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医療的ケアをしながら働く1日

クラウドファンディングの活動報告の内容を「これが知りたかった」というお声をいただいたので転載します
記事は2022年9月14日のものです

医療的ケアって結局何するの、という疑問も多いことと思います。
そこで私の1日を紹介します。

7:00-7:15 生理食塩水の吸入と痰の吸引
7:15-8:15 ミルク(経管栄養)、投薬
9:30-10:30 訪問リハ(言語聴覚士or作業療法士)
   脳性麻痺の疑いがある子は関節が硬くなりやすかったりするので、1時間みっちり、体の歪みや呼吸のアシストをするリハビリを行います
10:30-11:30 訪問看護
   気管切開部のガーゼや栄養チューブを交換します。その他バイタルチェック、呼吸器チェックなどを行います
11:30-11:40 お店へ行ってアルバイトさんへのレクチャーや業務連絡
11:40-12:00 子どものお風呂
12:00-13:00 ミルク
      この間に昼ご飯
13:00-13:30 哺乳瓶やイルリガードル(哺乳道具)の洗浄
    日々時間がないので1日分を一気に洗浄し、消毒、乾燥機にかけます
14:00-16:00 お店からの呼び出しに行ったり来たりしつつ、経理業務、発注など
      途中、痰の吸引を何度か
16:00-17:00 ミルク、投薬
17:00 鎮静薬投薬、この時間でアルバイトさんが終わることもあるので、お店へ
   閉店までは家と行ったり来たり
19:00-19:30 閉店作業
19:30-19:45 夕飯
20:00-21:00 ミルク、投薬
21:00-23:30 経理業務、発注、デザイン業務、SNSの更新など、と私のお風呂、痰吸引
   よほど寝入っていれば15分以内でコンビニへ買い物(ベビーモニターは常時監視
23:30-23:45 生理食塩水吸入、痰の吸引
24:00-25:00 ミルク、投薬
25:20-28:00 睡眠(平均2時間半)
28:00-翌7:00 数十分おき〜1時間おきに痰吸引(たまに朝まで寝てくれるときもあります)

だいたいこんな感じです。合間に子どもを抱っこして、関節が硬くならないようにマッサージをしたり、イチャイチャしたり笑

寝ていても、呼吸器が外れてしまうアラームが鳴ったり、痰吸引することを想定して?すぐ起きるので、睡眠もごくごく浅い。痰が溜まってきた時はセンサーなどもないので、とにかく"痰の音"がしたら反射的に起きる。小さく、ゴロゴロ・・・と独特な音で、本人もとっても苦しそう。放っておくと気道が閉塞してしまうのですぐさま吸引をします。
クラウドファンディングをスタートした後、7月の頭からこの生活がスタートしました。
クラウドファンディング前に想定していた通り、いや、それ以上に時間がない。
家の中でも、お店と家との間でもずっと小走り。
そして、当然お店には立てないし、お買い物もできない。なんならお店がなかったら看護師さん以外の人と触れ合う機会がありません。
本当はお散歩に行ったり、外の刺激を与えたりもしたいのですが、暑さと抵抗力の弱さ、そして痰吸引の頻度を考えると、できてないこともたくさん。
(バッテリー搭載の吸引機は申請中でまだ届いてないので、お外へ出ることが物理的にできないのです。あと支給の酸素ボンベが少なかったり。急に救急へ行くことがあったり、台風対策も含め、予備としてもっておく酸素の量はある程度確保したいので、余裕はありません)
ごはんも作る時間と余裕がないので、おにぎりだったり、インスタントやプロテインとかが主食。だから太る!→これが一番のストレス
2ヶ月も経つと、今度はとにかく寝ていないので呂律がまわらなかったり、日本語が出てこなかったり、数秒前の短期記憶も怪しい。水道を出しっぱなしだったり、さっき自分で何を言ったかも覚えていない。すごいです笑
アルバイトさんへも多大な迷惑をかけているはずなのですが、怖くてきけないし聞く余裕もなく・・・
広告代理店時代の社畜労働とニアリーイコール、いや、それ以上?笑

しかし、私のこれはまだましな方で、胃ろうがあったり、投薬でも治らない発作のある子など、いろんなパターンでもっと大変な方も多くいらっしゃると思います。
「これは大変だ」。なんだか他人事のようにびっくりしてしまいました。
仕事しながらひとりで医療的ケア児を育てるのってこれは疲弊するしかない。
シングルで個人事業主で医ケア児の保護者さん、ほんとうにどうしてらっしゃるんでしょうか・・・
いや、会社員だと逆に成立しないですよね。お店があっただけ、私はまだ準備もできたし、対処もできるのでマシな方です。そこで同様の立場の人たちの助けになれれば、という気持ちはより強くなったと思います。
ただ、今は私自身がものすごくポンコツなので、とりあえず目下目標はアルバイトさんを育て、ヘルプをすることなく、お店をまるっとお任せすること。
そこでお昼寝が少しでもできれば、疲労が全然違うはず。
そして、私がまともに戻れば、アルバイトさんがより仕事をしやすくする工夫や、
業務改善など色々できるはず!という良いループを期待しています。

こないだ、看護師さんが2時間、時間をくれたので、メイクマンに行ってきました!
ケア生活始まってから自由な時間ができたのは初めてで、大興奮。
シャバの空気がこんなに美味しいなんて笑
国道が広くなっていてびっくりしました。
ふつうのことが、こんなにありがたく感じるのは、ちょっといいことかもしれません笑


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