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行動力は主人公体験の最大の敵である

あけましておめでとうございます、三月です。2021年こそは、オモチロイ体験がいっぱい出来るといいな、と思っています。そのために自分から様々なイベントに足を運んだり、知らない世界に飛び出していったりしt……

馬鹿か!!!!
主人公たるもの、やっぱり最大の願いは「巻き込まれ型」だろ!?!?

■主人公はどこまで自発的に物語を始めるのか

昨年話題になったものに「主人公の暮らした村を焼くのは物語の簡単スターターキット」という物がありました。たしかに、旅立つ理由を簡単に作ることが出来、敵との因縁もあっという間に深まる、ミラクルハッピーセットです。
主人公が旅に立つ、ないしは物語を始める理由は、かなりの場合「巻き込まれた結果、主体的に動く」ものとは言えないでしょうか。

たとえば、ARGの世界でたとえ話に使われる「ラビットホール」の語源でもある不思議の国のアリスにおいて、主人公であるアリスは時計を持って日本足で走る白ウサギを見つけ、白ウサギを追いかけた結果不思議の国に続く穴に落ちていきます。彼女は自らウサギを探し求め、ウサギを追いかけたのではなく、ウサギを見かけて追いかけます。

わかりやすく「魔王退治に旅立つ勇者」を例にして考えてみましょう。

完全主体的な主人公の場合は、たとえば「魔王退治のお触れを見かけ、自ら勇者となるべく国王に拝謁し、勇者としての任を受け魔王退治に旅立つ」なんてストーリーになるでしょう。

巻き込まれた結果主体的な主人公の場合は、たとえば「勇者の末裔である主人公が、16歳の誕生日に魔王退治の任を受け旅に出る」とか、そんな感じでしょう。

完全受動的というか、完全巻き込まれ型は「魔王軍に生まれ故郷の村を燃やされ、否応なしに魔王退治の旅に出ることになる」あたりでしょうか。

私の大好きな漫画である魔法陣グルグルの1話には、主人公の勇者・ニケの父親のこんなセリフがあります。
「今の世は魔王がいる、幸せだー!!」
若い時分に魔王を倒すべく修業を重ねたが、肝心の魔王がいない、だから勇者には絶対になれない。しかし、魔王がいる今の世の中ならば魔王を倒し勇者になることが出来る。まさに真理。

■物語を引き寄せよう

体験型イベントであったり、主人公体験を謳うコンテンツにおいての最初にして最大の満足度は、出会い方と言ってしまっても過言ではありません。

自ら恋い焦れ、探し当てたイベントが面白い。それはとても素晴らしいことです。しかし、真に主人公体験を追い求めるのであれば、もっと劇的に、劇的でなくても偶然的に出会いたいとは思いませんか?

「耳をすませば」において、月島雫と天沢聖司が図書カードを通じて出会ったのではなく、読書好き合コンで出会ったとしたら、私達は「同じ2人の人間が出会った」という事象にも関わらず別に面白みを感じないのではないでしょうか。

だからこそ、ラビットホールが欲しい。

物語を引き寄せなければいけない。

ウサギの穴に落ちる、トラックに轢かれて異世界に転生する、わけも分からず同じ1日が繰り返されだす。

巻き込まれた後は頑張るから、巻き込まれるまではそっちが頑張ってほしい。

■今年もよろしくおねがいします

こういうやつに参加したいので、誰か作ってくださいおねがいしますなんでもしますから


三月ちゃんをいろんなイベントに出張させることが出来ます。ヤバそうなイベントに自分で行く気はないけど誰かに行ってきてほしいときに使ってください。