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ポージング=キャラクター性

皆さん、こんにちは。MapleCです。季節の変わり目を過ぎたにもかかわらず、気候が変わりやすい最近、皆さんはどのようにお過ごしですか?私は相変わらずお酒を売りながらドット絵を描いています。今年はキャラクターデザインをメインに取り組みながら、他の分野(VFXや3D)の勉強もしてきました。

様々なキャラクターのデザインに取り組んでいくうちに、ポージングとキャラクターの個性との関係が明確になってきました。魅力的なキャラクターは、その個性を一目で見て取ることができます。今年のドット絵アドベントカレンダーでは、このテーマについて記事を書こうと思います。

ちなみに、今年は表、裏、端のドット絵アドベントカレンダーがありますので、合計75個のドット絵の記事をみることができます。(やったぜ)

主催者の皆さま、ありがとうございました。

ドット絵アドベントカレンダー:

裏ドット絵アドベントカレンダー:

端ドット絵アドベントカレンダー:



そもそもキャラクター性とは:

私の下手な日本語でキャラクター性を定義することは難しいですが、私の中ではそれは「キャラクターの外見や内面を確立する要素」と思います。非現実的な場合は個性的なキャラになり、現実的な場合はキャラのリアリティが増します。

例:斧、盾、鎧などの要素から戦士だと判断できる。ただ性格はわからない。

私が自分でキャラクターをデザインした時、印象がぼやけていることがよくありました。キャラクター性が薄いためだと思います。もししっかりとしたキャラクター性があれば、輪郭がはっきりとしてくると思います。


ドット絵においてキャラクター性の表現:

普通のイラストと比べて表現に制限のあるドット絵では、方法も限られてきます。
思いつく限りでは以下の表現方法があります。

  1. 表情
     目を見開いたり、白目にしたり、口を大きく開いたりなどの組み合わせで様々な表情が作れます。個人的には、眉毛があると表現の幅がさらに広がります。
     ドット絵のサイズが制約となり細かい表情が難しい場合は、顔色や涙の有無で表情を表現することが多いです。

  2. ポージング
      人の動作は意味を持ちます。例えば、地団駄を踏むことで悔しさが表現できます。これに表情を加えると、印象がより鮮明になります。
     小さいドット絵ほど、アクションやポージングを大げさにする必要があります。

  3. 漫符
     漫符(まんぷ)とは感情や感覚を視覚化した記号です。怒りマークなどが含まれます。漫画はもちろんゲームやアニメなど幅広いメディアで使用されている表現技法なので、親しみやすいのではないでしょうか?

違う表情、ポーズ、漫符を同じキャラに用いてみたもの

同じデザインのキャラクターでもこれらをまとめて運用することで、違った印象になります。


ポージングについて:

先ほど出てきたポージングについて、もう少し深く掘り下げていきます。

人は見た目から多くを判断しますが、第一印象はキャラクターにとって特に重要です。背格好、顔つき、髪型が、そのキャラクターの性格やバックストーリーをみせます。

筋肉質なキャラクターは力強さを、細身で本を持つキャラクターは知性や内面の豊かさを象徴します。これらの外見的特徴は、キャラクターの個性を際立たせます。ドット絵では、これらの特徴を強調し、キャラクターの個性を明確にすることが特に重要です。

ではキャラクターの内面的なキャラクター性はどこから判断するか、そこで重要になるのがポージングです。日々の所作から人間性が見えるように、ポージングはキャラクターの内面を映し出すものです。

ポージングの例

この画像はキャラクターにポーズをとらせてみたものです。ポージング以外は同じですが、1番と2番のキャラクターで違った印象を持ったと思います。

キャラクターが胸を張ることで自信があるのだと判断することができますし、逆に下を向かせたり目をそらすことで自信のなさをみてとることができます。足の幅を大きくすれば力強さを、逆に狭くすれば繊細さを表現できたりします。

他にも
・肘や膝の向き
・猫背の有無
・体のひねり

など、印象的なキャラクターの絵には、それぞれの体のパーツがキャラクター性を上手く表現しています。魅力的なキャラクターを描いてみたい方は、ポージングに注目してみてはいかがでしょうか?

(私自身もポージングに関しては勉強中のため、いろいろな方と情報交換できたらなと思います。)

実際に描いてみる:

それではポージングを意識して描いてみたいと思います。自分のオリキャラをドット絵にしてもいいのですが、今回はポージングに着目したいので既存の版権キャラクターをドット絵にします。

さて、どのキャラクターを描くか

久々にお題箱でも・・・

ん?
あっ

罪滅ぼしもかねて彼女を描かせていただきます。

1.ラフ案を出す

キャラクターの性格を考えながらポーズを考えていきます。今回は原作を調べながらなるべく多く描きました。手癖で描くとどうしても似たような構図が多くなってしまうため、数こそ正義です。

私は投げ縄塗りと呼ばれるツールを使って描いています。AsepriteだとDのショートカットキーで使えるのですが、綺麗な線を引くのが苦手な人にはおすすめです。

2.ドット絵で大体のラフを描く

描いたラフ案を使い、ドット絵制作ツールで大体のポーズを描きます。私の場合はこの時に頭身やドット絵の大きさを決定します。一番小さなパーツになる目を基準に、顔、胴体、手足という順に描いたラフ案をベースに描いていきます。Asepriteの”reference layer”を使うとトレスしやすいです。

※Reference Layer
上のタブにあるLayerからNew→New Reference Layer from Fileの順で、パソコン内にある画像を参照することができます。

今回描いているキャラクターはアクティブなイメージが強いので、そこからイメージを膨らませてポージングを決定しました。個人的なイメージの話ですが、キャラクターが手足を大きく外側に広げているとそういう印象を受けたりします。

3.シルエットを意識してパーツを加える

別のレイヤーで、色を載せながらキャラクター全体のバランスを見ます。
長髪のキャラクターなのでバランスをとるために左手を前に向けたり、目線を変えたりしてます。シルエットでもキャラクターのポーズがわかりやすいように、それぞれのパーツの位置を調整しました。

この時点で立体感を出すために1影を加えていきます。手前にある部分は明るく、奥に行く部分は暗くするイメージで立体感を表現します。

4.仕上げ

髪のハイライトで質感を変化させたり、服や髪に2影を加えて絵の情報量を上げていきます。この過程で修正点が見つかってくるので、発見次第修正していきます。

1日寝かせてから改めて確認し、修正点がなければ完成です!!

最後に

いろいろな方々のおかげで、今年も飽きることなくドット絵を描き続けることができました。来年もこの調子で精進していきます。少しでも興味がある方は

ドット絵描こうぜ!


蛇足

もしこういう記事を描いてほしいなどあれば、こっそり教えてくださると嬉しいです。文章を書くのに少しでも慣れねばと今回痛感しました。

(そういえばドラクエ3のHDリマスター版の開発がすすんでるとの話を聞きました。興味がある人は語らいましょう。)

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