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AV(オーディオビジュアル)黎明期の話-ドルビーサラウンド

皆さんこんにちは。
さて今日は遥か昔、札幌在住時に経験したドルビーサラウンドの話をしていきます。



・オーディオビジュアルシステム黎明期

1984年の大学卒業後、以前勤めていた会社で入社後直に札幌支店赴任を命じられ5年間在住しました。”住めば都”とはよく言ったもので食・自然・環境etc本当にいいところだった。
大学を卒業するまで脛をかじっていた小僧にとっては社会生活の厳しさを思い知るためにもとてもいい経験になりました。

その頃、初めて”HI-VI”(ハイヴィと読む)という言葉が使われはじめ、同名の専門誌(今もある)がStereo Sound社から発刊されました。

Hi-Vi創刊号…懐かしい

そんなこともあり手持ちのオーディオとTVを組み合わせる人がごく一部であるが現れはじめました。所謂AV(オーディオビジュアルシステム…アダルトなんちゃらではない)のはしりです。

・SONY PROFEEL-PROの登場

丁度その頃、SONYの「PROFEEL-PRO」というチューナーどころかスピーカーさえも内蔵しない(アンプは内蔵していた)まさしく画面だけの”モニター”が発売されました。仕様はハイビジョン誕生前のNTSC方式(昔のTV)です。
はじめて観たときの衝撃はすごかった。
プロユースがそのまま民生用に販売されたようないで立ち…とにかくかっこいい!
当時確か入社2年程度だったと思いますが、ボーナスを全て注ぎ込み買いました。ぼくが写真をはじめた時に迷いなくSONYのミラーレスを選んだのはこの頃のSONYに対する信頼と愛着があったからだと思います。
そして一緒にPIONEERのコンバーチブルのLASERDISCプレーヤー、フロントローディング式の凝ったつくりのSONYのβビデオデッキ(懐かしい!)と手持ちのオーディオに繋いでいました。

当時27型というのは一番大きなサイズだった
両サイドにオレンジのバックライトの点くボタンがあった
背面までデザインされており本当にかっこよかった
今でもこの頃のソニーデザインが一番良かったと思う
PROFEEL-PROと一緒に購入したPIONEERのコンパーチブルプレーヤー
レーザーディスクとCDが掛けられる
当時の媒体としては最も高画質で試聴できるものだった
しかしレンタルもなく持っていた映画はせいぜい4-5枚程度だった
考えてみればこれがCDを聴けるはじめての機器だったのかな
凝った作りのフロントローディング式のβビデオデッキ
意外と故障しなかった
当時のレンタルビデオはまだβも扱っていた

当時のSONYはテレビ局向の業務用機器で国内はもとより世界中で圧倒的なシェアを誇り絶好調だった。そしてデザインも本当によかった。

・はじめてのドルビーサラウンド

同時にその頃”ドルビーサラウンド”が初めてプロセッサー単体としてYAMAHAから発売され私は直に飛びついた。audio-technica製の小さく安いリア用のスピーカーも追加した。
各機器はSONY製のセレクターに繋いで切り替えて使えるようにしました。
結果、TVを見るだけで
①モニター
②アンプ
③ビデオデッキ…チューナーが無いのでビデオデッキのチューナーを利用
④セレクター

…と4つのスイッチを入れなければならなかった。
はじめの1週間程度は当時流行ったドルビーサラウンド仕様の「STAR-WARS」などを観ては「飛んでいる!」などと感動していた。
…ところが、1か月もするとその音にすっかり飽きてしまった。音があっちこっち飛んでもちっとも面白くないのである。

・近年のマルチシステム

近年ではドルビーアトモスなど、ずっと精度の高いサラウンド技術や自動調整機能付きのAVアンプがあり、かなり改善されているのかもしれません。
しかし一方で10年程前にLINNからリアルオーディオ用の”EXAKT”というマルチスピーカーシステムが発売されましたが結局、普及に至っていません。その光景は大昔あっという間に消えた”4チャンネルステレオ”を思い出します。どんな斬新なシステムでもスピーカーそのもののクオリティなしには音場表現や音質は語れません。


やはりぼくの中には、今でもあの頃の経験が根付いていてサラウンドには全く興味が湧きません。
その原因は莫大な費用を掛けたであろう最新鋭の映画館(I-MAXシアターやTHX)で聴く音にもあると思う。…あの音を聴いてしまうとちょっと躊躇してしまいます。
専門技術集団が集まって開発しているであろうそのシステムは正直とても芸術を鑑賞するための装置だとは思えません。一体誰があの音あの仕様で良しとしているのだろうかと思ってしまいます。


そしてやはり「昔の映画館は絵も音も良かったなぁ」と思ってしまうのです。

それではまたお会いしましょう。

#HIVI #PROFEELPRO #サラウンドプロセッサー #IMAX #THX

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