憶です。

というのも、発売から少し経った3月の末に「なんかあんまり楽しくないなぁ」と感じるようになり、そのタイミングで他の人たちとの間で「ポケモンカードをやろう」という流れになって、それ以降2、3ヶ月ほどポケカに没頭することになります。なのでこういう記事を書きつつも、8弾に関しては量が少なめです。他の方にも当時の様子を訊いてみることをオススメします。


■2年目まとめ

2年目はなんといってもプレイヤーが一気に増えたことが大きいです。具体的には5〜7弾。改めて封印の剣と烈火の剣の人気には驚かされます。20弾時点で過去を振り返ると、サイファはこの時期が最も勢いがあったんじゃないかなと思います。

流行のデッキに関しても、1年目によく使われていたデッキのいくつかは少しずつ見かけなくなり、新たにミカヤ、エリーゼ、オボロが登場といったところでしょうか。また、プレイヤーが増えたこともあり「好きなキャラをずっと使い続ける」という人も目立つようになった印象があります。もちろんカードプールが増えて新たに登場したキャラ、主人公に出来るキャラが増えてるので自然な流れでもあるのですが、プレイヤーに多様性が生まれたのが大きいかなと思います。

1年目よりも長くなりました。次は3年目(9〜12弾)です!


■※2020/4/6追記

各弾のリンクを商品情報ページへのリンクに差し替えました。


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