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産後うつ記録:「わたしはおかしい」を認めたら

最近わたしは、「これはわたしがおかしいね」「本当におかしかったね」とよく夫に言います。
自分で自分が正常ではなかったことを確認して、今の自分と照らし合わせる作業を繰り返しています。
「あれはおかしい状態だった」と認識することで、自分の回復を確認できるからです。

1960年代、妊産婦や母親の心理・精神医学について研究が始まり、1980年代にはロンドンで本格的な産後うつの研究が開始されたそうです。日本では1990年代に入って少しずつ研究が広まったようですが、これらは精神科医たちでした。
日本で初めて産科領域で産後うつについて研究をなされたのは、なんと2000年のことだそうです。
しかも、この際にも産科の多くがその重要性を認識して対応を講じられるほどには浸透しなかったのが実状です。

たしかに産後うつという言葉を耳にするようになったのは、近年になってからだと思います。育児ノイローゼという言葉は聞いたことがありましたが、それとは全く異なるものであることは、今現在でも周知されていないと感じます。
こんな状況ですから、産後うつに対しての世間の目もクリアとは言えないでしょう。
自分が産後うつであるかもしれないと思ってもそれを認めたり、病院にかかることをためらうことも容易に想定できます。
そして、自分で意を決して心の状態に向き合おうとしても、適切な援助にたどり着けないことも大きな問題なのです。

このマガジンでは、娘の出産後に産後うつになり、2年半もかかった回復までの話を綴っていきたいと思っています。

現在のわたしは、子どもたちを可愛いと心から思いますし、毎晩夫と子どもたちの可愛いところを挙げて楽しむような毎日です。
それでも時々、特に娘についてはどうしようもない息苦しさを感じることがあります。満点に回復とは言えないのかもしれません。
ただ、夫はとても協力的でわたしの心を理解しようとしてくれます。
夫や子どもたちと幸せに過ごせるよう、自分に丁寧に向き合って、自分自身を大切にして、家族を大切にすることを毎日のテーマとしています。

次の回から、実際の出産から産後うつと理解し、回復するまでの話を始めます。

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