どんでん返し

私は彼とお別れしたあと
いきなりスマホが壊れた。
ほんとに壊れた。
こんなことってあるんだろうか。
彼の呪いか、それとも奥さんの呪いか、
はたまた夫の呪いか？と思ったほど。

私のスマホは、電源が入らなくなり
呆気なくご臨終をむかえたのだ。

彼に関するデータはほぼ消えた。
彼から貰ったメッセージ等々。
彼との思い出は消えてしまった。

放心状態のなか携帯会社へ出向き、
あわててスマホを取り寄せてなんとか
スマホ生活が復活した。
意気消沈のおばさんには
携帯会社のお姉さんもとても親切で
あれこれ手を尽くしてくれた。
感謝の気持ちでいっぱいだ。

しかし、スマホが壊れたその日から
彼との連絡手段を失った。

従って、
私たちは別れてから約１ヶ月ほど
特段連絡は取らずに過ぎていった。

事務的な連絡は勿論とらず、
ましてやメッセージで気持ちを
伝えることもなく過ぎていった。

しかし、交換日に再会した夜に
私からメールを送った。
少々事務的な内容を伝える必要があり
送信した。

そうしたら、なんと、
メッセージアプリから返信が来た。
ビックリした。
今後は事務的に事務的な内容だけを
メールのみで不自由にやり取り
する関係かと思っていただけに。
メッセージが来たことに驚いた。

彼とのメッセージのやり取りが再開し、
心踊る自分がいた。
毎日ではないにしろ
嬉しくなるメッセージも届き
心のそこからじわじわと
彼と触れあう温かさを感じた。

が、その後そのメッセージアプリで
彼に対する信用を失うことになろうとは。
そのときは知る由もなかった。