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ストレート、変化球ともに球速アップ 本来の投球取り戻し 後期巻き返しへ

VOL35 投手 玉置隼翔(たまき・はやと) 背番号11 4年目 

Profile
2002/7/15 22歳 190㎝/87㎏ 右投/右打 和歌山県出身 和歌山東高

入団4年目で、7月15日に22歳を迎えた。「高卒の18歳で入団し、あっという間でした」と開口一番。「(NPB入りに向けて)まだ時間はあると思っていましたが、大学4年生と同じ年齢の選手になるわけで、一層頑張らないといけない」と、危機感を強めながら後期の戦いに臨んでいる。

4年目は慣れない中継ぎで奮闘

入団1年目は故障が響き目立った成績は残せなかったが、2年目は6勝3敗・防御率1.73で130奪三振を記録。防御率、奪三振数ともにリーグ2位になるなどエースへと成長した。そのオフに肘のクリーニング手術を受けたことで3年目の昨年は慎重に始動し、11試合に登板して2勝1敗・防御率2.76。そして今年はチーム事情から中継ぎに変わり、前期は8試合(9イニング)に登板し1勝1敗で防御率9.00と、苦戦を余儀なくされた。

現在の力強いフォーム(6月29日のSBH4軍戦・新居浜)

彼は元々オーバースローで、190㎝の長身から投げ下ろす球筋が持ち味だ。だが、今年前期はスリークォーター気味に変えていた。腕の振りやすさから「ボールのリリースポイントを落として(下げて)投げていた」という。結果球速はアップしたが、腕を下げた分、体が横回転になってしまうことや、「手首が寝やすくボールがシートし、いいところにいったと思っても真ん中に入って打たれるなど、コースへの投げ分けが上手くいきませんでした」と冷静に分析。そこでフォームをオーバーに戻して出力を維持し、「上から角度のあるボールをもう一度投げようとしたんです」。これにより前期後半以降「いい感じになりました」という。

4月13日の香川OG戦でのフォーム

「僕は8割の力で投げようと思っても10の力で投げてしまうことが多い。マウンドに立ってバッターに向かうと力が入る。力を抜くのが下手なんです」と苦笑する。全力投球は彼の信条であり良さでもあるが、ともすれば余計な力みは球の伸びを妨げ制球を乱す。彼がマウンドで投げる時、ベンチの監督からは「力を抜け力を抜け」とのゲキが飛ぶ。1~2イニング集中という中継ぎが初めてだけに試行錯誤があったに違いないが、フォームの改善とも相まって苦労しながらも力の入れ加減がスムーズになったのだろう。前期終盤近くからは本来のピッチングを取り戻していて、後期の巻き返しが期待される。

チーム貢献 ドラフト指名に全力

その前期後半にストレートの最速が151㌔にアップした。また、スライダーは135~136㌔、ツーシームは140㌔近くと共にスピードを高めていて、「腕が振れていて手応えを感じます」と話す。武器の1つであるフォークボールはウェイトを下げ、チェンジアップを活用。こうしたボールの出し入れにより前期の三振奪取率は12.00と昨年の8.72から大きく向上していて、「三振奪取率は高ければ高いほどいい」とニッコリ。「僕は先発でも追い込んだら三振を狙いにいきます。ましてや中継ぎですから三振しか狙わないですよ」と、らしいポリシーを披露する。

これから盛夏を迎える後期、戦いは激しさを増す。「先発に対する意欲は正直ありますが、投げる役割に関係なくマウンドに上がる以上は、勝利の流れを作りチームに貢献するのみです」と、男気溢れる玉置選手。同時に「しっかり抑えて、球速を出して、三振を取って、NPBのスカウトが気になる選手にならないといけない。ドラフト指名の気持ちも強く持ち続けていきます」と、誇り高く宣言している。

ひとくちメモ
趣味:ゴルフ・バレー・バスケ
血液型:AB型
愛称:特になし
好きなタレント:特になし
好きな料理:ラーメン・寿司・ピザ
苦手な食べ物:野菜