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「 躍動する新入団選手」 VOL.8

マンダリンパイレーツには今シーズン14人の新人選手が入団していますが、例年に増してチームの中軸として活躍し、リーグのタイトル競争を繰り広げている選手も少なくありません。今回はそんなチームを支える新入団選手にスポットを当て、彼らの「今」、そして「これから」に迫ります。題して「 躍動する新入団選手」。

制球力改善、リリーフで開花へ!
投手 羽野紀季(はの・かずき)背番号26


  8月20日現在、チーム最多の28試合に登板していて、50回と3分の2を投げて4勝4敗1セーブの防御率4.80。開幕当初は先発陣の一翼を担っていたが、前期後半から中継ぎに移り、試合のクローズ役を務めることもある。「先発して連続で崩れた試合があり、自分でどうしたらいいか分からなくなったんです。そこでコーチと相談し、『自信を取り戻すまではリリーフで』との助言を受け、敗戦処理の形からスタートし、やっと勝ちパターンに組み入れて貰えるようになりました」。自身の役割変更に納得しているのだろう、経緯を話す口調は明快であり、悲壮感は感じられない。

 187㎝の長身から投げ下ろすストレートは最速150㌔を超える。それに近い球速のツーシームも武器で、カーブやスライダー、スプリットを織り交ぜる。最も自信を持つストレートは「最近は調子が悪くても148~149㌔は出ています」と胸を張り、同日現在の奪三振数は48とイニング数に迫る。また、一時はカーブの投げ方の影響から次の球が崩れることが多いとし、縦に落ちる縦スラのようなカーブに修正。スライダーとツーシームの精度向上も加えて「投球の幅を広げて楽に投げられるようになりました」と言う。その成果から課題の制球力は徐々に向上しているが、死球5を合せた与四死球41はリーグで2番目に多いのも事実。「四死球は後期、大分改善しています。もっともっと減らしていきたいです」。

  前期開幕戦ではピダ―ソンの後を受け第2先発として熱投、4月14日の徳島IS戦では6回まで零封、同月19日の高知FD戦は被安打4の完封勝利を飾った。その一方で「先発だろうが中継ぎだろうが取られる時は1イニングで大量失点するなど、調子の波があります。これまでにそれが認識できました。この波を小さくしていきたいです」。後期は中継ぎを経て8月2日のソフトバンク3軍戦は先発に復帰したが、2回と3分の2を投げて4四球で6失点。再び中継ぎに回り、8月12日の徳島IS戦、19日の高知FD戦はそれぞれ1イニングを投げて無四球無失点の好投を見せ、三振で締めくくった。「このままリリーフでいくかどうかはまだ分かりません。この春先に先発でいくと言って、それが全うし切れていないのは心残りがありますが、任せられた役割をしっかりやるだけです」。その先には10月のドラフト会議を睨んでいて、「今年にかける気持ちはかなり強いです。今年で野球人生が終わってもいいくらいの覚悟です」と、ドラフト指名に向けて後期残り試合に並々ならない意欲を傾けている。