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アンジェが私にくれたもの

 こんにちは、marbleです。ロッドさんに勧められて、僕も想いを綴ってみました。アンジェが私に、そしてマリノスにくれたもの。自分らしく伝えたいと思い、あえて口語体で書いています。拙い文章ですが、よければ読んでいってください。


『一貫性』

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 ボスと共に歩んだマリノスの3年半を一言で表すなら、僕はこの言葉だと思う。

 一度も降格したことのないマリノスが残留争いをした1年目。何回自陣のビルドアップのミスから失点したかわからない。でも、同じ失点をどれだけ積み重ねようとも、チームはやり方を変えなかった。当時、僕は「何回同じミスしたら気が済むんだ。」と思っていたし、周りも同じような声が多かったことは確かだったから、美化できることではないと思う。「うまくいくまでは時間がかかる」「今は我慢の時期」。結果が全ての世界でそう言い聞かせ続けることは簡単じゃない。でも、ボスは残留争いの渦中でさえ自分の道を信じ、チームに示し続けた。そしてチームもそれに応え続けた。そして1年後、「見たか!」と言わんばかりに6万人の観衆の前でシャーレを掲げた。そしてボスが退任するその日まで、チームが目指すスタイル・メンタリティがブレたことは一度もなかった。

 なぜあそこまでボスを疑うことなく進み続けることができたのか。

 以前まで僕は、監督としての信頼というのは結果が伴って初めて得られるものだと思っていた。しかし、ボスは違った。いや、自分が違ったんだ。

 信頼は、"一貫した信念"と"進み続ける姿勢"から得られるものなんだ。

  結果で信頼を得たんじゃない。"信念"と"姿勢"をチームが信じ続け、そして結果につながったんだ。すごいものを見た気がした。一点に向かって迷いなく進んでいくことがどれだけ人の心を動かすのか。サポーターという主観と客観の狭間でそれを目の当たりにした。


『ファミリー』

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 「アンジェが私にくれたもの」と聞いて一番最初に浮かんだ言葉だ。

 言葉を並べて意味なんてない。そんなことはとうの昔に気づいてる。大事なのは、そこに潜む気持ちであり、心だ。マリノスは今、少しづつだが確かに"ファミリー"の精神がクラブに根付いてきている。それはやはり、ボスがチームにファミリーの意識を植え付け、主将・喜田拓也を中心に、チームが言葉だけでなく行動で示しているからだろう。その意識は、チーム内だけではなくサポーター、さらにはスポンサーなどマリノス全体に波及した。

 強豪になるためには、ファミリーである必要はないのかもしれない。世界を見渡したって、強豪と呼ばれるチームにおいて結果を残せない選手・クラブへの風当たりは実に厳しい。そういう環境の方が、強くあり続けるにはのかもしれない。

 でも、ボスは"ファミリー"になることを選んだ。マリノスらしく強くなるために、そしてそれがそのまま"マリノスらしさ"になるように。仲間を信じてチャレンジし続ける。その結果がミスだとしても、背中を押し続ける。それがファミリーだろう。今のマリノスには色がある。ボスが導いてくれて、クラブに関わる全員でつくった色だ。この色は絶対に褪せちゃいけない。

『自分を超える』

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 ボスが指揮を執った3年半は、ほとんど自分たちと闘っていた気がした。相手を超えるというよりも、自分たちを超えなければならない試合が多かった。選手やチームが向上心を持って臨むというのは、当たり前のことだろう。でも、マリノスのはどこのクラブよりそれが詰まっていた。それは、チャレンジし続けたからではないか。チャレンジし続けたからこそ、たくさんの壁にぶつかった3年半だった。そしてその壁を越えて強くなろうという姿勢をたくさん見せてくれた。本当に密度の濃い時間だったと思う。

 壁を越えるのは自分しかいない。だから自分で考え続ける。人に与えられてできたって、それは成長と呼べるものではない。"主体的"に。自分で考え、自分で越えていくのがチャレンジなんだ。そうやって人は成長していく。そう教えてくれたのもボスだった。

 この試合は、僕が2020年で一番好きな試合だ。前半40分に高丘が退場し、首位相手に早々に数的不利となる。53分に先制を許し、一方的な展開になると思われた。しかし、そんな僕の想像とはかけ離れた試合となる。マリノスは互角以上の試合を繰り広げたのだ。。59分にコーナーキックから追いつくと、そこから勢いを増す。数的不利でも後ろから攻撃を組み立て、川崎のプレスを剥がして前線のエリキとジュニオールサントスにボールを供給し、チャンスを作っていく。10人でできることを選手が考え、ピッチで体現していく。ポジショニング、パスの選択とその精度、カバーリングなど、全てにおいて今までのレベルを超越していた。目の前の壁を、今まさに越えようと、いや越えながら闘っているのを、言葉も出せずに見ていた。終了間際に勝ち越され、負けた。悔しかった。でも、出てきたのは感動の涙だった。

 ボスのチームでなければ、あんな試合は見られなかった。壁を越えてみせる、その気持ちがひとつになって生まれた最高の試合だった。

 終わりに

 ここまで読んでいただきありがとうございます。最後は自分のこれからへの思いを書こうと思います。

 若いうちにボスに出会えて本当に良かったと思います。自分が大人になるにつれ、自分以外の何かを信じたり、何かに本気で挑んだりすることが難しくなってきました。でも、綺麗事だと言われようが、信じることをやめないことを教えてくれて、僕の人生観は大きく変わりました。ボスからもらった信念を胸に、未来に向けて少しずつですが動いています。

僕は、マリノスが壁を越えていく瞬間を見るのが一番好きです。だから「これからもチャレンジし続けてほしい。上で過去形で書いたことを、マリノスの色として、伝統として繋いでほしい。そしてサポーターである僕も、マリノスらしくあれるように背中を押したい。」そう思っています。

 アンジェが私にくれたもの、それは「マリノスへの愛」でした。

 彼の次のステージでの成功を願っています。そして、マリノスのこれからのチャレンジを楽しみにしています。 

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