何回も観る大作と一度しか観ない感動作
このnoteを書き始めている今は2022年1月7日金曜日。金曜ロードショウでは「千と千尋の神隠し」が放映されている。
言わずと知れた超大作。今から20年前の2001年に公開され、歴代興行収入は一昨年公開された「鬼滅の刃」にトップの座を譲りはしたが第二位の316.8億円。地上波放映回数も10回目を数えている。
まったくテレビを観なくなって久しい今でも、再放送されるたびに「なんとなく」チャンネルをあわせてしまう中毒性。その上、Blu-rayをBGVとして流していることもある。
たしかに面白い。観ていてこころに響く「なにか」がある。
観終わったあとの「あ〜、よかったぁ〜!」「面白かった〜」という後味の良さ。喜怒哀楽で言うところの「喜」。
これからも再放送される度に「観よう!」という気持ちになれる作品である。(20年も前の作品にも関わらず)
一方で圧倒的に感情を揺さぶってきたにも関わらず、「二度目は無い」と思わせる作品も存在する。
喜怒哀楽の「哀」、涙なしには観られない作品がそれにあたる。
そのタイトルは二作品あり、ともにひとの生命を扱ったもの。
同様の悲しい結末を扱った作品もそれなりには観てきたが、わたしの中でこの二作品は文字通り桁がちがう。
さすがにいい歳をした大人である。どれだけ作品に没頭しようが、心の奥深くを刺激されようが、大衆の面前では「目頭が熱くなる」か、よくて(なにがいいのかわからないが)「目に涙を浮かべる」止まりのはず。
それが、目から大粒の涙が溢れ出し、止める気にもなれなかった。
『ひとは他人のことを「かわいそう」だと思っても涙は出ない。その他人事を自分のことだと思い込んだときに本当に悲しくなり涙する。』
というのがわたしの持論。
その物語の主人公がおかれた境遇をあたかも自分がおかれた境遇だとどこまで思わされるか、である。
ただし、これだけこころの奥深くをえぐられ、大の大人が涙をボロボロ流しながら観た作品でも二度目を観ようとは思えない。
いや、こんな作品だからかもしれない。
最後にその作品について。
その作品のひとつは「象の背中(2007年)」、もうひとつは映画ではなくテレビドラマ「グッドライフ〜ありがとう、パパ。さよなら〜(2011年)」というタイトル。
作品の詳細にはあえて触れませんが、興味が湧かれたら一度ご覧になって感想をお聞かせいただければ嬉しいです。
有料記事について調べていて思いました。有料記事は書き手が作品に価値を見出している。他方、サポートは読み手が作品に価値を見出している。自分以外の人から認めてもらえる、そんな文章をこれからも。