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打撃苦戦ながら打点、盗塁伸ばす!後期反転攻勢で“切り込み隊長”復活へ

VOL28  外野手 漆原幻汰(うるしはら・げんた)背番号1 4年目

Profile
2002/10/11 21歳 171㎝/76㎏ 右投/左打 愛知県出身 豊川高

パイレーツの〝切り込み隊長〟漆原選手が前期、バッティングに苦しんだ。出足の好調さが皮肉にも落とし穴となってしまった格好だが、苦しみながらも懸命に打点や盗塁数は伸ばしており、後期の反転攻勢を期している。

 愛知県の豊川高卒業後、入団し4年目を数える。その高い野球センスを武器に1年目からレギュラーに定着。1年目は68試合に出場し打率.264・15打点、2年目65試合で打率.299・21打点、3年目62試合で打率.274・28打点と、3割超の打率こそなかったものの、安定した成績を残し続けた。盗塁にも積極的に取り組み、年間7盗塁前後を記録し、1番・2番打者として相手チームに文字通り切り込んできた。

序盤は無双状態 驚異の打率見せる

ひめぎんグラウンドで練習に励む漆原選手(4月)

彼は今年前期、2番打者として爆発的なスタートを切る。開幕の香川戦(3月30日)は6打数5安打で5打点、翌2戦目も2打数2安打1打点、3試合目の4月6日の高知戦は5打数2安打となり、この時点で打率は.692とまさに無双状態。だが、4月7日の高知戦から13日の香川戦までの5試合は0安打。その後、安打数はやや弱含みで推移し、5月3日のソフトバンク3軍戦では打順が7番に変わり、打率も3割を切った。そして不調の波を幾つか経て、前期の最終成績は33試合で打率.226・24打点となった。この成績について彼は「ひどい結果です。自分みたいなバッターは半期で3割5分は打っておかないといけませんから、この数字ではダメです」と顔を曇らせる。

 「開幕戦は確かに良かった。いや、良すぎたんです。開幕戦後もしばらく好調さが続いて、いい感覚だと思っていました。そこに落とし穴がありました。好調過ぎて、色々なボールに手を出してしまいました。それが打率低下の原因です」と彼は話す。同時に「バッティングは気を抜いたらすぐに落ちます。それが分かっていても疲れなどで狂ってしまうこともあるので維持するのは難しい。いい感じだいい感じだではなく、上へ上へという意識でやらないといけません。バッティングは難しいですよ」。彼ほどのキャリアを積み、実績を重ねていてもともすれば陥るスキ、感覚のズレがあるのだろう。

打点チーム2位、盗塁は最多

5月18日の香川OG戦(坊っちゃん)この試合は8番に入った

 だが、そんな重苦しい状況のなか、前期は打順が途中から6~7番に下がったことでランナーを置いた状態での打席が増え、チーム内2位でリーグ3位の24打点を記録。盗塁はチーム1位でリーグ5位の9盗塁を数えている。出塁率、得点圏打率、長打率いずれも3割を超えており、悪いなりに自分の役割をきっちりと果たすところはさすがと言うべきだろう。

 後期開始までの間、チームはひめぎんグラウンドでミニキャンプを張り、集中的に練習に励んでいる。その間の彼自身のテーマは「自分のバッティングをもう一度掴むこと」だ。その姿は汗と泥にまみれ、かなり追い込んでいることが見て取れる。「欲を言うと打順は1番2番が自分には合っており、モチベーションも上がります」としたうえで、「後期は打率3割5分以上打つことと、前期にホームランが出なかったので3本は打つこと、盗塁はリーグ1位が目標です」と漆原選手。「(NPB球団からドラフト指名のための調査書が届き)10月に指名を待つ、あの気持ちを今一度味わいたいです」と語気を強め、背すじを伸ばした。

ひとくちメモ
趣味:ゴルフ・スケボーの動画
血液型:O型
愛称:「げんた」
好きなタレント:特になし
好きな食べ物:ラーメン
苦手な食べ物:豆類


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