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さては時ぞと思うあやにく

明日は節分で、その翌日は立春。
この季節が来ると、ついつい「春は名のみの 風邪の寒さや」と口ずさんでしまいます。

わたしは「早春賦」が好き。
初めて聞いたとき、3番の歌詞の美しさにときめきました。

春と聞かねば 知らでありしを
聞けば急かるる 胸の思いを
如何にせよとの このごろか
如何にせよとの このごろか

てっきりめちゃくちゃ美しい恋の歌だと思ったら、そうではなかったみたいです。
でもそう感じる人が多いのも事実なよう。
「春」にソワソワして、ウキウキして、でもまだはっきり「春だ!」とも言えないもどかしい気持ち。

好きな季節は?
と聞かれたら、すかさず「秋」と答えるわたし。
暑いのが苦手なので、涼しく寒くなっていくことが心地よい。
だけではなく秋の鮮やかな黄色や赤といった暖色の色合いと、冬が来るというワクワク感が好きです。

でも、春が来る!
という今の季節も大好き。
群れる菜の花、足元を飾るたんぽぽ、空を彩る桜。それから、暖かな光を含んだ青い空。
春のイメージは、どうしてもそういう明るさとひとまとめ。
「春」そのものよりも、その「春が来る!」のワクワク感がたまりません。

思えば、早春賦の描き出す春を待ち遠しくおもう気持ちって、子どもの頃によく経験した気がします。
春に限らずいろんなものが待ち遠しくて、ワクワクドキドキソワソワ。
田舎で育ったから、なおさら季節の変化や季節ごとの遊びに敏感だったのかも知れません。

大人になった今、自分がそんなに何かを待ち遠しいとおもうことは減ったけれど、きっと我が子たちにもそんな楽しい気持ちを持って欲しい。
今年の春は、外出自粛の家でむかえることになりそうです。
でもたくましい子どもたちを信じて、自粛の中でも彼らをワクワクさせられるように、卑屈にならずに明るい春を迎えようとおもいます。

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