後期こそ掴むぞ正捕手の座!信頼得るための闘いは続く!
VOL.31 捕手 後藤 風海(ごとう かざみ)背番号28 ・ 2年目
マンダリンパイレーツは今シーズン、4人の選手を捕手登録している。そのうち1人は事実上外野にコンバートされていて、3選手による正捕手を巡るライバル競争は激しく、後藤選手はその中で揉まれ、懸命に闘っている。
彼の捕手歴は小学2年生からと長い。ただ、これまで全国にアピールするような華々しい活躍とは縁遠く、大学でも控え捕手の立場だった。彼は当時の自分自身を指し「不完全燃焼でした」と言い表す。一念発起し「完全燃焼」を目指した彼はパイレーツに入団した。が、そこに待ち受けていたのはそれまで以上のポジション競争。彼は1年目出場6試合で打率.125、1打点に止まり、マスクを被った場面は限定的だった。「1年目やってきて自分の実力不足、足りない部分が多いことを痛感しました。でも、足りなかったなぁで終わるのではなくて、自分の可能性を信じ、もう1年諦めずにやって勝負しようというと考えました」。以来、遠征に帯同できず、1人残って孤独な練習を繰り返す日々もあった。そして迎えた2年目、まさに勝負の年になった。
オフの鍛錬で体の使い方掴む
彼は昨シーズン終了後、若手のNPB選手も参戦するフェニックスリーグに参加し、実戦をこなした。年末にかけては泊まり込んで、宇和島のユズ園で農作業しながら同市のジムで専門家の指導ももとトレーニングに汗をかいた。こうした経験により身体の使い方が変わり、自信がついたという。迎えた2年目の前期、彼は8試合に出場し打率.267、4打点の成績を上げ、4月30日の徳島IS戦では入団後初のホームランを叩き込んだ。8試合のうち捕手として3試合にスタメン出場し、試合の途中に代打で出てそのままマスクを被ったのは2試合で、残りは代打だった。「バッティングがよくなったと思います。大事な場面で代打に出てヒットも出ました」と一定の評価を示す。しかし、一方の守備面は「自分のミスで試合を壊したこともあり、迷惑をかけてしまいました。塁に出たランナーに走られるのが怖くて体が浮き、ショートバウンドを止められなかったことがありました。投手の配球、いい球を引き出す術、バッターの観察も充分ではありません。課題は多いです」。
1年目・2年目ともに「ケガもなく動けています」とした上で「それでも公式戦の試合に余り出られていないのはまだまだ力が足りていないということ。実力をつけるためには前期にぶち当たった課題を潰していくしかありません。後藤ならボールを止めてくれる、そんな信頼を投手や首脳陣から得られるようになりたいです」と後藤選手。自身を指し「自分からガツガツいくのでなく、マイナス的に1歩引くような性格なんです」と苦笑していて、「監督からは『もっとガンガンいって(チームを)引っ張れ』とゲキを入れられているという。勇気をもって殻を破り、そのポテンシャルを開花させるのは後期しかない。