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データで振り返る2021年のジェフユナイテッド千葉

今季をデータで振り返るJリーグの公式サイトを参照して、あれこれ書いていきたい。

◆ゴール

見木友哉(23):14得点 リーグ5位

リーグ5位の見木がジェフに残留。得点ランク1位のルキアンと2位のウタカはクラブをJ1に導いた。その2人が抜けたことで、見木はJ2トップ3に入るスコアラーとなる。彼が来季も二桁得点達成することを期待しつつ、可能であれば最前線の選手がジェフで得点王を獲得してくれることを望みたい。

今季の見木は右足で8得点(リーグ10位)、左で2得点、そして頭で4得点(リーグ4位)を決めた。172cmと上背があるタイプではないが、エリア内での得点能力が目立ったシーズンで、来季もサイドハーフよりはシャドーストライカーもしくはツートップの一角としてプレーして欲しい。

◆アシスト

風間宏矢(28):9アシスト リーグ5位

リーグ5位の風間がジェフに加入。彼より上位の選手は去就未定のアシスト王・高木善朗以外が全員来季J1でプレーすることになる。アシスト能力が不足していたジェフにとっては想定できる限り最高の補強になった。

昨季は10得点6アシスト。今季も1試合平均敵陣パス数がリーグ16位、試合平均チャンスクリエイト数がリーグ18位とJ2有数のアタッカーであることは間違いない。

来季は右サイドハーフ/ウイングバックの座を福満と競うか、見木と並ぶツーシャドー起用になるだろう。これまでの尹晶煥のスタイルでは水沼宏太の役割が求められるイメージだが、どちらにしても彼のキック精度を高さを活かせる良いクラブを選んだと考えている。

◆シュート数

見木友哉(23):66シュート リーグ7位

見木のシュート数の多さは当然チームトップ。常にゴールを狙う姿勢は他のアタッカーにも良い影響を与えるだろう。昨季の見木はセンターハーフとしてチャンスメイクを得意としていた印象だが、トップ下起用で大化けした。ポジション変更によって選手の特性を引き出すのは尹晶煥が以前から得意としており、山村和也がその代表格だったが今後は見木のその一人に数えられるだろう。

◆パス数

ランクインした選手はおらず、そもそも尹晶煥就任後のジェフはチームとしてパス数が少ない(リーグ20位→リーグ14位)。なお2019シーズンのパス数チーム1位は熊谷アンドリュー。タックル数・インターセプト数でもチームトップと当時は完全なる中心選手。今季も田口泰士とのコンビに大いに可能性を感じただけに年間通してフル回転を期待したい。

田口泰士は2017年にJ2名古屋でリーグ2位のパス数を記録(成功率87.5%)。2018年にもJ1磐田でチームトップのパス数。田口と熊谷の2人がいて「繋げない」なんてことはないだろう。

また守備ラインにキックの良いレフティーの佐々木翔悟を獲得。特に左利きが不在で左サイドでのビルドアップに苦労した点を改善したい。

◆クロス数

ここでもランクインした選手はおらず、チームは補強ポイントとした。左に秋山陽介、右に風間宏矢というクロッサーを獲得。今季は福満隆貴がクロス数でチームトップ、後半戦に左ウイングバックのレギュラーとなった末吉塁が1試合平均のクロス数でリーグトップ。

来季も左から攻める形になるならば、特に秋山のクロス数はリーグトップの水準になるはず。2018年(当時J1名古屋)の秋山はクロス成功率17.2%、ドリブル成功率32.6%と「まあまあ」な指標だったが、カテゴリが下がったことに加えて自身の成長も生まれ育ったクラブで見せて欲しい。

◆チャンスクリエイト数

風間宏矢(28):55回 リーグ7位
見木友哉(23):51回 リーグ10位

風間と見木がリーグ10傑に入っており、来季のジェフは彼らを中心とした攻撃になるだろう。彼らをトップ下に並べるのか、両翼に張らせるのかは注目。ちばぎんカップが開催されれば楽しみの一つになる。

なお、見木はセットプレーのキッカーも務めたが、同じくセットプレーのキッカーだった船山貴之が退団したことで見木以外のキッカーが不在となる(FKは田口もいるが)。高木俊幸など新たなキッカー発掘が求められるかも知れない。

◆ドリブル成功数

ドリブル数はリーグ19位からリーグ10位に良化したが、為田大貴というドリブラーがJ1移籍のためリーグを代表するようなドリブラーは不在。風間宏矢もチームでのドリブル数(シュート数も)1位だが成功率が高いタイプではなかった。

来季楽しみなのが、今季のジェフでドリブル数チームトップのサウダーニャと新加入の高木俊幸。サウダーニャのテクニカルなドリブルは周囲との連携が取れてくればさらに面白い。高木俊幸のキレのあるドリブルとスピードはJリーグでも屈指。2018年にはJ1セレッソ大阪でチームトップとなるドリブル数で成功率63.0%と非常に高い数字を残した。

◆空中戦勝利数

櫻川ソロモン(20):141回 リーグ7位
鈴木大輔(31)  :137回 リーグ10位

ジェフの秘宝・櫻川ソロモンという驚異。鈴木大輔の半分以下の出場時間でこの勝利数。空中戦で無双を続けた。日本サッカー界のためにもこの才能は絶対に育てなければならない。ジェフには川又堅碁というやはり空中戦に強いストライカーがおり2017年に敵陣空中戦数リーグ3位、同じく2018年にはJ1で空中戦勝率53.8%。パトリック、ジョーに次ぐ日本人選手トップの敵陣空中戦数だった。

個人的に昇格のラストピースとして外国人ストライカーの補強も望んでいるが、現時点でも空中戦に強いFWを揃えているのがジェフの特徴になっている。結果オーロイ。

◆タックル数

見木友哉(23):105タックル リーグ6位

ここが見木の凄いところ。シュート数だけでなくタックル数がチームトップ。リーグを代表する守備型アンカーたちと顔を並べている。堅守速攻の尹晶煥スタイルだが、ボールを奪う位置が高ければ高いほど攻撃に迫力が出てくる。ボール保持にはこだわらないが、ボールを奪う位置にはこだわり続けて欲しい。

期待したいのは田口泰士。2018年J1磐田でタックル数リーグ4位、インターセプト数リーグ2位。また怪我が多くプレー時間が限られる小林祐介のフル回転を望みたい。千葉のヒシャルジソンになってくれ。

◆GKセーブ数

新井章太(33):64セーブ リーグ10位

今季は開幕から出遅れた新井だが、ビッグセーブを重ねてくれた。どうしても勝ち点に直結するポジションであるが、新井獲得以降はジェフのGKはリーグでも強みになっている。

◆クリーンシート回数

新井章太(33):17試合 リーグ1位

新井の実力を示す証明になるのが、完封試合の数がリーグトップであること。これまで重ねてきた不断の努力が千葉で花開く姿を見ることができるのは非常に幸せなこと。川崎フロンターレでは36歳の鄭成龍が契約更新。新井にもあと5年はバリバリの守護神でいて欲しい。

クリーンシート回数や失点の少なさは、ようやく守備の文化を手に入れたジェフが「堅守」と名乗れる要因である。あとはいかに「速攻」を決めるかで、今オフはGK陣や守備ライン、センターハーフは現状維持のチームとなっており尹晶煥のスタイルをそのまま継続することができる。

来季は尹晶煥サッカーの完成形が見られること、そしてそれが昇格という結果に繋がることを願って、2021年最後の日の記事を締めたいと思う。

本年も最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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