日本測地系と世界測地系:違いは?日本測地系はどこで使う?
GIS芸人のいりやまです。
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緯度と経度に関する測地系には、日本測地系と世界測地系があります。以下、それぞれについて解説します。
日本測地系 (Tokyo Datum)
日本測地系は、1918年に制定された日本の公式な測地系です。この測地系は、東京都渋谷区の旧東京天文台を基準点としています。
日本測地系は、主に日本国内での地図作成や土地の測量に使用されてきました。しかし、この測地系は日本国内の地形に特化しており、国際的な基準とは異なるため、国際的なデータとの整合性が取りにくいという問題がありました。
そのため、近年では世界測地系への移行が進められています。日本測地系と世界測地系の間には、数メートルのずれが生じることが知られており、正確な位置情報を求める場合には、このずれを考慮する必要があります。
日本測地系を利用している組織
日本測地系を採用している組織の例を挙げます。
国土交通省: 日本の公式な地図や土地の測量に関する業務で日本測地系を使用していました。ただし、2002年以降は世界測地系への移行が進められています。
地方自治体: 地方の土地測量や都市計画、地図作成などの業務で日本測地系を使用していた自治体も多いです。
日本の測量会社: かつての土地測量や地図作成の業務で日本測地系を採用していた会社もあります。
農林水産省: 農地の測量や農業基盤整備に関する業務で日本測地系を使用していた可能性があります。
日本の大学や研究機関: 地理学や測量学の研究、教育の中で日本測地系に関する研究やデータの取り扱いを行っていた組織もあります。
これらの組織も、技術の進展や国際的なデータ交換の需要に応じて、世界測地系への移行を進めている場合が多いです。
現在の採用状況を確認する際には、各組織の公式情報や関連文書を参照することをおすすめします。
世界測地系 (WGS 84)
世界測地系は、1984年に制定された国際的な測地系で、WGS 84 (World Geodetic System 1984) とも呼ばれます。
この測地系は、GPS (Global Positioning System) などの衛星測位システムで広く採用されており、国際的な位置情報の標準として使用されています。
世界測地系は、地球の形状を考慮した楕円体を基にしており、全世界での位置情報の一貫性を保つことができます。
このため、国際的なデータ交換や、GPSを使用した位置情報サービスなどでの利用が推奨されています。日本でも、2002年以降、公的な地図や測量での標準として世界測地系が採用されるようになりました。
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